渡辺 けんじろう ブログ

公立中学校における生成AIの利活用とその前提となるリテラシー教育

2026/6/5

生成AIに相談した結果、児童相談所に連絡、逮捕にまで至ったことがメディアで報道されました。だからこそ、家庭だけではなく、学校におけるリテラシー教育の受容性が高まっています。

私が過去に議会で取り上げた、「AIの利活用とその前提となるリテラシー教育」についての一般質問の報告です。今回のような具体的事例を踏まえて質問すると、より具体的な答弁があるのかもしれません。今後、他の議会でとりあげられることが増えると思いますので、ご参考まで。


以下は質問と答弁です。
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生成AIは近年、急速に進化を遂げて社会に普及しており、教育分野においても様々な利活用が考えられます。

学校現場での利活用に関しては
・学ぶことの意義そのものに対する根源的な論点
・差別や偏見、環境負荷等の倫理的・社会的な論点
・利活用にあたってのセキュリティ確保等の技術的論点
・それらを踏まえた具体的な取扱い等の実務的な留意点
まで幅広い論点が指摘されています。

一方、現行の学習指導要領はAIの存在を前提として、社会の変化が加速・複雑化するこれからの時代に必要な資質・能力の育成を目指しています。AI時代を生きる子どもたちが生成AIをはじめとするテクノロジーをツールとして使いこなし、一人一人が才能を開花できるようになることは重要であり、生成AIの学校における利活用は、その助けとなりえるものです。

学校現場が混乱したり、不安を感じたりすることなく、学習指導要領に示す資質・能力の育成に向けて適切に生成AIと向き合い、利活用できるよう、学校現場の視点から基本的な方針及び実務のポイントを示すことが求められています。

そのため文部科学省は令和5年7月に「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を公表し、その後、令和6年12月に「初等中等教育段階における生成AIの利活用にかんするガイドライン」へと改定しました。ガイドラインですが、

「生成AIについて」
「基本的な考え方」

そして、「学校現場において押さえておくべきポイント」を細分化して、

「教職員が公務で利活用する場面」
「児童生徒が学習活動で利活用する場面」
「教育委員会等が押さえておくべきポイント」
で構成されています。

このガイドラインは学校現場での利活用を想定していますが、生成AIの普及及び進化のスピードは急激です。例えば、検索エンジンによっては検索結果の最上位にAIの回答が表示されたり、SNSであれば、プロンプトを入力すればだれでも簡単に画像を生成できたり、AIで生成されたであろうポスターや広告を日常的に見かけることも増えてきており、日常においても生成AIに触れる機会は急増しています。

ガイドラインでは生成AIが社会生活に組み込まれていくことを念頭に置き、情報モラルを含む情報活用能力の育成を一層充実させていく必要があるとされています。

以上を踏まえて、2点伺います。


【Q】
ガイドラインを踏まえて市立中学校における取組および利活用は現状どのようになっているのか。


【A】
生成AIについては、学習活動で用いることを通じて生徒の思考力・判断力・表現力を育成が期待できるなど、本市としても生徒が生成AIを利活用するための知識を習得することが大切であると認識しております。

議員ご案内の、初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(以下、「ガイドライン」と言います。)においては、「生徒の学習場面での利活用に当たっては、生成AIと人間との関係を対立的に捉えたり、必要以上に不安に思ったりするのではなく、生成AIは使い方によって人間の能力を補助、拡張し、可能性を広げてくれる有用な道具にもなり得ることを理解した上で、発達の段階や情報活用能力の育成状況に十分留意しつつ、リスクや懸念に対策を講じた上で利活用を検討すべきである。」と書かれています。

本市の市立中学校でも、ガイドラインにあるとおり、生徒の能力を補助、拡張し、可能性を広げるような利活用を進めていきたいと考えております。そのため、中学校3校(深津、瓦木、山口)にてAIパイロット校として、生徒が文章の推敲などに用いるほか、生成AI利用に伴う著作権に関する注意点などの情報モラル・リテラシー教育も含めて検証に取り組んでいます。検証やその後の展開を通じて、各中学校での生成AIの活用状況を確実に把握することにも繋げてまいります。

また、本市独自の生成AI利活用ガイドラインを令和8年度の早い時期に策定することを検討しており、令和8年度のしかるべき時期から、生徒による利活用に本格的に取り組みたいと考えております。


【Q】
日常にAIが存在する現状、利活用の前提となる情報活用能力・リテラシーの育成にどのように取り組んでいるのか。


【A】
議員ご案内のとおり、各種の生成AIは多くの人が意識的にせよ、そうでないにせよ、既に触れている状況となっています。こうした中、AIが表示した内容の真偽を見極めるために検証を行うことや、誤った情報を拡散することの影響を想像する能力を生徒が身に付けること、また著作権に配慮することといった情報リテラシーは、現代において必要不可欠であると考えております。

現在、各種授業で生成AIを用いるに際して、必要な注意事項は都度教職員から生徒に伝達しておりますが、体系的に確立したものとして伝えられている状況ではございません。そこで、先程ご答弁しました本市独自のガイドラインの中で必要事項を整理し、知識を持たないことによる悪影響を防げるよう、各校の指導に資する参考資料として完成させたいと考えております。

日進月歩するAI技術動向に注視し、適時ガイドラインを改定しながら、着実にAI利活用を進められる環境を整備してまいります。


【意見】
答弁では、
「中学校3校にてAIパイロット校として、生徒が文章の推敲などに用いるほか、生成AI利用に伴う著作権に関する注意点などの情報モラル・リテラシー教育も含めて検証取り組んでい」る

「本市独自の生成AIの利活用ガイドラインを令和8年度の早い時期に策定することを検討しており、令和8年度のしかるべき時期から、生徒による利活用に本格的に取り組みたい」

とのことでした。

策定するガイドラインに基づいてパイロット校にとどまらず、全校で速やかに取組が進むようにすべきですし、その前提として、研修など教員の理解が進む体制が整っていることも必要です。「検証やその後の展開を通じて、各中学校での生成AIの活用状況を確実に把握することにもつなげる」とのことですので、ICTの活用と同様に教員が苦手だから活用されないということがないように、教育委員会として全体の底上げにつながるよう取組をすすめてください。

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著者

渡辺 けんじろう

渡辺 けんじろう

肩書 西宮市議会議員|保育士経験×西宮の未来の財源確保
党派・会派 日本維新の会
その他

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