
6月2日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、日本共産党の山添拓参院議員をゲストにお迎え!山添氏は高市政権のメインテーマである憲法改正について、国民の関心が低い中で議論が進んでいる「演出」がされていると指摘し、緊急事態条項・任期延長論に潜む権力乱用の危険性を過去の歴史を引き合いに出しながら追及します。MCの毎日新聞政治部・田中裕之記者が深掘りインタビューします。
MC田中記者:共産党といえば護憲政党です。高市政権になって、高市さん自身が自民党大会で「来年の党大会をめどに憲法発議」って言ったり、憲法改正の議論というのが安倍政権以来だと思うんですけど、政権のメインテーマになってきています。その中で政策委員長を務め、弁護士でもある、そして参院憲法審査会のメンバーでもある山添さんに今の憲法の議論はどう見てらっしゃるのかなと思っています。テーマとしては大きく、緊急事態条項、参議院の合区解消、そして、そこまで全面に出してるわけではないけれども9条改正などもあります。それぞれの論点について、どういう風にご覧になっていますか?

山添氏:そうですね、審査会を毎週開催したり、それから緊急事態条項についてイメージ案なるものを事務局に作らせて論じたりっていうことから、改憲論議がうんと進んでいる様子を演出してはいると思います。しかし、実態はそこまでなのかということは一つあると思うんです。というのは、まず改憲論議をみんなが注目して、どうしても今是が非でも進めて欲しい政治のテーマとして求めているかというと、これは決してそうじゃないと。それは改憲が是か非かでいえば、結構賛成もあったりしますが、しかし政治の優先課題として憲法かと問われると一貫して数パーセントですね。
MC田中記者:そうですね。一番はやっぱり経済対策になることが多いです。
山添氏:そうです。福祉だとか教育だとか、経済対策、そういうことが圧倒的にレベルは高い。今だってナフサショックですから、もちろんそっちの方が要求としては強いわけですよね。だから国民的な関心事項と政治が前のめりになってることがかけ離れているというのは、まず一つあると思います。ですから「時は来た」と高市さんは言いましたが、実際、世論的には時は別に来てないと。だからこそ、(改憲の議論が)進んでいる様子を世論にアピールもしたくて開催を重ねている状況があると思うんです。

山添氏:しかもその中で議論されてるのが、おっしゃったように緊急事態条項ですね。衆議院の緊急事態条項で、緊急事態条項は二つのテーマでやっています。緊急時に内閣に権限を集中して、いわゆる憲法停止条項だと思いますが、法律に代わる、権利制限ができる政令を内閣の権限として持たせる。もう一つが、緊急時に選挙ができない、衆議院議員がいないのは困るじゃないかと、そのために任期延長だという任期延長論ですよね。
私はどちらの論も参議院でも時々はやりますから聞いていて、それが果たして今求められている問題かということを、改めて問う必要があると思うんですね。災害だとか感染症だとか、この間私たち経験してきたこともあります。しかしそれで、緊急事態条項がなかったからできなかったとか、選挙困難事態でもう全国的に選挙はできなくて大変だったという、これまではそういう実態は事実上ないですね。だから、必要なのかということがあります。「いや、もしもの時の備えは必要だ」とこういう意見が当然ありますが、もしもの時の備えが必要な割には実際の職員は減らしてますし、医療現場は疲弊させたままですし、本当に緊急時のことを考えるんだったら原発なんか動かしといていいのかという話だってあると思うんです。

だから、本当に緊急事態に備えが必要だというよりは、むしろ有事に対する恐怖をあおる。それは緊急事態条項を作りたいということ以上に、今進むその9条改悪も含めた、大軍拡の政治ですね、軍事一辺倒の政治ということと密接な関わりがあるのではないかと思います。全国的に選挙ができないとか、全国的に国会議員が集まれないような事態で内閣が権限を集中せざるを得ないと。それは要するに有事ですよね。戦争になった場合の想定ということになると思うんです。しかし、そうした権限集中や任期延長というその権力の乱用につながるようなものは置かないというのが、日本国憲法の出発点だったはずです。それは間違いを生むからと。そして実際に間違いを生んだのが日本の過去の歴史でもあります。1941年に任期延長を1回やっている。それで、太平洋戦争に突入したわけです。それから当時の緊急政令、緊急勅令によって治安維持法の最高刑を死刑に引き上げています。ですから過去の乱用は、悪用された実績と言いますか、実例に照らせば、今そのような方向へ歩みを進めるということがいかに危険かということが言えると思います。だけど改憲を進める方からそういう過去の例について反省の言葉はありませんから、その認識がまず問われる必要があると思ってますね。
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