2026年8月2日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、リベラル勢力の立て直しについて、ゲストの東京新聞の望月衣塑子記者、ノンフィクションライターで元毎日新聞記者の石戸諭氏、MCの毎日新聞・田中裕之記者の3人が白熱の議論を交わします!泉房穂参院議員とひろゆき氏が設立を表明した「ひろゆき&いずみ新党(仮)」の影響は?そして左の勢力を立て直す軸となる人物と目されるのは?

MC田中記者:「誰がリベラルを立て直すのか」というテーマです。泉房穂参院議員が「ひろゆき&いずみ新党(仮)」を立ち上げるニュースもありました。

望月記者:生活実感として、高市(早苗)さんは結構、世界の真ん中で咲き誇る日本をと言っていて、割と女性として女性目線で生活者に寄り添ってくれるものと期待していた人も多いし、「5G」などと比べると明らかに「Sanae Takaichi」の方がやってくれそうで、女性というインパクトも大きかった。でもそこから意外に生活とか経済対策って国会閉じた後に消費税減税発表しましたけど、意外に何もやらないし、確かに皇室規範とか国旗損壊とか世論を二分するような言っていたことはやっているんだけど、あんまり私たちの生活に関係ないよね、みたいな。一部調査で支持なしが6割ぐらいの中で、そこはやっぱり泉さんたちは狙ってきたのかなと私は思いましたね。

MC田中記者:なるほど。望月さんは「望月いそことオッカ君チャンネル」で泉さんに取材されていましたよね。新党は保守に位置付けられるのか、リベラルに位置付けられるのか、望月さんはどう思いますか?

望月記者:そこは泉さんは言及したくない感じですね。両方取り込みたいし、「イデオロギーが左右に分かれるのはいいけれど、それよりも生活なんだ」と。元明石市長の経験から「それだったら自治体首長になればいい」と。彼も無所属だし、国政だと難しいと思いますが、首長選で勝った首長は、少なくとも議会で跳ねられても予算案までは出せると。そこまでとにかくやるということを掲げて、首長が変わるとこんなに子育ても含めて高齢者にとっても良い、自分たちにとってメリットのあるものができるんだという実感を持ってもらいたいと熱意を込めて語っていました。地域から立て直したいんだと。

石戸氏:僕は基本的にはカラーとしては保守色は弱いと思いますよ。リベラル色が結構強くなると思います。要するに生活実感とか。例えばですが、皇室の問題とかが出てきた時に、いわゆる保守系の主張には多分彼らは与しないでしょ、どう見ても。なので保守色は弱いと思います。しかし、結局「地方から囲っていくんだ」というやり方自体は、僕はリフォームUKっぽい感じなんですよね。だけどリフォームUKの場合は、地方がとにかく疲弊しているんだ、これはロンドンが悪いんだというところで「反ロンドン」だけど、日本の場合「反東京」というのはないじゃないですか。

地方交付税を含めて分配が機能しているから、多分「反東京」にはならないけれど、東京の首長を変えていくとか、最終的な狙いは多分、東京都知事だと思うんだけど、税金の使い道を変えていくんだみたいな言い方で、おそらくこのまま無党派層と、イデオロギー的に言うと真ん中からやや左ぐらいの人たちまでは取りに行くのが狙いだと思います。

僕はこれまで、右のポピュリズムは参政党、左のポピュリズムはれいわ新選組だと言ってきたけれど、泉新党が一番盛り上がるシナリオとしてはこの真ん中のリベラルのブロックのポピュリズムみたいな形で浮上してくることです。ただ、そこまで行くか分からない。僕はひろゆきさんが出るか出ないかだと思っていますから。ちゃんと言うけれど、ひろゆきさんが出ないんだったら、これは絵に描いた餅でしぼんでいく。多分石丸新党と同じパターンでしぼむと思います。でも、泉さんはひろゆきさんが欲しいわけでしょ?

望月記者:そうですね、言っていましたね。自分が取り込める層と違う人たちを取り込んでいるというのはかなり大きい。言っていることがいくつか確信をつくし、泉さんは明確に高市政権の批判をしませんが、ひろゆきさんは統一教会問題や経済政策などに関してバリバリする。

石戸氏:だから多分、いわゆる保守色の強い、自民党となんか仲良くなることにはならないじゃないですか。

望月記者:ひろゆき氏にその覚悟があるのかですよね。Zoomで参加している場合じゃないですね。

石戸氏:正直そこじゃないですか。東京都知事選挙に出るとか、区長になるとか。

次のリベラルを立て直す人材とは?

望月記者:今の野党、中道改革連合や立憲民主党、国民民主党は政党支持率が落ちているんですよ。だから今既存の野党、野党と言っても国民民主の場合は結構与党に賛成しているものも一定数あったり、連立入りも噂されていましたけれど、永田町を取材していると、ここまで高市・吉村連合が強くなると今ちょっとないかな。

MC田中記者:高市政権の間には今すぐはなさそうですよね。

石戸氏:国民民主党は立ち位置難しいですよね。いきなり高市さんの経済政策とかに噛みつき始めたから、「消費税減税いいんですか?」みたいな話になっていて。言わんとすることは分かるし、筋は通っているんだけど、選挙の時にね。

MC田中記者:国民民主党としては高市さんに接近して選挙負けているし、戦わざるを得ないから距離が離れていく。維新と「結婚」している限り、なかなか難しいのでほぼほぼ無理だから、戦略的にはしょうがないんじゃないですかね。

ただ、今の党首とかを見ても、高市さんに匹敵するタレントがいないですよね。玉木(雄一郎)さんも一時期なれたけれど、今を見てもいないから、だからこそ「ひろゆき新党」みたいなのがみんな面白くて、「これはリベラル寄りなのか、それとも違うのか」みたいなので盛り上がれるわけです。やっぱりそこで1人プレイヤーが出てくると期待感が出ますよね。

石戸氏:望月さん、誰かいますか?この中で一番期待感のある人。

望月記者:辻元(清美)さんはずっと「代表にならないのか」と言われていて、なってはいないですが。結局高市さんがやっぱりインパクト強いので。でも高市さんもそういう意味ではずっと大ベテランの一人で、総裁選の1回目で岸田さんが勝った時の候補で、当時は河野太郎氏を警戒するためにちょっと影武者的に高市さんを入れたら実はすごい人気が出てしまって、安倍さんも焦っていたみたいな話もありました。元々そんなにメインプレイヤーでなかった高市さんが一気に上がってきたというのはありますよね。でも例えば高市さんも総裁選レースに出てからにわかに注目が集まったと考えると、ベテラン勢で言うと辻元さんって代表になったことがないからなってみて、その論戦は私はうまいとは思うんですよ。蓮舫さんとはまたタイプも違うし。

石戸氏:水岡(俊一)さんより党首討論は面白いでしょうね。良い人なんだけどね。

望月記者:水岡さんはすごく「良い先生」みたいな感じですよね。

個人的に(日本共産党委員長の)田村智子さんはやっぱり国会の質疑とかはうまいとは思いますよね。あと(社民党の)大椿裕子さんは発信力とかパワーはありますよね。

MC田中記者:辻元代表が出てくるとしたら、やっぱり今ある中道・公明・立憲の合流で、立憲が合流しきれなかった時ですよね。

ここは意見が分かれるところですが、僕はもう中道に丸ごと合流した方がいいと思うんですよ。中道はこの前の選挙で大敗したけれども、安全保障と原発において公明に寄せる形で現実路線を取って、無党派とか穏健な保守層も政策的にはOKというところまで寄せられた部分があるんで、そこで伸び代があるわけですよ。そこを「5G」で戦えば政策以前に負けてしまうし、安全保障と原発だけでも勝てないけれど、それでも今のリベラル嫌いな人を一定減らすくらいの政策の中身までは作れた。僕は合流した方が良いと思うが、望月さんは立憲的な立場は残した方が良いというお考えですよね。

望月記者:皇室典範は立憲だったらありえない選択だったと思いますが、乗りました。そこも含めてそこも含めてやっぱりだいぶ軸が変わってしまった。実質「新公明党」みたいなものだと限界があるのかなと。私、そんなに宗教色については感じないですけれど、やっぱりそこに対する抵抗を持っていたり、前回の選挙で旧立憲の支持者の一定層が中道に行かなかった。皇室典範はかなり決定打になってしまったかなとは思うんですね。

石戸氏:だから左のブロックにいた人たちが衣替えして、真ん中に寄せましょうという話になったけれど、一番良いシナリオって、結局公明党を入れることによって「自分たちは現実路線に近づきました」と。「与党経験豊富な公明党と一緒にブロックを作って戦っていくことによって、政権交代しても大崩れしません」という補強材を入れたという言い方が多分伸び代というところだと思うんですよね。だけど残念ながら、自分たちが真ん中かどうかは有権者が判断する話じゃないですか。有権者の数を見ると「自分は真ん中だ」と思っている人たちがめちゃめちゃ多い。事実、日本の社会のほとんどの人は穏健な保守・リベラルくらいのブロックに固まるんですよ。確かに、中国とかの軍拡はちょっと怖いから安全保障はしっかりやってほしい。別にわざわざ喧嘩する必要もないからアメリカともヨーロッパともうまくやってほしいね。で、そこは今まで通りでいいんだけど、じゃあ経済政策とかもまあまあうまい具合にやってねという、ここら辺のバランスを取る時に自民党よりも勝てるとしたら、夫婦別性的な争点とかジェンダー平等とかそういうところを入れてやるんだったら、中道改革連合はまあまあ安定して伸ばしていこうっていうところが取れたと思うんだけど、まあ無理でしょ。今回の国会の追及とかでも、はっきり言って「週刊文春の裏取りをしているだけじゃん」みたいな見方をされているわけよ。

MC田中記者:見方としてね。

石戸氏:本人たちからすれば「いいや違いますよ。細かく国会を全部見てください、私たちはちゃんとやってますよ」と言うと思うし、実際に違うところもあると思う。だけど、目立つところで何が切り取られるか、どこが抜かれるか、どこにフォーカスされるかをもうちょっと考えないといけない。野党は追及してばっかりで、具体的な政権構想も示せていないじゃんっていう弱点をずっと突かれているんですよ。公明党を入れたら変わんのかなと思ったら公明党も急になんかもう野党仕草が鼻につくみたいな感じになっちゃうのがもったいないなとは思うけどね。

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