
6月13日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、食料品の消費税減税をめぐって話題になっているレジシステムの改修をめぐる実態を伺うため、株式会社スマレジ執行役員CTOの岡田直緯氏をゲストにお招き!与党の公約である0%減税には「1年」の改修期間が必要とされるシステム上の盲点やテストの重要性について、MCの政治ジャーナリスト・今野忍記者がインタビューします。
MC今野記者:なぜ岡田さんをゲストにお招きしたかというと、食料品消費税の0%・1%問題っていうのが非常に国政の方で話題になっていまして、食料品の消費税を0%に下げたいと高市さんがおっしゃって、選挙公約にもなりました。ただ、ゼロにするとレジスターの改修に1年かかるが、1%だったら3カ月から半年でできるんじゃないかとか、色んな論点が出てきています。選挙ドットコムとしても政治家の方にも取材するんですが、レジスターの専門家の方に聞くのが一番話が早いだろうという、私の思い付きがスタートです。まずは「株式会社スマレジ」はどのような会社でしょうか。
岡田氏:会社名にもあります通り、基本的にはレジや、お店で使う周辺システムも色々作っている会社になっています。レジの方はiPadで動く、いわゆる「モバイルポス」というものの開発者になっています。
MC今野記者:最近よく見ますよね。(中略)レジスターっていうと「POS管理」と言われて、よく「ポス」って業界で言うと思うんですけど、要は「ポイント・オブ・セール」の略です。販売時点の管理で、レジでピッてやって、値段いくらですと集計するだけじゃなくて、その瞬間瞬間、1日でこの商品がどれぐらい・何時ぐらいに売れたかデータで蓄積されていつでも取り出せるようにするシステムになっているんですよね。だから、そのシステムには当然消費税を課税するのも計算するから、その改修にすごい時間がかかるってことですよね。他にも色々レジスターの会社があって、いわゆる旧来型のシステムでレジを作る会社もありますが、株式会社スマレジさんはシステム的には割と新しいレジの会社という理解でいいんですかね?
岡田氏:そうですね。システムをリリースしたのが2011年なので、比較的新しい会社かなと思います。
MC今野記者:よく聞く大手のレジスター会社さんとの違いは何ですか?
岡田氏:一番大きく違うのは、会社さんは「ターミナル型POS」とよく呼ばれる専用の端末を使っています。ちょっと高い一方で、安定性が高くてバーコードリーダーだったりとかプリンターとの機器連携は比較的安定しているのが特徴です。

一方で、弊社のようなモバイル型のPOS、「クラウドポス」って言われるところは市販のiPadなど、よくあるタブレットを利用するので導入時のコストが比較的安く済みますし、操作的にも慣れている方であればすぐ使いこなせるようなものになっています。機器の組み合わせによっては、相性がよくなかったりとかで安定性に欠けるところがあるのが違いかなと思います。(中略)
MC今野記者: 今日聞くのは、食料品の消費税減税の話なんですけど、早速核心部分に入ってしまうと0%問題・1%問題があります。(中略)要は、0%にするには根本的にシステムの改修とかにすごい時間がかかる。でも、1%で数字をいじるだけだったら、そこまで抜本的にならないからスピード感があるってことなんですけど、それはそういうことでいいんですか?
岡田氏:その理解で合っていると思います。
MC今野記者: 食料品の消費税を0%にするのに「1年もかかる」って聞くと、みんな半信半疑というか、「財務省や減税したくない人が言っているんじゃないか」なんて仰る人もいたけれど、実際は1年くらいかかるものなんですか?

岡田氏: 弊社はそういうところはないので想像でのお話にはなるのですが、まず前提として、システムというのは「元々どこまで想定して作っているか」によって、改修にかかる時間が変わってきます。 弊社であれば、元々「0%」を想定して入力しても大丈夫なように作っていたので、特に時間はかからないんです。ただ、「時間がかかる」と言っているところは、おそらく「0%」を想定せずに作られていたのかなと考えられます。元々、消費税が導入された時の3%から徐々に上がってきていたので。よく挙げられるのは「ゼロ除算」と、あとは「非課税」と「0%課税」の違いです。非課税を明確に区別せず、「0%なら非課税と同じ」という風に見なしていたりすると、最終的な会計システムなどとの連携で困ってしまう。その辺りの改修が必要になってくることが期間の差になってくるのかなと思っています。
MC今野記者: よく言う「非課税」と「免税」の違いだよね。確かに、理屈としては消費税が日本に導入された時は3%から始まって、そこから5%、8%、10%と上がっていったわけですからね。10%に上がるときに食料品だけ8%に据え置くために「軽減税率」を導入したのが現実だから、1989年の導入当初から基幹システムを作ってきた大手メーカーたちにとって、「税率0%」というのは完全に想定外だったわけですね。

岡田氏: おそらくそうだと考えています。
MC今野記者: スマレジさんは割と新しくできたサービスだから、その辺も柔軟に対応できるってことですよね。ただ一般的に、いわゆる「基幹システム」と呼ばれるような大型のシステムを作っていると「0%」にするためには抜本的な改修になっちゃうんですかね。
岡田氏: どちらかというと改修の量が多いというよりも、実際にゼロをシステムに入れてみて、問題ないかどうかの確認に時間がかかるんじゃないかと思っています。
MC今野記者: だからテストですよね! 実は僕、あんまり言うと恥ずかしいから隠していたんだけど、昔アクセンチュアという会社に2年くらいいたことがあるんだよね。だから、システムのベンダーたちと仕事をした経験があるんだけど、テストにかかる時間って本当にえげつなかった。僕がいたのは20年前だけど、今でもそこは変わっていないんですね。
岡田氏: そうですね。システム自体が大きいと見なければいけない範囲が広くなりますから、どうしても時間はかかってしまいますね。
MC今野記者: あらゆるパターンを想定してテストを繰り返しますもんね。逆に、「1%」だとそんなに大変ではないんですか?
岡田氏: 1%であれば、3%、5%、8%、10%と税率が変わってきた時と性質は変わらない。絶対に見ないといけないところが多くない。
MC今野記者: それでもやっぱり、テストの期間とかを考えると半年くらいはかかっちゃうものなんですか?
岡田氏: そうですね。システムの作りにもよりますが、あり得るとは思います。
MC今野記者:間に合わないと大変ですから、政府に聞かれたら多少長めに、余裕を持った期間を回答するでしょうからね。

岡田氏: あと、各社さんがおっしゃっているのは、店頭のレジシステムだけではなくて、「基幹システム」や「会計システム」との連携もあります。そちら側のことも考えると、(期間は)多めに言わざるを得ないということはあるかと思います。
MC今野記者: なるほどな。
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