
6月5日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、皇室典範の改正を大特集!今回は、政治ジャーナリストの今野忍記者が各政党・会派の間でどのような賛否や「グラデーション(意見の濃淡)」があるのかを解説します。結婚後の女性皇族と配偶者や子どもの皇籍、さらには旧宮家からの養子縁組案まで、今後の皇位継承論にも直結する重要論点の全体像にMCの選挙芸人・山本期日前氏とともに迫ります。
MC期日前氏:皇室典範の改正について、衆議院・参議院の議長・副議長のところで動きがあり、とりまとめ案が判明しました。
今野記者:皇室に関わる話、皇室典範の改正の話なので 国会の総意がイコール国民の総意ってことね。だから、衆議院議長の自民党・森英介さん、副議長は中道改革連合の石井啓一さん。参議院議長が自民党の関口昌一さん、副議長が立憲民主党の福山哲郎さん。この4人で総意が決まったということなんで、8日くらいに各党会派で集まってやっていくんじゃないですか?
まず、皇族数を確保しなきゃいけないという話が前提としてあって、だから皇位継承の話と、皇族数が減っているからキープしなきゃいけない話と二つあるんですよね。リンクしてきちゃうことがあるんですけど、二つの考え方については、そもそも2021年12月に有識者会議が報告書をまとめていて、今の上皇様が生前退位を決めた時の皇室典範の特例法の附則についているんですよ。9人連続で女性がお生まれになっていて、悠仁様が41年ぶりの男系男子でした。
MC期日前氏:言われるまで全然気づきませんでした。
今野記者:女性皇族の方は結婚すると民間人になられるから、このままだとどんどん減ってしまうじゃん。ということで、女性皇族の方が結婚後も皇族に残る案、旧宮家出身の男系男子が養子縁組で皇族に入る(皇族は養子を取れないことになっているので)。皇室典範改正について、この二つの案が出ていました。この二つはそれぞれ政党・会派によって賛成・反対があったので、なるべく多くの政党・会派で賛成してまとめて議長・副議長 4人の中で一致した案を出して国会で決めたいということで、かれこれ2年半ぐらいやってきました。結婚後の女性皇族が皇族に残る案は、ほぼどこの党も賛成ですが、唯一、日本保守党だけが反対しています。

なぜならば、女性皇族の方、例えば愛子様が皇族に残っていた時に 、将来的には男系男子ではない天皇陛下の誕生にも繋がりかねないというところが日本保守党としては引っかかりがあり、ここだけは慎重というか反対です。他はみんな女性皇族の方が残る、愛子様とか佳子様が結婚されても皇族に残る案です。
もう1個あって、女性皇族の方が結婚した時、例えば愛子様や佳子様はそのまま皇族に残ります、じゃあ結婚した旦那さんとお子様はどうするのか、ここの話で結構揉めたんですよ。どう揉めたかと言いますと、基本的に自民党とか日本維新の会は反対なんですよね。立憲民主党の野田(佳彦)・元代表は夫と子どもも皇族になるべきだと強い意向があったんです。要は、同じ家族で片方が皇族で、片方が民間人というのはどうなんだろうねと。TikTokとか撮るのかね。
MC期日前氏:もしかしたら配信みたいなのをやってしまう可能性はありますよね。
今野記者:もっと言えば選挙行けるんだよ。
MC期日前氏:そっか。 国事行為。
今野記者:だから、家族で皇族の人と民間の人がいるのはちょっとしっくりこないからみんな皇族にしたらいいじゃんという案が立憲民主党やれいわ新選組、日本共産党です。ただ、そうすると今度は何が困るかと言うと、保守層からは女系天皇に繋がってしまうのでないかという大反発が起きます。コバホークさん(小林鷹之政調会長)とかは大反発してます。もちろん高市総理もですが。
今野記者:念のため前提として、女性天皇と女系天皇についても説明しておきますね。
結論から言うと、性別で女性ならば「女性天皇」です。愛子様がもし天皇になったら女性天皇です。あんまり可能性はないけど、佳子様が天皇陛下なっても女性天皇ですよね。
一方、女系天皇っていうのはこれ血統の話なんですよ。だから、愛子様が天皇陛下になられた場合は男系なんですよ。お父様が皇族の血を引いている天皇陛下だから愛子様は男系の女性天皇となります。ただ、愛子様が将来女性天皇になられた時に、民間人の方と結婚されて、その愛子様のお子さんはどっちになるかと言ったら、天皇陛下の血を引いているのは愛子様の方だから女系の天皇陛下になります。
一応、これまでの歴史の中で、皇統は女系は一人もいないというのがタペストリーというか物語なので、保守層は絶対だめですよね。だから、男系男子、男系女子、女系男子、女系女子の四つパターンがあります。今の皇室典範では男系男子でないと天皇陛下にはなれないから4分の1の確率になって、結構キツイんですよ。
(中略)

今野記者:夫と子どもを皇族にせずというのが、自民、維新、国民民主、参政、公明、チームみらい。配偶者と子どもを皇族とするかどうかに関しては、中道改革連合、立憲民主党、社民党は当事者の意向を踏まえて対応することを求めているということで「三角」なんですよね。 共産党は女性天皇について正面から議論すべきだとして、れいわ新選組は国民的議論を行うため仕切り直すべきだといっているので「反対」と言っていいんでしょうね。ゼロベースで議論しましょうと言ったのはこの2党だから。
MC期日前氏:野党の中で若干グラデーションがあるということですね。
今野記者:気をつけなくてはいけないのは、立憲、中道、社民は反対ではないんで、一応三角にしています。当事者の意向を踏まえて対応すると、ちょっと慎重なだけです。旧宮家の男系男子は1947年に戦後まだGHQの支配下であった日本において皇籍を離脱した11の「宮家」の子孫を養子として迎えたらどうでしょうかと。だから養子を迎えるか、側室制度を復活させるかしない限り男系男子だと途切れてしまう可能性高いという話だと思うんですよね。
この話は皇族数の確保の話だけど、皇位継承論にも絶対繋がってくるんですよ。
MC期日前氏:宮家出身の男系男子が養子縁組になるともう基本的には安定するんですかね。
今野記者:そうですね。なぜならば、対象の11宮家には男系男子がいらっしゃるんですよ。ただ、いずれも皇籍を離脱してからのお子様だから、生まれた時から一般人でもある。あと、今の天皇家との繋がりでいうと11宮家とも室町時代に切れちゃってるので、そこはどうなのかという人もいる。ということもあったりして。で、これに関しては結構分かれていますよ。 だから賛成が自民、維新、国民民主、参政、公明、チームみらい、日本保守党で、保守的な政党です。
中道改革連合は要件など慎重に制定されれば制度化も考えられる。考えられる、だから反対はしてません、可能性としてはありですね、ぐらいかな。立憲民主党は法の下の平等の観点から慎重な検討が必要。 憲法に抵触するんじゃないかという考え方です。共産は議論を白紙に戻して女性天皇について正面から議論すべき。社民党もどっちかっていうと慎重というか、反対なのかな。中道と立憲は慎重だから「三角」かな。スタンスが分かれますよね。
こんな感じで一応決まりました。自民と維新はこの「養子縁組案」を優先しようっていう考え方なんだよね。で、中道とか立憲はどっちかっていうと女性皇族が結婚後も皇族に残ることを優先しようという考え。この辺が今後どうなってくのか。8日に各党・会派で集まるからまたもう少し時間かかるんじゃないですか。これ二つやっても、結局将来的にはどっかでもう1回考えなきゃいけない時代が来るでしょうね。

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