2026/7/19
歴史の息吹が今も色濃く残る東京・佃島と、名湯の里・伊東。この二つの地を繋ぐ、非常に趣深いプロジェクトをご存知でしょうか。
「第24回伊東温泉『和田の湯』江戸献上プロジェクト」が、今年も無事に開催されました。この事業は、単なるイベントの枠を超え、時を超えた「江戸の絆」を現代に紡ぐ大切な試みとして、20年以上の歴史を刻んでいます。
この取り組みがスタートしたのは、江戸開府400年を記念した平成15年のこと。
歴史を紐解けば、かつて徳川三代将軍・家光公が伊東温泉「和田の湯」を愛し、
200樽もの献上を受けたという史実があります。
この史実を現代に再現しようと、伊東のヨットマンたちの情熱から始まったのが
このプロジェクトです。
今年も、伊東温泉「和田の湯会館」から汲み上げられた約200リットルの温泉が、
大切に樽詰めされました。
18日には、伊東市玖須美にある「和田湯の湯尾権現」にて厳かな神事が執り行われました。52度の源泉から湯を汲む「湯汲み式」を経て、市長をはじめとする多くの来賓が見守る中、盛大な出航式が行われ、温泉は相模湾の海路へと旅立ちました。
ヨットに積み込まれた温泉は、三浦半島を経由して夢の島マリーナへ。
そこから陸路を経て、徳川家と深い縁のある中央区佃島へと届けられました。
当初、この温泉を中央区の銭湯へ……という夢もありましたが、公衆衛生上の観点から実現には至りませんでした。しかし、形を変え、地元の佃二丁目町会を経て高齢者福祉施設「相生の里」へと引き継がれていきました。
特に「相生の里」に檜風呂があることを知ってからは、毎年恒例の贈呈が行われるように。施設では「温泉ウィーク」として1週間、利用者の方々に伊東の湯を楽しんでいただいており、笑顔の輪が広がっています。
このプロジェクトには、これまでに数多くのドラマがありました。
時には夢の島マリーナから佃島の漁師の折本さんに船を出していただいたことも。
また、元日本郵船の船長という経歴を持つ伊東側の実行委員長・森さんのご縁で、
徳川宗家第18代・徳川恒孝氏にお越しいただいたことも忘れられません。
会津の血を引く私にとって、曾祖父を松平容保公に持つ恒孝氏との対面は、まさに緊張の連続でした。歴史の重みを肌で感じる、非常に貴重な経験です。
今年も、伊東市長から中央区長宛の「親書」を大切にお預かりいたしました。
また、伊東市では第80回 按針祭 海の花火大会が8月に開催されますが、三浦按針は
なんと中央区日本橋室町一丁目に居宅があり今では「三浦按針遺跡」が建っています。
伊東から佃へ、そして人々のもとへ。海を越え、時代を越えて運ばれるこの「和田の湯」には、先人たちへの敬意と、地域と人を思う温かな交流が詰まっています。
これからも、この伝統ある「江戸献上プロジェクト」が、末永く続いていくことを願ってやみません。
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ニヘイ フミタカ/68歳/男
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