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「自問自答を繰り返してきた」公明党の西田実仁幹事長に訊く合流断念と中道政治実現への道のりとは?

2026/9/15

選挙ドットコム編集部

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2026年9月15日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、公明党幹事長の西田実仁氏をゲストにお迎え!今年2月の衆院選を契機に話し合いを続けてきた中道改革連合と立憲民主党との合流を断念した経緯、今後の展望とは?MCの朝日新聞DEEP POLITICS編集長の林尚行記者が迫ります!

MC林記者:新しい連携の形を作るとしたら、今年の臨時国会が勝負なのか、あるいは来年通常国会まで含めてなのか。臨時国会と通常国会って審議するものが結構違いますよね。特に来年の通常国会は予算の審議にもなってくると思うんですが、そういったものを考えると来年の通常国会までセットで結論を出していきながら、まずは来るべき参議院選挙を目指すのか。どんな時間軸で考えてらっしゃるんでしょうか。

西田氏:率直に申し上げて、公明党が再結集する中でどういう風に戦略を立て直すのか、変えていくのかは全てができている訳じゃありません。しかし、一つ言えることはやはり臨時国会が大事だということです。

もちろん、色んな意見の中に3党の協議を年末までにやればいいんじゃないか、あるいは来年4月の統一(地方選挙)が終わってからやればいいんじゃないかという意見も確かにありましたし、私の耳にもそうした声は随分と届いてまいりました。 しかしですね、なぜ我々が8月末に区切ったのかという一つは、この3党の協議がどうなるかも分からないという状況の中で、支持率はどんどん低くなっているし、巷で聞かれる声は、いつまでも自分たちの身内の話ばかりしていて、何も決められないじゃないか。何も決められない政党に、なぜ私たちの暮らしを任せなければならないのか」というものでした。ですから、拙速はもちろんいけませんけれども、協議だけを続けて3党を維持しているような形を取るのが本当に望ましいのか。ましてや臨時国会がもう迫っていて、そこでまだ協議を続けていても形は分からないですし、それが本当に中道政治を実現すること、もっと言えば今の高市政権に対して対峙することになるのかどうかという自問自答を随分繰り返しまして、やはりここは臨時国会が始まる前に決着をつけようということで、3党で最終合意したのが8月31日だったということです。

MC林記者:となると、今後の内閣改造で日本維新の会がおそらく閣僚を出すんじゃないかと言われていますから本格的な連立政権が生まれると思うのですが、基本的なスタンスとしては、高市政権、自民党・維新の連立政権と対峙していくというスタンスは変わりがないという理解でよろしいですか?

西田氏:もちろんです。やはり我々は自ら下野したわけであります。ちょうど1年近く前になりますね。

今振り返って、中道へのご期待に沿えなかったことは本当に申し訳ない限りなのですが、やはり我々は公明党として26年間、自公政権をやってきました。「この26年間で日本は本当に良くなったのか」「もっと言えば30年でどうなったのか」、1人当たりのGDPにしても、あるいは世帯収入というデータを見ても、もちろん自公政権になって良くなった面もありますけれども、総体として見た時にどうなのかということを、我々公明党としては連立政権に参画したことについての自己反省というか、そこをちゃんと見ないといけないと思っています。そういう意味で、新しい社会像というものを公明党として示していく必要があります。それは今の高市政権が目指しているものとは、やはり違うという風に思います。もちろん共通点もありますし、実際に自公政権でやってきた延長線上で今もやっている面もありますので、全てを否定するつもりはもちろんないんですけれども、我々が昨年11月(中道改革連合が結成される前)に公明党として発表しました「政策の5本柱」があります。それが中道の政策の5本柱になっていますが、その筆頭に掲げたのは医療や介護、教育といった必要な公的サービスに誰もがアクセスできる権利の保障です。いわゆるベーシック・サービスの考え方を踏まえて「弱者を生まない社会をつくろう」という社会像を提示し、政策の最初にしているんですね。それを公明党は2024年に「2040ビジョン」として、2040年を目指してのビジョンとしてもまとめています。これがまだ中間取りまとめという形にとどまっているので、これを最終的なものに仕上げていく必要があります。それを今回、再結集した公明党として新しく出発する党大会においてロードマップを示すことが必要だと思っておりまして、そういう社会像というのは現在の高市政権とはやはり根本的に違うと思います。

MC林記者:そんな中で、西田さんが「中道政治の実現のために必要であれば、与党と接点を持つこともあり得る」とおっしゃっているんですよね。これはある意味、また公明党さんが連立に復帰するのではないかというような指摘もあったりするわけですが、そのあたりは具体的にどういう接点を考えてらっしゃるんですか?

西田氏:そこだけを切り取るとそうなりますが、私が申し上げたのは、中道改革連合と連携していく中でも、先の特別国会において法案に対して修正を施すために話し合うということはありましたし、「これからもそういうことはあるでしょう」というだけのお話です。

MC林記者:あくまで野党としての立ち位置で、政府が出してくる閣法や与党が出してくる議員立法などで「違うんじゃないか」という部分については変えていけという意味で接点を持つと。

西田氏:そうです。修正をするとかですね、当然それはあります。

MC林記者:通常の野党の対応ですね。

西田氏:通常の野党としてもあることですので、そのことを申し上げているわけでして、決して何か政局的に連立に戻ろうとか、今回の判断の中に、公明党あるいは中道が自民党との関係を見直すという視野は一切ないんですよ。本当に全く考慮していません。考慮するかけらもないくらいですか。

MC林記者:かけらもないですね。。かけらがないことが大事ですね。かけらがあると「そのかけらがどうなるのか」と政治記者としては知りたくなってしまうので。

そういう意味では、逆に言えば今の自民党の中にも、実は中道政治に近い人たちもいなくはないと思っているのですが、今後、自民党内のいわゆる高市さんとは目指しているものが少し違うという人たちとの連携や、自民党自体が割れてくる可能性などは、現時点でどうお考えでしょうか?

西田氏:他党のことですが、巨大与党ですので、客観的に言えばその可能性はあまりないと思います。あるなしに関わらず、我々はその「中道政治」を実現しようということで、しかもその軸になろうとしているわけですね。したがって、公明党も数は少ないけれども、その軸になろうという気概を持ってやろうとしていますので、自民党に限らずどの政党の方でもある種のフリーハンドと言えば聞こえはいいですが、そういったポジションで「中道政治を一緒にやろう」という人には色々な方に声をかけていこうと思っています。

MC林記者:フリーハンドという意味では、今回3党合流の初期のアジェンダが一旦白紙に戻った形だと思うのですが、他に中規模の政党で比較的政策的性向が似ているのではないかと言われている国民民主党との関係について、今後西田さんはどのように描いていくのが良いとお考えですか?

西田氏:国民民主党の皆さんとは、実は政治とカネの問題(これが自民党と別れる直接の原因ですが)について一緒に行動しています。二つありまして、政治資金規正法を改正して規制を強化する法案と、あとは第三者の「政治資金監視委員会(仮称)」を国会内に作って客観的に監視するという「プログラム法案」(方針や実施時期などの全体像を定めた法案)を成立させていまして、自民党も維新も立憲民主党の皆さんも賛成してくださっているんですよ。これはプログラム法案ですので、実際の法律につなげなければいけませんから、実施法を今制作して話し合っているところです。これもぜひ自民党の皆さんも含めて賛成してもらいたいと思うのですが、その中心になっているのは私たちと国民民主党の皆さんですね。ですから、この政治とカネの問題について一緒にやっています。

他にも選挙制度の問題など、一緒になってやっていけるものもあるので、法案ごとに個別に協力できることはどんどんやっていこうというスタンスです。

MC林記者:あと重要な点として、国民が非常に悩んでいる、苦しんでいるのはやはり物価高で、経済的対策、経済的な手当てをちゃんとしてほしいと思っている点です。そういった面で、国民民主党との連携は考えていらっしゃるのでしょうか?

西田氏:そこは国民民主党に限らず、もちろん立憲民主党の皆さんも含めてですが、おっしゃるように、当初は秋ぐらいにはイランを巡る情勢が落ち着いてきて……という前提で色々組んでいた節が政府側にもあると思いますけれど、ここでむしろ長期化するという懸念が高まってきました。物価高も当然それに伴ってまだ続きますし、高止まりがもっと続くかもしれません。

そういった意味で、私は消費税や所得連動給付の議論も臨時国会でするのでしょうけれども、足元でこれだけの情勢が長期化していく中で、足元でその激変を緩和する措置をとっていく迅速性を考えると、やはり給付が一番手っ取り早いです。こういったことについては各党にいろいろ話をして、野党でまず「来年の4月からではなく足元でやる」ということも提案していきたいと思っております。

MC林記者:やはり臨時国会は極めて重要で、公明党という政党が中道に挑戦して、今度「中道政治2.0」に向かっていく上で非常に重要な国会になるのだろうなと思っていますけれども、改めて消費減税法案に対する考え方と、あとやはり自民党・特に維新がこだわっている衆議院の定数削減法案について、参議院側とはいえどのようにお考えか、どういう立場がこの3党合流がついえた中でも変わっていないのかどうかをコンパクトに教えていただけますか。

西田氏:消費減税法案はおそらく所得連動給付と一緒に出てきますので、その財源をどうするのか、特に所得連動給付の規模などが全くわからないので、そこはやはりハッキリしてもらいたい。

消費税について我々は、物価高対策ではなく福祉的政策として「財源を作った上で恒久的に食べるものには税をかけない」ということをやるべきだという公約を掲げ、それに対して中道も同じですから、1000万人を超える方からご支持をいただいた以上、それを守っていく責任があると思っています。

しかし、先ほど申し上げたように、足元でどうするかということを手当てしなければいけないので、場合によっては政府がその所得連動給付を「先行して来年4月からやる」と言っている1%分を前倒しして給付に回すということも考えていいのではないか、という対案を検討しているところです。

それと比例代表の定数削減については、これも従来から申し上げている通り、やはり選挙制度とセットで定数削減というのは議論していくべきでありまして、今回野党がまとまってきちんとその選挙制度について第三者に議論を委ねようという提案をし、自民党もそれを受け入れるという話を聞いておりますので、本来はそういう選挙制度とセットで定数削減を考えるべきです。仮に、人口減少だから議席を減らすべきだ、定数削減すべきだという論に立つのであれば、これは衆議院だけではなく参議院もやはり人口が減るのは同じですから。両方セットでやはり定数削減の議論をするべきで、なぜ衆議院の比例だけでやらなければいけないのかというのは未だに全く理解していませんので、そこはもっと議論を詰めていきたいと思っています。

MC林記者:最後に、公明党さんは9月12日付けの(公明新聞掲載の)「主張」の中で「単に『以前の公明党に戻る』ような再結集であってはならない」と明確におっしゃっていますが、以前の公明党に戻るのではない新しい公明党とは、端的に言うとどんな公明党なのでしょうか?

西田氏:今考えておりますのは、ちょっとこう言うと逆説的に聞こえるかもしれませんが、やはりこの「開かれた政党としての公明党」というものを具現化していく試みが必要だと思っております。この間、合流の有無に関わらず、私が本部長を務めている党改革本部というものを作って20回以上議論してきました。その中で「合流は合流でとりあえずそちらでやっているので置いておいて、党としてどう改革していくのか」、昨年の参議院選挙、一昨年の衆議院選挙で敗れてしまったことを受けまして「どう変わっていかなければいけないのか」という議論を重ねてきました。その中に、例えば党員制度を充実させて、そうでない方も入ってこられるような仕組みに変えてはどうかとか、あるいはサポーターという形で、党員という形ほどではなくてもサポートしてくださる方をどうつくるかとか、あるいはもっと若い現役世代に対して政策を一緒に考えて作り上げて、それを党の公約にしていくような仕組みを作ろうとか、そういったいくつかの改革メニューが一応リストアップされています。公明新聞の内容もそうなのですが、そういったことを実現していくことを総体的に開かれた党としての公明党ということの実践をぜひしていきたいなと思っております。

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