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【漫画に憧れて立候補した政治家も多数】「島耕作シリーズ」の弘兼憲史氏が描きたかった政治家の日常

2016/6/22

選挙ドットコム編集部

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弘兼憲史氏インタビュー【前編】はこちら>>
弘兼憲史氏インタビュー【中編】はこちら>>

一介のサラリーマンが苦戦しながらも政界へ進出し、さまざまな難関を乗り越え内閣総理大臣へと登りつめていく…。このような斬新なストーリーが人気を呼んだ『加治隆介の議(かじりゅうすけのぎ)』や『島耕作シリーズ』『黄昏流星群』の作者、弘兼憲史(ひろかね けんし)先生。
前編・後編に引き続き、後編では、18歳選挙権が実施されることを踏まえ、偏った教育の危険性についてメッセージをいただきました。
聞き手は、選挙ドットコムCCOの松田が務めます。

 

政治教育とマスコミの関係

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【松田】
7月の参院選から18歳選挙権が実施されますが、若い人に向けた政治教育についてはどのように思われますか?

【弘兼先生】
中編でもお話しましたが、やはりマスコミの影響が大きいのではないかと思いますね。
沖縄県のふたつの新聞「琉球新報」と「沖縄タイムス」を例にして話すと、この2つの新聞はどちらも反基地なので、「基地は悪」ということをずっと伝えてきています。

昔は五大紙がなかったので、県民はこの新聞を読むしかなかったのです。加えて、沖縄は日教組が強いところですから、卒業式に国家は歌わない、日の丸はあげないという学校もたくさんありました。このような中で、沖縄の子供たちが教育を受けていると、どうしても偏った思想がすりこまれてしまうので、私は沖縄のやり方は正しくないと思っています。

私は、オスプレイがいっぱい飛行する山口県岩国市出身ですが、岩国の人たちは、「岩国は基地の街」だと思っていて、悪だとは思っていません。私は、岩国に基地が来るならどんどん来たほうがいいし、国の防衛のためにアメリカ軍基地があることを非常に誇りに思っています。実際、岩国にオスプレイがきたとき、マスコミが流した情報は、どの局も社会運動活動家の人たちが「オスプレイ反対!」とやっている1シーンのみ。これを永遠に映しているだけでした。
地元に帰った際に商工会議所の仲間にオスプレイについて聞いたときも、気にしている人は全くいなくて「ほんの一部の奴がやっているのをテレビ局が嬉しそうに撮っているだけだよ」と言っていました。これが現実です。
やはりマスコミが報道する内容だけではなく、教育を正しくするのが必要です。沖縄県民も、基地に90%が反対かというとそうではなくて、恐らく賛成反対の比率はかなり拮抗しているはずです。

 

マンガ『加治隆介の議』は政治教育の教材にも

【松田】
今の高校生は、授業の中で現実の政治について学ぶ機会がほとんどありません。だから、そういう中で投票をいきなりしろというのは大変なことなので、ぜひ、『加治隆介の議』を読んでほしいと思っています。

【弘兼先生】
うちの娘は30代半ばですが、彼らが小学生のころは、運動会では平等がすごく大切で、順位をつけないために皆が手をつないでゴールに入るという時代でした。全く無意味なことをさせていますよね。
喧嘩が強い奴もいれば、弱い奴もいる。勉強できる奴もいれば、できない奴もいる。歌のうまい奴、走るのが速い奴…など。こういうのが人間だということを、子供のときから教育しないといけません。その中でどうやってがんばっていくか教育する方が正しいと思います。
こういうみんなに結果の平等を求める教育をしていたら、子供たちが社会に出たときに混乱してしまいます。社会では、能力のある人とない人はふりわけられるわけですし、個々人の特性を活かして働くことになりますから。

【松田】
機会の平等は大切ですが、過程や個性を無視して結果の平等を求めすぎるとおかしなことになりますよね。

 

若い人の感覚は若い人に聞け!

【松田】
最後に、先生の作品には『島耕作シリーズ』をはじめ若い世代のファンも多いと思いますが、若い世代の情報をどうやって収集されていらっしゃるのか教えていただけますか?

【弘兼先生】
私の担当編集者がみんな20代で若いですからね。彼らと酒を飲んだり、話をしたりしている中で、わからない言葉があると、聞くわけですよ。略した言葉の意味などを尋ねると、みんな教えてくれますね。

【松田】
なるほど。私たちも大学生と直接話す機会がありますが、まったく感覚が違うんですよね。この若い世代に情報を届けるにはどうしたらいいのか。先生が漫画でわかりやすく伝えていらっしゃるように、私たちも若い人に伝わる企画を考えていきます。ありがとうございました。

 

―――弘兼憲史先生 プロフィール―――
1947年生まれ。早稲田大学第二法学部在学中に漫画研究会に所属。卒業後は、松下電器産業(現パナソニック)に入社し広告宣伝部に勤務。退社後、「風薫る(1974年ビッグコミック<小学館>掲載)」でデビューし、人間模様を描いた短編シリーズ「人間交差点」が高く評価されたことで人気が上昇。代表作に「島耕作』シリーズ」「ハロー張りネズミ」「黄昏流星群」などがあり、2007年には紫綬褒章を受章している。

―――松田馨プロフィール―――
1980年広島県生まれ。2006年の滋賀県知事選挙以来、地方選挙から国政選挙まで幅広く実績を積み、2008年6月に選挙コンサルティングの専門会社「株式会社ダイアログ」を設立。 国政選挙の当落予想をはじめ、「日本最年少選挙プランナー」「無党派票を読むプロ」としてマスコミに多数取り上げられる。一般社団法人 日本選挙キャンペーン協会理事・事務局長。日本選挙学会会員。

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2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

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