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【草加市立病院】外部調査の提言と「3つの視点」。トップと市長に迫った病院のみらい

2026/6/23

6月15日の草加市議会で行った、草加市立病院に関する質問報告の第2弾をお届けします。

 

今回のテーマは、草加市が令和7年度から進めている「地域医療環境等および市立病院機能等検討業務」の報告書についてです。

市民の財産であり、命の砦である市立病院をどう守り、どう持続可能なものにしていくのか。外部の専門業者を入れて精査した「データと提言」に対して、市長と新事業管理者の認識を確認しました。

 

 

 

医療圏の特徴と市立病院

 

まず、検討業務の取り組みと報告書の特徴を確認しました。

健康推進部長によると、専門事業者の客観的で幅広い視点による分析データをもとに、庁内の会議体で検討整理し、地域医療環境の現状分析や地域医療構想の方向性について、以下のように考察したとのことです。

 

東部南保健医療圏(草加、八潮、吉川、三郷)の特徴

  1. 65歳以上の人口当たり病床数が全国的にも少ない医療圏
  2. 草加市立病院が医療圏で最多の救急搬送を受け入れている
  3. 後期高齢者人口の増加に伴い医療需要の増加が続く

 

報告書の考察

  • これらを踏まえ、将来にわたり当医療圏の急性期拠点機能を担うことが求められている
  • この役割や機能を持続可能にするため、経営改善や経営形態等に係る選択肢やその特徴等を整理した
  • 市も後押ししながら地域医療連携をさらに強化していくことが、収益改善に直結することを改めて整理できた

 

 

「伸びしろ」と「新たな視点」

 

今回の報告書は、第三者の視点を含め、以下のような経営改善が提言されました。

  • 「逆紹介」に改善の余地あり: 市立病院での治療を終え、症状が落ち着いた患者さんを地域の医療機関へバトンタッチする連携(逆紹介)を強めることで、ベッドの目詰まりを解消できる。
  • 「がん診療」の強化が有用: 草加市立病院は大学病院と同等レベルの質を持っている。埼玉県がん診療指定病院の認定を契機に、がん診療の強化への取り組みが有用である。
 

 

 

 

私が感じた「3つの視点」

今回の報告書を読み込むなかで感じた「3つの視点」を提示しました。

  1. 現状の経営改善の方向性(市立病院の経営強化プランと方向性が合致)
  2. さらに改善できる具体的な取り組み(これも病院の方向性と合致)
  3. 病院の機能や「運営形態」そのものに関わる視点

3つ目の「運営形態(公営企業のままか、地方独立行政法人化かなど)」の議論は、病院現場ではなく、設置者である「市(政治)」が判断すべき領域です。これを踏まえ、市長(設置者)と事業管理者(経営トップ)に、報告書に対するそれぞれの受け止めを質しました。

 

 

 

市長と事業管理者の受け止め

 

蒲田病院事業管理者(経営のトップ)

  • 草加市立病院経営強化プランで掲げた方向性と基本的に一致している
  • 当院で進めてきた経営改善や病院機能強化への取り組みが評価されたものと受け止めている
  • 一方、経営改善をより推進しうる要素として提言をいただいた
  • 市と協力するなかで、経営強化プランに掲げた各種施策に加え、提言を着実に実行していくことにより、持続可能な病院経営に向けて取り組む

 

山川市長(病院の設置者)

  • 地域医療環境の現状や市立病院の経営状況などを客観的な視点から確認できた
  • 医療圏において、急性期拠点の市立病院の存在は周辺地域の安全安心にも繋がることを改めて認識した
  • 担うべき役割や機能は市立病院単体ではなく、地域全体の医療提供体制の中で考えていく必要がある
  • 国・県の動向も見極めながら、持続可能な医療提供体制の構築という視点も踏まえ多角的に検討する

 

 

出すだけの窓口から、共に考えるフロントへ

 

今回の質問を通じて、個人的に大きな一歩だと感じた変化があります。

それは、これまで病院に対して一般会計からお金を「繰り出すだけの窓口」になりがちだった市長部局(健康づくり課)が、外部調査を通じて、「市立病院の未来を病院と一緒に見つめ、考える最初のフロント(当事者)」として機能し始めたことです。

 

いま、草加市立病院は、重要な岐路に立っています。

これからも地域医療の「方向性」をチェックし、議論を続けます。

 

次回は、この流れを踏まえた「2040年を見据えた地域医療連携の目詰まり解消」についてお伝えします。

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著者

佐藤 のりかず

佐藤 のりかず

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