
6月21日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、自由民主党の長島昭久衆院議員をゲストに迎え、自民党と日本維新の会がそれぞれまとめた安保3文書の改定に向けた提言について解説します。一番の違いは原子力潜水艦と非核三原則への考え方!?MCの政治ジャーナリスト・今野忍記者が深掘りインタビューします。
長島氏:今日(6月19日)安保三文書の自民党と日本維新の会の役員の合同会議があって、お互いの文章を見せ合って、一緒に総理のところに行って別々に渡しましょうということになりました。
MC今野記者:同じ与党ですけど、正当が違うあるあるで若干中身が違うんですよね。(中略)
MC今野記者:自民と維新って、仲が良いんですか?
長島氏:いや、仲が良いんですよ。良い意味で相互補完関係に私はなっていると思います。

MC今野記者:ちょっと僕もね、秘密裡で取材で両方の文章をざっと読ませてもらったんですけど、維新の案は120ページくらいありましたね。ちょっと全部は読めなかった。
長島氏:あれは人間の読み物じゃないよ(笑)。あれはやっぱりAIに食わせる用の文量だよね。
MC今野記者:そうですよね。僕もAIに食わせようと思った。これはPDFで渡されても読めないなと思って。ただ、あれを読み比べると、自民と維新でやっぱり維新の方が若干急進的というか戦闘的な、ちょっとイケイケな感じの…。
長島氏:おっしゃる通りです。それが維新の良いところなんでしょうね。
MC今野記者:で、自民はやはり党内に色んな方がいらっしゃいますから、なかなか……長島議員なんかはひょっとしたら維新側の案にも一定の理解を示したいんでしょうけど、党内にはリベラルな方もいるから。まあそこは自民党の良いところでもあるんですけど、落としどころが割とマイルドになっている。
長島氏:そう思いました。
MC今野記者:一番違うのはどこですか? 原子力潜水艦のところとか、核だなと思いましたが。
長島氏:原子力潜水艦と非核三原則が一番違いますね。うちは両方とも踏み込んでいません。
MC今野記者:維新の安保三文書の提言だと、非核三原則の「持たず、作らず」まではいいんだけど、
長島氏:「持ち込ませず」をなしにしろということです。
MC今野記者:だから自分たちで作ったり保有はしないけれど、主に米軍、アメリカがこれから新しく核ミサイルを開発するのが2032年の予定だから、そういうのも配慮じゃないけれど「持ち込ませず」に関しては「それはアメリカさんが決めることだから外しましょう」と、そういうことですよね。
長島氏:そうです。
MC今野記者:それがまず1点目。そして原子力潜水艦については、維新は「保有」。
長島氏:保有というか、かなり詳細に検討しろ、つまり「逃げるな」と。必要かどうかを含めて、必要だったらどのくらい作るのか、どこに配備するのかというようなことも含めて、つまり運用構想もちゃんと検討しなさい、ということです。
MC今野記者:一方で自民党は、新動力というか……
長島氏:そうです。新しい動力、次世代の動力を活用した、VLSという垂直発射型のミサイル用の筒ですね。
(中略)
長島氏:原子力潜水艦と言ってもタイプが大きく分けて二つあるよねと。一つは「戦略原潜」という、オホーツク海で活動するタイプですね。

MC今野記者:オホーツク海ね。皆さん、この地図分かりますかね? 国会議員の事務所に行って、この人は「安保役」かどうか、安全保障の専門家かどうかを区別するのは、地図がこういう風(上下逆)になっているかどうかです。普通の日本列島はこうじゃないですよね。逆さに見ると、中国が日本列島や南西諸島、台湾に蓋をされている。北京から見た地図なんですよね。
長島氏:意外と黄海もね、狭いことが分かるんですよ。
MC今野記者:いかに彼の国にとって、日本という国が海洋進出するのに邪魔かっていうね。
長島氏:大体出るのは、この宮古海峡。もう一つはこっちから出るバシー海峡ですね。
MC今野記者:だから中国が台湾を欲しがる理由にはイデオロギー的なものもあるけれど、安全保障上の理由もあるんですよね。
長島氏:本当に邪魔ですもんね。
MC今野記者:習近平主席は台湾さえ取ってここに海軍基地を置いちゃえば太平洋へ自由ですもんね。
長島氏: そうです。(中略)「戦略原潜」はICBMの攻撃を受けたら、ここから反撃をすると。
MC今野記者:戦略原潜って一応定義としては、相手の首都に届くSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を持っているかどうか。いわゆる核兵器を持っているのが戦略原潜です。
長島氏:もう一つは「攻撃型原子力潜水艦」です。これだけ広大な海を、仮に日米で共同して、あえて言うと中国の原潜とチェイスするというような状況で使われます。近海であれば、まだ通常型ので何とかやり繰りできますが、これだけ広くなれば、これはもう原潜でやるしかないだろう。魚雷でやるとか、あるいは防空のためのVLSで空との戦いもあると。まあこういうことに便利ですね、というのが維新の提案です。

MC今野記者:原子力潜水艦といっていると、自民党の人に聞くと維新はひょっとしたら国防を知らないんじゃないかと言うけど一理あるんですよね。
長島氏:一理あります。(中略)ただ問題は、そのためにコストが数兆円かかりますよと。例えば6隻、8隻を維持しようとすればね、本当に数兆円がかかると。我々の考え方は、その原潜に手を出す前に、例えばそれだけの数兆円の予算があれば、じゃあ例えば自爆ドローンを何万機も買えます。それにUUVと言って、水中の無人のアセットも作れます。ミサイルは何千発も買えますし、作れます。新しい極超音速滑空弾も開発できますね。リアルタイムで、どこに敵のミサイルがあるか、移動式のミサイルも全部捕捉できるコンステレーションの衛星も何発も打ち上げられます。やれることがたくさんあるんですよ。でも、これはトレードオフです。一気にそういう状況に突っ込んでいくのか、それともそれまでにやるべきことを積み上げていくのか。私の理解では、我々の選択は、「まずはそっち(やるべきことの積み上げ)をやりましょう」ということです。要するに、我々にとっては中国側の戦力や経済状況を考えると2035年ぐらいまで、あと10年ぐらいしっかり抑止力を効かせて守り切れば、 あとはもう少し緩やかな状況になっていくんじゃないかと。まずはこの10年です。
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