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等身大の政治を ③持続可能なまちづくり【草加市政白書2026】

2026/8/6

草加市議会議員の佐藤のりかずです。

特定の政党や組織に縛られない「完全無所属」の立場から、草加市政の「現状」と「未来」を紐解く市政白書を連載しています。
現場ではたらく方々、日々の暮らし、市民の目線から見えた草加の課題とは何か?
第3回のテーマは「次世代へつなぐ、持続可能なまちづくり」です。

 

 

 

STEP.3第3章.次世代へつなぐ、持続可能なまちづくり 

 

市議会議員に初当選した翌年に、東日本大震災が起きました。

 

振り返れば、議員活動は常に防災と向き合い続けた16年間。

耐震基準に満たなかった市役所本庁舎や消防本部建てかえなどに、正面から向き合い続けてきました。

 

普段は、消防団員として地域の安全を守り、町会などの防災活動や子育て、日常生活で感じたことを大切に持続可能なまちづくりに取り組んでいます。

 

健全な財政と強い地域経済や元気な地域ネットワークがあって初めて、次世代へつなぐ持続可能な防災や福祉が成り立ちます。

 

 

 

①進む防災の取り組み

 

近年激甚化する大雨被害に対する防災力強化の取り組みが進んでいます。特に大きな浸水被害を受けた松江・栄町地区では、古綾瀬川排水機場内の排水機能が増強されました。

市内43箇所に「浸水センサー」を設置する国連動の実証実験により、今年の台風6号の際も、浸水状況を市民と行政がリアルタイムにWEB等で確認・共有できる体制が整いました。避難所の防災備蓄品の充実も一歩ずつ進んでいます。

 

 

また、地震などで断水した際、避難所となる小中学校の水道本管から直接給水できる「応急給水栓」の設置も進展。2024年度までに30校へ設置されたものの、予算削減のあおりを受け、残る新田小・稲荷小学校への設置計画が先送りされ、不透明な事態に陥っていました。

「災害はいつ起きるか分からない」「早急に全校設置を」と議会で求めました。2026年度予算で、残る2校の設置予算を確保。すべての小中学校に応急給水栓が整うことになりました。

 

 

 

②町会への「防災丸投げ」をただす

 

2024年にリニューアルした花栗第2児童遊園(くじら公園)には、災害時に炊き出しができる「かまどベンチ」が設置されました。しかし、肝心の鍋などの調理器具や防災倉庫は備えられていません。市に確認したところ「町会で買ってください」との説明でした。

公園や防災設備はみんなが使う公共のものですが、町会費から多額の予算を投じる「地域丸投げ」が現状です。災害が起きた際、備品がなくて町会が責められるような「無責任ルール」は改めるべきと訴えました。共助=地域丸投げではなく、パートナーとしての連携が大切です。

 

公園の防災備品、なぜ不足? 町会に丸投げされる現状に疑問【草加市】

 

 

③市営住宅の福祉・財政両立モデルを提唱

 

2022年2月議会で、西町職員住宅の跡地に新たな市営住宅を建設し、市内の老朽化した住宅の建て替え時の受け皿とする「福祉と財政を両立する循環型建て替えモデル」を提案し、市に採用されました。

しかし、市の財政難を理由に当初予定されていた解体予算が先送りされました。建物が空き家状態で放置された結果、不法侵入や治安悪化などの深刻な事態となりました。私のもとには地域の方々から不安の声が寄せられ、「すぐに解体すべきだ」と議会で追及。ようやく、2026年度後半から解体へ動き出します。計画の確実な実行を目指し、今後も注視し続けます。

 

 

 

④健全な財政力の一方、自由度に赤信号

 

草加市の「お財布事情」は…

市税収入の増加などにより一般会計の歳入は958億円まで増加し、黒字42億円(実質収支)の財政力を維持しています。

しかし、恒常的な収入だけでは、日々の経常的な支出をまかないきれない財政の「硬直化」が進行しているーこの“二面性”が、2024年度決算時点における今の草加市の大きな特徴です。

 

また、これまでの借金削減方針の結果、市債残高(全会計)は942億円まで削減されました。歴代市政によって築き上げられたこの強固な財政基盤があるからこそ、本来、草加市は未来に向けた選択肢(有効な投資)を持つことができているはずです。

今後は、財政規律を堅持しつつ、市債も有効活用することで、市民生活に不可欠なサービスを維持するとともに、将来を見据えた必要な投資を着実に進めることが不可欠です。

 

 

 

⑤「削る」から「育てる」財政へ

 

しかしながら、市は2025年度予算編成において「とにかく一律15%カット」という極端な方針に突き進みました。

市の仕事を受ける地元企業に対し、「予算を半分にしたらどうなるか?」という、まるで脅しのような調査まで行われていたのです。これでは地域の雇用も守れず、大切な地元産業が空洞化してしまいます。

「買い叩きやダンピングが疑われても仕方がない行為ではないか」「これではまちづくりが後退してしまう」-議会でそう訴えた結果、地元企業への行き過ぎた予算カット調査を食い止めることができました。

そして、翌2026年度予算編成方針では、「予算削減は目的ではなく、未来への投資のための手段である」と、市はこれまでの姿勢を明確に転換しました。

 

予算編成方針の最も重要な役割。それは、市役所の全職員が財政課題に対して「正しく理解し、正しく恐れる」こと、その上で「市民のために何ができるのか」を議論するための共通の指針となることです。手段と目的が逆転していたこれまでの財政運営を改め、「ただ削る」から、地域経済や雇用など「未来へ投資」する市政運営の実現を、これからも目指します。

 

 

 

⑥市内純生産と産業構造

 

公表されている2022年度最新データによると、草加市における「就業者1人当たり市内純生産(全産業平均)」は532万5千円で、埼玉県平均の512万7千円を上回っています。「雇用者1人当たり雇用者報酬」も499万2千円で、県平均472万円を超える水準です。

市内総生産は7245億円です。産業構造の内訳をみると、形のないサービスや情報を提供する「第3次産業」が4663億円で、市内総生産の64%を占めています。なお、直近5年間の推移をみると、第3次産業だけでなく、製造業や建設業などの「第2次産業」も拡大傾向にあります。

 

また、草加市では、商工会議所や商店連合事業協同組合をはじめとする様々な市内経済団体と連携して、創業支援や育成、販路拡大などの取り組みを少しずつ広げてきました。

2016年度から始まったリノベーションスクールを通じて、計13店舗が開店(2024年度決算時点)し、そのうち施設の老朽化で閉店した1店舗を除く12店舗が現在も営業を続けており、実質的な定着率は100%と高い水準を維持しています。

市民や市内団体と行政が連携した地域活性化・雇用創出のさらなる推進が期待されます。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。次回、第4回は「行政・議会改革へ」です。

 

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著者

佐藤 のりかず

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