2026/8/10
回答者の大半が勤務医で、開業医の回答者は10%。そして開業医は勤務医に比べて倍の割合で窓口負担増に反対しているというのはわかりやすい結果…。… https://t.co/SSV0h5UpcA
— おときた駿 / 元参議院議員、しゃほさげフェニックス (@otokita) August 10, 2026
日本経済新聞と日経メディカルオンラインの共同調査が出ました。
全国の医師8138人に聞いたところ、高齢者の窓口負担を3割にする方針について64%が賛成(「どちらかと言えば」を含む)と答えています。
反対は20%。賛成の3分の1にも届きません。
現場の医師の多数が、負担割合の見直しに賛成している。この事実だけでも、議論の前提はだいぶ変わるはずです。
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もう少し中身を見ると、面白い差が出ています。
病院の勤務医は68%が賛成、診療所の開業医は50%。反対に回ると、開業医は33%、勤務医は17%です。ちょうど倍の開きがあります。
なお回答者の構成は、病院勤務医が69%、診療所勤務医が16%、診療所開業医が10%。今回の「6割賛成」という数字は、勤務医の意見が中心になっている点は割り引いて読む必要があります。
では、なぜ立場で割れるのか。答えはシンプルで、受診行動の変化を直接受け止める場所が違うからです。
外来の患者数が減れば、診療所の経営には即座に響きます。病院の勤務医は給与所得者ですから、そこは構造的に感じ方が変わります。
これは誰かの善悪の話ではありません。制度変更のコストとベネフィットが、立場によって別々の場所に落ちるという、それだけの話です。
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反対側の理由も、公平に見ておきたいと思います。
反対と答えた医師のうち51%が「低所得の高齢者への影響が大きい」を挙げ、36%が「受診控えで病状が悪化する懸念」を挙げています。
開業医に限れば、重症化を懸念する声は64%にのぼりました。
低所得の高齢者への配慮は、制度設計でしっかり対処できます(ここは後で触れます)。問題は「受診控えで重症化する」という懸念の方です。
たとえば1割負担なら、1万円分の医療を1000円で受けられます。9000円は誰かが払っている。その「誰か」が現役世代の保険料です。
この価格差が受診行動をどれだけ動かすのか。ここは感覚ではなく、データで語るべき論点です。
記事では社会保障審議会・医療保険部会の委員でもある上智大学の中村さやか教授が、過去の窓口負担引き上げで死亡や重い病気の発生が増えたという信頼性の高い研究報告はない、と指摘しています。
そのうえで、年齢ではなく所得や資産、健康状態を見て負担を決めるのが合理的だ、と。年齢で線を引く合理性は、もう残っていないということです。
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背景にある数字も見ておきます。
2024年度の国民医療費は推計48.8兆円で、4年連続の過去最高。この10年で約2割増えました。
そして現役世代が後期高齢者医療制度を支えるために出している支援金は、同じ期間に5.6兆円から7.4兆円へ。1.8兆円の増加です。
これが、手取りが増えない理由の中核にあります。社会保険料は税と違って所得の低い層にも定率でかかりますから、負担の重さは若い世代ほど効いてきます。
ただし、制度設計には一つ落とし穴があります。
後期高齢者医療制度では、1〜2割負担の方の給付費には公費が入りますが、3割負担の方の給付費には公費が入りません。高齢者自身の保険料と、現役世代からの仕送りで賄う仕組みです。
つまり現状の制度のまま3割負担の対象者を増やすと、現役世代の負担がかえって増えかねない。
負担割合の見直しと、公費投入のあり方の見直しは、セットで議論しなければ意味がありません。ここは医療保険部会でも複数の委員から指摘が出ています。
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低所得の高齢者への配慮も、同じ考え方で整理できます。
一律3割にしたうえで、支払い能力の低い方には別のルートで支えればいい。高額療養費制度があり、私たちが制度設計を進めている給付付き税額控除もあります。
窓口負担の割合そのもので線引きをするから、いびつになるのです。
負担は年齢で決めない、支援の有無は所得と資産で決める。この原則に揃えるべきだと考えています。
日本維新の会は、70歳以上の窓口負担を原則3割とすることを求めてきました。
7月にまとめた自民党との社会保障制度改革の骨子では、年齢によらない応能負担を実現する観点から見直しを行う、という記載にとどまっています。
ただ、ここから先が本番です。
2026年末までに改革工程表を策定することになっています。具体的な数字と期限を書き込めるかどうか。
現場の医師の6割が賛成しているのです。前に進めます。
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ホーム>政党・政治家>おときた 駿 (オトキタ シュン)>窓口負担3割へ。日経調査が示した「受診控え」論の現在地