2026/4/27
栃木県宇都宮市を、地域未来戦略・地方創生担当大臣として視察してまいりました。

↑ライトラインの車両。イメージカラーは黄色と黒。率直にいってとてもかっこよかったです。
宇都宮市は、佐藤栄一市長のリーダーシップの下、長きにわたり「スーパースマートシティ」の実現を目指してまちづくりを進めてこられました。
「スーパースマートシティ」とは、ネットワーク型コンパクトシティを基盤としながら、地域共生社会、地域経済循環社会、脱炭素社会の3つの要素を融合させ、「人」と「デジタル」を原動力として、100年先も持続的に発展し続けることを目指すまちの姿です。

↑宇都宮市の資料より。複数の地域拠点とデマンド交通によるネットワーク化が目標。
宇都宮市は、人口約50万人、面積はさいたま市の約2倍にあたる広さを有しています。昭和と平成の合併を経て、中心市街地と郊外部が広がる都市構造となる中、高齢化の進展も相まって、地域交通の確保は大きな課題となっていました。

↑こちらも宇都宮市の資料。たくさんの町村が合併して今の宇都宮市が誕生したことがわかります。
そこで宇都宮市では、市内各地域に拠点を定め、それぞれの拠点を交通ネットワークで結ぶ基盤づくりを進めてこられました。東西の基幹公共交通としてLRT「ライトライン」を整備し、既存のバス路線についても、LRTと重複する路線の見直しや、地域拠点間の連携を強化する再編が行われています。

↑車両の床材は大谷石を模したもの

↑つり革も独特の形状で誰でも握りやすい形を採用
また、39の連合自治会単位で、市民の皆様自らが地域内交通のあり方を検討し、市役所のサポートを受けながら、タクシー会社など民間事業者による地域内交通の運行も始まっています。行政が一方的に決めるのではなく、市民にも自ら汗をかいてもらいながら、且つ、地域の声を丁寧に受け止めて、地域に必要な移動手段をつくっていく姿勢が印象的でした。
こうした取組に対しては、当初、反対運動もあったそうです。しかし、市民の皆様にご理解いただくため、39の連合自治会を対象とした説明会だけでも120回以上開催し、さらに、市長や市の職員の皆様が小さな集まりにも直接足を運び(ミニ説明会も含めると千回を超える回数とのこと)、取組の必要性を丁寧に伝え続けてこられました。
加えて、オープンハウスを設置し、いつでも市民の皆様が「スーパースマートシティ」の構想やライトラインについて知ることができる場をつくるなど、徹底した対話と情報発信を重ねてこられたとのことです。
ドアtoドアの地域内交通を利用し、バリアフリーのライトラインに乗り継ぐことで、市街地にある病院や商業施設などにも、自分の力で移動することができるようになる。市民一人ひとりの移動の自由を守るとともに、行政の効率的な運営にもつなげていく。その基盤の上に、長期的なまちづくりを進めていく。大変すばらしい取組であると感じました。

↑ライトライン利用者の利便機能や交通結節拠点にふさわしい交流機能のために整備されたアークタウン
コンパクトシティについては、これまでも国が主導して進めてきた経緯があります。しかし、郊外にお住まいの方に市街地へ転居していただくことは、決して簡単なことではなく、思うように進まなかった地域もあります。
宇都宮市では、郊外の新興住宅地に居住を希望する傾向が強い若年夫婦や子育て世帯に対し、市街地の民間賃貸住宅への転居やマイホーム取得を支援する補助制度を用意しています。一方で、郊外部からの転居については、人生の節目などを捉えながら、50年単位の時間軸で少しずつお願いを続けていくという考え方を取っているそうです。
すべてを市街地に集約するのではなく、各地域に拠点を整備し、それぞれの拠点を核としてネットワークで結んでいく。だからこそ、市民の皆様のライフスタイルに寄り添いながら、無理なく、着実にまちの姿を変えていくことができるのだと感じました。
そして、宇都宮市がこのネットワークを基盤として新たに取り組んでいるのが、「東部スポーツウェルネスライン」です。

↑アークタウン内のスケートパーク。地元の子どもたちが上手に滑っていました。

↑アークタウン内の屋根付き多目的広場。3×3のコートなっていました。
ライトライン沿線に、スポーツ施設、大学、産業団地などが立地する強みを活かし、交流人口の増加、地域経済の活性化、そして子どもたちが夢や希望を持てる環境づくりにつなげていく取組です。今後は、部活動の地域移行への対応にも活かされていくとのことでした。まさに、関係機関の相互連携(クラスター的なもの)を通じて、イノベーションと経済成長を生み出す「内発型」の産業発展モデルだと感じました。今後の成果を期待しています。

↑ライトキューブは宇都宮駅東口側にある北関東初の会議使用中心の交流拠点。

↑ライトキューブの大ホールは会議場だが床材を工夫して3×3ができるようになっている。
今回、宇都宮市を訪問し、これから全国の自治体や企業の皆様に取り組んでいただく「地域未来戦略」にとって、非常に重要な鍵があると感じました。
地域未来戦略を通じて、地場産業や地域資源を活かした経済成長を実現していくためには、その前提となる基盤づくりが不可欠であるということです。交通、拠点、居住、行政サービスをネットワーク化し、地域の土台をしっかり整える。そうした基盤があるからこそ、新たな産業や交流、人の流れを生み出す挑戦が可能になります。
そして、その積み重ねが、100年先まで持続的に成長できる地域づくりにつながっていくのだと強く感じました。
宇都宮市で学ばせていただいたことを、地域未来戦略にしっかりと反映していきたいと思います。土曜日にもかかわらず、丁寧にご対応いただきました佐藤市長をはじめ、宇都宮市の皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

↑最後は宇都宮餃子のみんみんさんで美味しく餃子をいただきました
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