2026/4/20
ホルムズ海峡が封鎖されてしまって以来、官民挙げて原油の代替調達の努力を続けています。
UAE産の原油に関しては、ホルムズ海峡の外側にあるフジャイラ港へのパイプラインを活用して、ホルムズ海峡を通らずに調達を進めています。
サウジアラビア産の原油に関しては、紅海側のヤンブー港への東西パイプラインを利用して、ヤンブーから積み出し、フーシ派がミサイルで脅している紅海の出口、バブエルマンデブ海峡を通れる船をチャーターし、マレーシア、シンガポールなどで積み替えて日本に持ってきます。
さらにはヤンブーからエジプトを縦断するSUMEDパイプラインで地中海側に運び、エジプトの地中海側の港から積み出し、地中海から喜望峰を回って、日本へ持ってくるルートもあります。
中東以外では、アメリカからの代替調達が進み、昨年の日量9万バレルからこの5月には36万バレルまで増量します。
この他にも代替調達の候補があります。
コーカサスのアゼルバイジャンのチナリ・グナシリ(ACG)油田は日量34万バレルあり、カスピ海側のバクーからジョージアを経由してトルコの南岸ジェイハンまでBTCパイプラインで積み出すことができます。
また、カザフスタンのカシャガン油田は日量40万バレル、カザフスタンのアティラウからロシアの黒海沿岸のノボロシスクまでCPCパイプラインがつながっていて、黒海に積み出すことができます。
カザフスタンから黒海の積み出しまでのオペレーションはイタリアのENIが行い、イタリアに多くが販売されていて、ウクライナに関する対ロシア制裁の対象からは外れています。
ただし、ボスポラス海峡をVLCCが通過できないため、より小型のタンカーでより日数をかけて日本に運んでこなければならず、運賃が高くなります。
この両方の油田に日本のINPEXが権益を持っていますが、これまでは地理的に近い欧州向けに販売していました。
しかし、今回のホルムズ危機を受けて、INPEXは日本向けの販売を優先する方針に転換しました。
また、イラク中部のガラフ油田(日量13万バレル)に日本のJAPEXが権益を保有しており、南部の西クルナ油田(日量40万バレル)には伊藤忠が権益を持っています。
この両油田からの積み出しは現在、難しくなっていますが、トルコのクルド自治区のキルクーク油田からやはりトルコのジェイハンにパイプラインがあり、クルド自治政府はこのパイプラインを使ってトルコ経由で輸出を再開するとした報道があります。
このキルクーク油田の原油の買付を目指しています。
こうした努力で5月には前年と比べてなんとか6割の調達ができそうです。
6月以降は、さらに代替調達を上乗せしていけるように関係各所で尽力しています。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>河野 太郎 (コウノ タロウ)>原油の代替調達