2026/8/11
大きな地震などの災害が起きると、避難所だけでなく、車の中で避難生活をする人も多くなると考えられます。
熊本地震では、「余震が怖い」「避難所がいっぱい」「家族やペットと一緒にいたい」などの理由で、多くの人が車中泊を選びました。
しかし、車の中なら必ず安全、というわけではありません。狭い車内で長い時間を過ごすと、命にかかわる病気や事故につながることがあります。この機会にもう一度、車中泊について正しく考えていければと思います。
下の『車中泊避難GUIED』を基に、岡明彦がまとめてみました。

強い揺れや津波の危険があるときは、車中泊の準備よりも、まず命を守る行動が優先です。津波避難では渋滞に巻き込まれる危険があるため、地域のルールに従い、原則として徒歩で高台や津波避難ビルへ逃げます。
避難先は避難所だけではありません。安全が確認できれば、自宅、親せき・知人宅、ホテルなどに分かれて避難する方法もあります。車中泊は、安全な避難先が見つからないときなどの選択肢の一つです。
1.エコノミークラス症候群
長い時間、同じ姿勢で座っていると、足の血管に血のかたまりができることがあります。それが肺へ流れると、命にかかわる場合があります。
予防するために、
・できるだけ足を伸ばして休む
・定期的に車外へ出て歩く
・足首やふくらはぎを動かす
・トイレを我慢せず、こまめに水を飲む
・きつい服やベルトを避ける
ことを心がけましょう。
片足だけが急に腫れる、足が強く痛む、突然息苦しくなる、胸が痛むといった症状があれば、すぐに救護所や医療機関へ相談してください。激しい息苦しさや意識の異常がある場合は119番です。
2.一酸化炭素中毒
エンジンをかけたまま寝ると、排気ガスが車内へ入り、一酸化炭素中毒になる危険があります。
一晩中のアイドリングは避け、ほかの車の排気ガスが入らないように車間を空けましょう。雪や土砂でマフラーがふさがれた状態でエンジンをかけるのは、特に危険です。
3.暑さと寒さ
夏の車内は短時間でも非常に暑くなります。日よけを使い、窓やドアを開けられる安全な環境をつくりましょう。冬は窓から冷気が入るため、毛布、寝袋、断熱マットなどが必要です。
体に危険を感じるほどの暑さや寒さになったら、無理をせず、空調を使える建物へ移動してください。
4.支援から取り残されること
車中泊をしている人の居場所を自治体が把握できないと、水、食料、薬や健康支援が届かないことがあります。
近くの避難所や自治体へ、
・車中泊をしている場所
・家族の人数
・高齢者、乳幼児、妊産婦、持病のある人の有無
・必要な薬や支援
を伝え、可能であれば避難者名簿に登録しましょう。
私の地元・名古屋市緑区にある県営大高緑地も車中泊の地になると思います。私はその可能性を考えて、緑区役所にその際は支援先の一つとして対応するよう要望しています。
寝袋や毛布、給水タンク、携帯トイレ、ライト、着替え、レジャーシート、携帯バッテリー、救急用品、常備薬などを準備します。
食料、水、現金、薬、身分証明書などは、車だけに置かず、すぐ持ち出せる非常用バッグにも入れておきましょう。
また、次のことを家族で確認します。
・自宅周辺の津波、浸水、土砂災害の危険
・徒歩で逃げる場所と道順
・自治体が認めている車中泊避難場所
・車の座席を平らにして足を伸ばせるか
・車中泊を始める条件と終える条件
・居場所や安否を伝える方法
ガソリンが半分になる前に給油する習慣も役立ちます。
車中泊は、プライバシーを守りやすいなどの利点があります。しかし、長く生活する場所としては健康上の危険があります。
「車があるから大丈夫」ではありません。
まず安全な場所へ逃げる。車中泊をする場合は健康を守る。居場所を自治体に伝える。そして、より安全な環境へ移れるようになったら移動する。
災害が起きてから考えるのではなく、家族で事前に話し合い、一度実際に車内へ横になって確認してみましょう。予防防災とは、未来の自分と家族を守る準備です。

ここまでの情報は、
「あ い ち ・ な ご や 強 靱 化 共 創 セ ン タ ー」発行の「災害時車中泊ガイド』を参考にまとめました。
同ガイドをご覧になりたい方は、以下のリンクからご覧ください。https://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/kyoso/pdf/syachuhaku_panfu.pdf
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