2026/7/23

新宿区議会議員の川村のりあきです。
前回は、中落合にあった高齢者福祉施設「清風園」の廃止方針が突然示され、その後、関連費用が約1億9,000万円から約6億9,000万円へ膨らんだ経過をお伝えしました。
しかし、私がこの問題で最も深刻だと感じたのは、費用の膨張だけではありません。
それは、住民説明会の内容を後から検証するための、十分な記録が残されていなかったことです。
2020年1月に開催された清風園の住民説明会には、延べ220名を超える住民の皆様が参加しました。
説明会の冒頭、区側は、会場の音声を記録すると説明していました。
参加者の多くは当然、
と受け止めたはずです。
ところが、その後に明らかになった経過は、次のようなものでした。
「音声を記録します」と説明
↓
詳細な議事録は作成されない
↓
音声データは「要録」作成後に消去
↓
区が作成した要録だけが残る
↓
住民の発言を後から十分に検証できない
私は、説明会の内容を残すため、自分で議事録を作成していました。
その議事録には、
などが数多く記録されています。
しかし、区が作成した「要録」では、廃止に反対する意見や再検討を求める声が十分に反映されているとは言い難い内容になっていました。
説明会の実際の雰囲気や、住民の皆様の切実な声との間に、大きな隔たりがあったのです。
別の区民の方が、説明会の議事録や音声データについて情報公開請求を行いました。
しかし、詳細な議事録は作成されておらず、音声データも「要録」を作成した後に消去されていたことが分かりました。
つまり、区がまとめた要録が正確だったのかどうかを、元の音声と照合することができなくなっていたのです。
住民の皆様が何を訴え、区がどのように答えたのか。
後から第三者が検証するための材料が失われていました。
区はその後、清風園の廃止について「おおむね地域の理解を得た」という趣旨の説明を行いました。
しかし説明会では、廃止に反対する意見や、清風園と障害者グループホームの共存を求める声が数多く出されていました。
詳細な記録が残されていなければ、
を事後に確認できません。
行政が作成した短い要録だけをもとに、「地域の理解を得た」と結論付けてよいのでしょうか。
清風園は2021年9月30日に廃止されました。
決定過程の不透明さや、費用の膨張などに疑問を抱いた住民の皆様は、廃止処分の取り消しと施設の存続を求め、行政訴訟を提起しました。
2022年8月30日の裁判期日では、弁護団から、
という論点が示されました。
同じ日の夜に開催された障害者グループホームの説明会でも、
という意見が寄せられました。
私はその後も、清風園問題だけでなく、行政が意思決定の過程をどのように記録するのかを議会で問い続けてきました。
2025年3月の予算特別委員会でも、行政記録のあり方を取り上げました。
それは、神宮外苑の開発にかかわる区有地の三井不動産との交渉経過が全く記録に残されていなかった問題です。
【議会報告】神宮外苑再開発①〜口頭だけの協議⁉ - 川村のりあき(カワムラノリアキ) | 選挙ドットコム
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【新宿区議会】神宮外苑 口頭だけの協議⁉ 区の関与を追及|川村のりあき
【新宿区議会】神宮外苑 やり取りの"裏側"〜区長との交渉経緯を質問|川村のりあき
その中で、区の総務部長から、
「記録をしっかり残してこなかった点は、適正性を欠いていた」
との答弁がありました。
区自身が、行政の意思決定過程を十分に記録してこなかったことに問題があったと認めたのです。
記録を残す目的は、単に会議の概要をまとめることではありません。
住民の皆様の発言、行政の説明、意思決定に至る経過を正確に残し、後から検証できるようにするためです。
記録がなければ、
を確認することができません。
行政への信頼は、検証可能な記録があって初めて成り立ちます。
そして、この問題は過去の話ではありません。
7月14日に開催された「西武新宿線開かずの踏切対策報告会」でも、区は「区が記録し公開する」と説明しました。
私は、その説明を聞いたとき、清風園のときと同じことが繰り返されてはならないと強く感じました。
次回は、清風園の教訓を踏まえ、今回の踏切対策報告会で何を確認していく必要があるのかをお伝えします。
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ホーム>政党・政治家>川村 のりあき (カワムラ ノリアキ)>【清風園問題②】「録音します」と説明したのに、記録は残らなかった―住民説明会で何が起きたのか