2026/6/20
「仮想の利益」に気をつけよう。
「仮想の利益」という言葉をご存じでしょうか。実際には確定していない利益や、そもそも実現する見込みの薄い利益を、あたかも得られたかのように感じてしまうことです。
これは、橋下徹著書『図説心理戦で絶対負けない交渉術 どんな相手も丸め込む48の極意』(日本文芸社)の中でも紹介されている交渉の考え方の一つです。
今回の副首都法案をめぐる動きを見ていると、この「仮想の利益」という言葉を思い出します。
自民党との協議では、副首都法案の附則に大都市法改正を盛り込むことが交渉材料となっていました。しかし、憲法上の問題などから考えると、そもそも実現のハードルは極めて高かったのではないでしょうか。
もしそうであれば、「最初から実現が難しい要求」を提示し、それを取り下げることで相手に譲歩したような印象を与える――そんな交渉だった可能性も考えられます。
そして、実際に最近の報道では、「住民投票、別々日程も」との発言が伝えられています。
https://www.47news.jp/14473637.html
「吉村氏「住民投票、別々日程も」 大阪都構想の是非と名称変更」(共同通信)
一見すると、「府域住民投票が回避されるなら、それで良かった」と思ってしまいます。
しかし、本当に重要なのはそこだけでしょうか。
私が懸念しているのは、都構想の住民投票を別日程にしたとしても、統一地方選挙と知事・大阪市長選挙の同日実施という政治的効果は、そのまま残る可能性があることです。
つまり、
「府域住民投票を阻止できた」という仮想の利益に満足してしまい、本来議論すべき
● 統一地方選との同日実施の是非
● 知事選・市長選との同日実施がもたらす影響
● 有権者が十分に政策を判断できる環境が確保されるのか
といった、より本質的な論点への危機感が薄れてしまうことです。
交渉では、「何を得たか」だけではなく、「何に目を向けなくなったのか」を考える必要があります。
私は、今回の一連の動きは、「仮想の利益」という視点からも冷静に検証する必要があると考えています。
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カワシマ ヒロトシ/59歳/男
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