2026/6/23
横浜市会議員(港北区選出)の 大山しょうじ です。
6月23日、日本維新の会横浜市会議員団・無所属の会のメンバーと豊中市を訪問し、「千里ニュータウンの再生事業について」視察を行いました。

今回の視察では、千里ニュータウンの成り立ち、千里中央地区の再整備、近隣センターの再生、エリアマネジメント、そしてグリーンスローモビリティを活用した地域交通の取組について説明を受け、現地を確認しました。
1.視察の概要
千里ニュータウンは、大阪府北部の吹田市と豊中市にまたがる、日本初の大規模ニュータウンです。
開発から60年以上が経過し、老朽化や高齢化といった課題を抱える一方で、交通利便性の高さや計画的な都市構造を生かし、再び子育て世代の流入も見られています。
今回の視察では、単なる施設の建て替えではなく、住民・事業者・行政が連携しながら、まち全体をどのように再生し、次の世代につないでいくのかという視点から、多くの示唆を得ることができました。

2.千里ニュータウンの特徴
千里ニュータウンは、約1,200ヘクタールの広大な区域に、約10万人が暮らす大規模ニュータウンです。
特徴的なのは、「近隣住区論」に基づき、各住区に小学校、近隣センター、医療機関、保育施設などが計画的に配置されている点です。
豊中市域には4つの住区があり、それぞれに日常生活を支える近隣センターが設けられています。
開発当初は子育て世代が多く入居し、その後高齢化が進みましたが、近年は小学校児童数が回復傾向にあるなど、世代交代の動きも見られます。
高齢化と子育て世代の流入が同時に進む点は、横浜市内の郊外住宅地にも通じる課題であり、非常に参考になるものでした。

3.千里中央地区の再整備
千里中央駅周辺では、「千里中央地区活性化基本計画」に基づき、大規模な再整備が検討されています。
対象となるのは、旧オトカリテ、千里阪急百貨店・セルシー周辺、千里阪急ホテル跡地などを含むエリアです。
再整備では、商業施設の建て替えに加え、バス・タクシー乗降場の集約、広場空間の整備、道路の付け替え、公共施設の再配置などが検討されています。
特に印象的だったのは、駅周辺の限られた空間を有効活用するため、道路上空を活用し、1階部分を交通広場、2階以上を建物として活用する考え方です。
交通結節点としての機能を維持しながら、商業・交流・滞留空間を一体的に整備しようとする取組は、新横浜駅周辺など、横浜市の拠点再整備にも参考になる視点です。

4.行政・民間・地域が連携する仕組み
千里中央地区の再整備では、地権者、関係事業者、大阪府、豊中市などが参加する活性化協議会が設置されています。
協議会の下には、ハード整備を検討する「開発部会」と、エリア全体の運営を検討する「エリアマネジメント部会」が設けられています。
さらに、防災ワーキング、景観形成ワーキングも設置され、災害時の地区連携や、広告物・サインを含めた景観のあり方について検討が進められています。
再開発というと、建物や道路の整備に目が向きがちですが、実際には完成後のまちを誰が、どのように育てていくのかが重要です。
豊中市では、民間事業者や地域住民とともに、まちの運営や価値向上を考える仕組みづくりが進められていました。

5.近隣センターの再生
千里ニュータウンでは、各住区に配置された「近隣センター」が、地域生活の拠点として重要な役割を担ってきました。
一方で、開発から長い年月が経過し、建物の老朽化や商業機能の低下が課題となっています。
新千里東町近隣センターでは、隣接する府営住宅の建て替えに伴って生まれた活用地を利用し、段階的な市街地再開発事業が行われました。
商業施設、地区会館、郵便局、保育所、住宅などを段階的に移転・整備することで、営業や生活を途切れさせることなく再生を進めた点が特徴です。
また、新千里南町近隣センターでは、空き室を活用した「みんなの図書館」など、地域の居場所づくりも進められています。
単に建物を新しくするだけでなく、地域の交流や子どもたちの居場所を生み出している点は、大変参考になりました。

6.公共空間を活用したエリアマネジメント
千里ニュータウンでは、市民活動を起点とした公共空間の活用も進められています。
芝生広場で映画を上映する「せんちゅう芝生ナイトシアター」や、公園で水遊びを楽しむ「灼熱!ウォーターバトル」など、地域住民が主体となった取組が行われています。
これらの活動は、行政が一方的に企画するものではなく、ワークショップなどを通じて住民のアイデアを形にしたものです。
また、市民団体の担い手不足により継続が難しくなった事業については、行政がノウハウを引き継ぎ、関係部署と連携して実施している事例もありました。
地域活動を一過性のイベントで終わらせず、持続可能な仕組みにしていくことの重要性を感じました。

7.グリーンスローモビリティ「モビとよ」
今回の視察で特に興味深かった取組の一つが、グリーンスローモビリティを活用した「モビとよ」です。
時速20km未満で走行する小型の電動車両を活用し、近隣センター、住宅地、公園などを結ぶ地域内交通として運行されています。
利用目的としては、買い物、通院、高齢者の外出支援、親子でのまち巡りなどがあり、坂の多いニュータウンにおけるラストワンマイルの移動手段として期待されています。
運行には地域ボランティアが関わっており、運転や運営を担う方々は「モビとよサポーター」と呼ばれています。
また、車両の愛称は地域の小学生から募集し、ロゴは中学校の美術部が制作するなど、地域に愛着を持ってもらう工夫も行われています。
単なる移動手段ではなく、地域参加やコミュニティ形成につながる取組として、大変印象的でした。

8.横浜市への示唆
横浜市にも、開発から長い年月が経過した住宅団地や郊外住宅地が多くあります。
高齢化、建物の老朽化、商業機能の低下、坂道での移動、地域活動の担い手不足など、千里ニュータウンと共通する課題も少なくありません。

今回の視察を通じて重要だと感じたのは、まちの再生は単なる建て替えではないということです。
交通、商業、住まい、福祉、子育て、公共空間、地域活動を一体的に捉え、住民・事業者・行政が連携して、まちを育て続ける仕組みが必要です。
また、近隣センターの再生やグリーンスローモビリティの取組は、横浜市内の団地再生、郊外部の移動支援、地域拠点づくりにも活用できる可能性があります。

今後、横浜市においても、地域ごとの特性を踏まえながら、持続可能で住み続けられるまちづくりを進めていく必要があります。
今回の視察で得られた知見を、横浜市の郊外住宅地再生、地域交通、エリアマネジメントの政策提案に活かしてまいります。


#大山しょうじ #大山正治 #横浜市 #港北区 #豊中市 #千里ニュータウン
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>大山 しょうじ (オオヤマ ショウジ)>千里ニュータウン再生から学ぶ、持続可能なまちづくり 〜 豊中市の取組を視察して