
7月1日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、自民党の大塚拓衆院議員をゲストにお迎え!安全保障分野に詳しい大塚氏に訊く、日本の安全保障の死角と防衛費増額の必要性とは?MCの政治ジャーナリスト・今野忍記者が深掘りしてインタビューします。
MC今野記者: 大塚さんといえば安全保障のスペシャリスト。6月24日に、自民党と維新の会がそれぞれ安保3文書に対する提言を持っていきました。ここからの5年、10年の安全保障の計画を立てていくということになりますが、2022年にも「安保3文書」を立てて、長期計画、中期計画、短期計画みたいなものを作りましたよね。簡単に言うと、それまでも別々に出したことはあったんだけど、「3文書」という形で長期と短期と中期をセットで出したのは2022年が初めてだと思うんです。

安全保障戦略などは安倍政権の時から作っていましたが、その時の国防部会長が大塚さんでした。(中略)大塚さんに来ていただいたので、前回の3文書もしっかりとおさらいしておきたいのですが、当時は何が大変だったかと言うと、結局は財源として防衛費を1%から2%にすることですよね。「1と2で何が違うの」と思うかもしれないけれど、何となく日本の同調圧力的な空気の中で「GDPの1%」と、実質キャップがかかっていた。中曽根内閣の時にキャップは外されたけど、ずっと何となく安倍政権でも1%は守ってきたわけですよね。大体5兆円くらいですよね。それを一気に10兆円くらいまで、NATO基準の2%にするんだと言っていました。あの時、大塚さんは財務副大臣をやっていたから、財務省との暗闘があったと聞きましたけど。(中略)
大塚氏:(国防部会長を2回務めているが)1回目の部会長をやっている時に気づいてしまったのだけれども、GDP1%枠の範囲で予算を設定しているために必要なことが全くできていなくて、できていなくも自衛官は「大丈夫です」と言ってきた。防衛省の背広組(事務官)も財務省の役人も政治家も実態がどうなっているか全然わかってないっていう状態でした。(中略)現場視察など実態を見ていて気づいたのは、装備品が全然動いてない。部品を買うお金がないので壊れても壊れっぱなし。それでしまいには「この戦闘機が飛んでないとまずいよね。でも部品がないよね」っていうので、1機に犠牲になってもらって、まだ生きている飛行機から部品を取って他のにはめるみたいなね。
MC今野記者:だから3機あったら、1機動けるのに、2機を動かすためにその1機から必要な部品を取る、いわゆる「共食い」ですよね。そういうことをやっていたんですよね。(中略)あと、弾ね。そもそも訓練する弾がないから撃ったことがない、そんな自衛官でいいのかと。
大塚氏:例えばウクライナのような事態が起きた時に、その撃ち方をしてどれくらいの期間持つかというのを考えると背筋の凍る思いがしました(中略)これはまずいと思って1期目の国防部会長の時も何とかならないかと思ったんだけど、1%の壁は非常に高くて。
MC今野記者: あれは何ですか、中曽根内閣の時にもう外してるはずですよね。

大塚氏: 要するに、どこの法律に書いてあるわけじゃないけれど、それを超えようとするとマスコミも大騒ぎするし、財務省もそれをいいことに「絶対にそれは超えさせない」みたいにやってきていた。それで、何十年分もの投資不足が積み重なっている状況で、そこに持ってきて、2回目の部会長をやっている時には、中国が海警局を明確に軍に組み込んで、やっていることもどんどんエスカレートしていて、このまま行くと落ちるのも時間の問題だなっていうのもあったりしました。法律面でやらなくてはいけないこともあるんだけれども、予算面でもこれだと、本当に台湾有事でも起きた時には動けない。相手はこちらの分析をしているから、「どうせこいつら動けないよね」と知っている。恐ろしい話ですよね。これはもうこのタイミングで何としても1%を突破しなきゃいけないし、今までの投資不足も取り返して、今の時代に必要なこともやらなきゃいけないということを考えると、本当はNATO並みの2%でも全然足りないなと思ったんだけれども、防衛産業も長年微々たる予算でやっているので、それ以上のものを作る設備を持っていないわけですよ。撤退ラッシュになっています。当時作れる会社も必要なもの、新しい何かを装備を導入しますという時には、20年かけてちびちび導入していくみたいなやり方をしていたので、20年経った時には完全に陳腐化しているっていうのが当たり前でした。だからいきなり予算をドンとやっても、設備のところからやらなきゃいけない。(中略)前回は2%が限界でした。ただ、その2%も正直言って、2%丸ごと防衛費についていません。最後は財務省と半年やり合ったんですけど。
MC今野記者: 最初いくらくらいででてきたんでしたっけ?
大塚氏: 元々防衛省側は50兆円くらいで考えていました。
MC今野記者:要は5年で、トータル2%でってことですね。
大塚氏:ところが、財務省はもう全然少ない30兆円とか、それくらいから交渉を始めるわけですよ。
MC今野記者: 下から来ましたね。全然2%いかねえじゃねえか、となりますね。
大塚氏: そう。「今の国際環境をどう考えてるんだ」というところからね。しかも、予算を小さくするために、何かよく分からない「有識者会議」みたいなのを作って、その有識者も「これは予算を抑えるための会議ですから」と説明されて集められたりとかね。防衛省にも相談なく会議をやって、みたいな感じで、もうとにかく予算を抑えようとしていました。それが財務省の仕事なので、半分しょうがないところもあるけれど、今の国際環境をまともに見た時にそんなことをやってる場合かみたいな感じがありました。それをもう半年バキバキやって、出来上がりは43兆円となりました。(中略)

MC今野記者: でもだいぶ状況が変わってきました。(中略)シャングリラ会合(アジア安全保障会議)でシンガポールに行ったら、日本の新聞にはあまり出ていない部分で、戦争長官のヘグセス氏が実は恐ろしいことを言っています。もう「同盟国というのは保護領じゃないんだ。保護する対象ではない」と言って、同盟国には一律で「防衛費をGDP比3.5%にしろ」と明確に迫っているんですよね。日本も韓国も全部並べて、一応NATO諸国は「2035年までに3.5%にします」ということになっている。韓国は言い方が上手くて「できるだけ早く3.5%にします」。オーストラリアは確か「2033年までに3%にします」ですよね。日本はまだ言ってなくて、一応、小泉(進次郎)防衛大臣とヘグセス長官の関係が良いから名指しはしないんだけれども、「日本はもっとできるだろう」と演説の中で言っているんだよね。これは、これからどうなっていきますか?
大塚氏:かつて日本が2%に上げた時も、一部のマスコミは「アメリカの言いなりでどうの」みたいに言いました。けれど、私が2%という方針を最初に打ち出して、選挙公約にも盛り込みましたが、アメリカ側からは一言も何も言われていないですからね。日本の判断としてこれをやらなければいけない、ということで2%にした。一つの参考値として「NATOが2%」というのはありましたけれども、アメリカから2%にしろとか、増やせとか言われてやったわけではなく、自発的にやったという点だけは、はっきりと言っておきます。

今回も、環境を見れば増やさなければいけないのは明らかなので、日本としてはアメリカに先に言って欲しくない、というのはアメリカ側にもずっと言っていると思うんですよね。これは自分の判断でやるんだからと。だけど、他の国に対してアメリカは普通にプレッシャーをかけているので、日本だけは、なんとなくもごもごと言ってくれていたけれど、ヘグセスさんはバンと言っちゃうところはありますよね。
MC今野氏:ヘグセスさん、あの性格ですからね。
大塚氏:ただ、本当にGDP比3.5%になるかどうかはまだ分かりません。色々積み上げをした上で、じゃあその財源をどう手配しようかというところまで議論して初めて予算になるわけです。今の環境を考えた時に、もとより2%でも、過去の投資不足を考えると私は微妙だなと思っています。
MC今野氏:やっと「共食い」とか異常な状態を脱することができたというレベルで、まだまだ全然異常な状態だと。
大塚氏:弾数なんて、全然必要な水準にまだ行っていないですね。
この詳細は、ぜひ動画本編でご確認ください!
選挙ドットコムちゃんねる、ぜひ高評価とチャンネル登録をよろしくお願いいたします!
【有権者の心に響く第一印象を。選挙ドットコムで、あなたの情報を掲載しませんか?】
選挙ドットコムの政治家情報ページには、顔写真やSNSアカウントへのリンクなどを完全無料で掲載いただけます。
有権者の皆さまにとって、こうした情報は候補者一人ひとりを知るための大切な第一歩になります。
ぜひ、あなたのページを充実させて、有権者の皆さまとの距離をぐっと縮めてみませんか?
情報掲載をご希望の際は、こちらのフォームよりお送りください。皆さまからの情報をお待ちしております!
※申請は「政治家・候補者本人」または「政治家・候補者本人から承諾を得ている方」に限ります。承諾がない場合は掲載できませんこと、予めご了承ください。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします