何が違う?「存立危機事態」など自衛隊派遣に関する三つの選択肢を今野忍記者がわかりやすく解説!

2026/03/19

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選挙ドットコム編集部

3月17日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、19日に迫る日米首脳会談を前に、緊迫するイラン情勢と自衛隊派遣の論点を政治ジャーナリストの今野忍氏が徹底解説します!

今野記者:19日に(高市早苗総理とアメリカのトランプ大統領が)直接会うんだよ。

MC期日前氏:今回の日本とアメリカの会談前に、明らかに消えたなって思ってるのが、「お土産何にするか」っていう報道が一切出てこないっていう。名前を何て呼ぶかとか、誰も気にしてない。

今野記者:そういう次元じゃないよね。まあ、平和だったってことですよ。

MC期日前氏:もう今までは、「友好の証」はどうなんだとか、だから去年のタイミングの日米の会談の時はその辺が結構注目されてた。

今野記者:まあ、平和だったってことですよ。だからもう本当、中国は「ちょっと行くのやめようか」みたいなこと言ってるからさ、日本も「もう来なくていい」って言ってくれるとありがたい、とも思う。今行くのはかなり危険だけど、結論から言うと、「できないことはできない」って言わなきゃいけないんですよ。

でも、それ言ったらあの大統領を刺激しても日本にとって良いこともない。何かへそ曲げて、変な風になるとより面倒くさいことになると。なぜなら中国との関係も、高市総理で良いわけじゃないから。そうすると、非常に狭い道しかないんだけど、後で説明するけど、自衛隊を今のこの戦争状態のとこには出せないから。やっぱり、「新法を作ります」とかね、なるべく1カ月か2カ月くらい、時間稼ぎをするような。だから相手の主張は受け入れる。「分かりました。ただ、国会にも止められるし、ちょっと今出せないから、あの新法を国会で速やかに作って、あなたが言ってるようななるべく協力をする」と。でもその時、条件としては「停戦」ね。やっぱりそれは「停戦が前提ですよ」と言って。これがまず①。

MC期日前氏:うん。

今野記者:で、②に関しても、イランとの関係もあるから、「支持」ではないんだけど、「支持」とも「支持しない」とも言えないような、何かうまい言葉でかわすしかないだろうね。

MC期日前氏:そこの発言のとこで。

今野記者:国際法的に、今回のアメリカのイランへの攻撃を評価どうすんのかと国会で聞かれてさ、高市さんが「国際法的な評価はしないし、トランプさんと会ってもその話をするつもりはない」って言ってるじゃん。あれ、なんでか分かります?

(編集部補足:3月16日の参院予算委員会で、「立憲民主・無所属」の広田一参院議員からの「首脳会談においてこの差し迫った脅威の根拠・理由について確認すべき」など一連の質問に対する高市総理答弁「米国及びイスラエルの攻撃に関する国際法上の評価については、我が国同様確定的な法的評価を行っていない場合も含め、各国の立場は様々です。また、専門家の間も含めて、国際社会において様々な議論が行われているということを承知しております 。日本はその詳細な事実関係を十分把握する立場にないことから確定的な法的評価は行っておりません」「国際法上の法的評価について議論をするというつもりはございません。その上で、我が国の立場をしっかりと伝えるということになります」)

MC期日前氏:なんでなんですか?

今野記者:2015年の安保法制(平和安全法制)の時に、安倍(晋三)総理が「先制攻撃するような国を、そもそも日本が支援することは前提にない」ってはっきり国会で言ってんの。

MC期日前氏:はい。

今野記者:そん時質問したのが、岡田克也さん。

MC期日前氏:またしても!岡田さん、どのとこにも結構絡んでますね。

今野記者:奇しくも、10年前も岡田克也さんで、岡田さんが聞いてる。安倍総理もまさかさ、アメリカで先制攻撃を地球の裏側に行ってするような大統領が出てくるとは夢にも思ってなかったんだろうね。はっきりと言ってるわけよ。だから、口が裂けても、高市総理の口から「国際法にこれは違反してる」とか評価はできないわけよ。

もっと言っちゃうと、これから解説する、あ「存立危機事態」とか「重要事態」とか、自衛隊を万が一送るとしたら、国連の支持というか、国連の決議なり何なりがないとダメなわけですよ。安保法制っていうのは前提にしてるわけは。だから、そういう意味でも「国際法的な評価」はできないの。

MC期日前氏:はい。

今野記者:僕なんかは別に総理でも何でもないから言いますけど、明らかに国際法違反だよ。多くの人死んでるし、この石油上がって世界の経済も大変だし。もう何一つ得にならないことを、ネタニヤフ総理に唆されてやってしまった「アメリカ歴代最低・最悪の大統領」だと思うけど。でも、そんなこと言えないじゃん。

MC期日前氏:そこに行った瞬間、何が来るのかも怖い、怖さみたいなのもあるし。

今野記者:そう、だって95%の石油、そっから日本通っててさ。だから早く停戦を促すしかないんだけどね。停戦しないで長引いちゃったら、今度はアメリカから石油を輸入しなきゃいけないですよ。

MC期日前氏:でも、その「アメリカを支持するかどうか」うまいこと言葉を濁したいみたいなパターンあるじゃないですか。例えば濁した言葉を言っても、トランプさんが「日本がアメリカに全面支持してくれた」って呟きそうじゃないですか?そこに対して反論はできないってことですよね?

今野記者:反論する必要はない。イランに説明すればいい。「日本、あの、あんなこと言ってるけど、私たちはそんなことしないからと、直接に言えばいい。

MC期日前氏:だから、ここはイランさえ理解してくれればまだ大丈夫と。ここは絶妙ですね。

自衛隊派遣に関する3つの選択肢を徹底解説

MC期日前氏:自衛隊の派遣について、最近も国会で「海上警備行動」「重要影響事態」「存立危機事態」とか質疑があったりするんですけど、ここの違いを今野さんにまとめていただいています。

今野記者: でも本当に、大事なんでこれ。僕の取材では、一応政府はじゃ3つの選択肢があるという風に聞いています。基本的に昨日(16日)の国会で話題になったのはこの3つですね。厳密には、4つ目があるんですけど、4つ目はちょっと後で説明します。

MC期日前氏: うん。うん。うん。

今野記者: で、日曜日に官邸で高市総理と、防衛省とか外務省、総理秘書官が入って打ち合わせというか緊急ミーティングしてるけど、その時上がったのも主にこの3つ。私の取材によると、特に「海上警備行動」でした。

で、順番に説明していきます。「存立危機事態」って最近よく聞く話ですね。台湾有事の時に、岡田(克也)さんの質問に高市さんが答えて話題になったんですけど。これは唯一「自衛権を行使」する、要は軍事力を使える場合です。

MC期日前氏: うん。

今野記者: で、これはどういう時があるかって言ったら、日本は憲法9条があるから、例外的な時しか自衛権を行使しない。自衛隊はそもそも軍隊じゃないからね。軍事力を使えるのは例外的な時。どういう時かといったら正当防衛の時。自分たち日本が、放っておくと日本の国の存立が脅かされる明白な危険がある時。

自衛権には「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の2種類がある。

僕と期日前さんの関係で例えるなら、個別的自衛権は、例えば期日前さんが殴られたら(今野氏が)殴り返すわけだ。だって、そのまま殴られてたら殺されちゃうわけ。 で、フルスペックの「集団的自衛権」は、期日前さんが殴られてます、殴ってる奴が期日前さんを殴り終えたら「次は今野、お前だぞ」って僕の方見て指差した。期日前さんがやられるのを放っておくと、今度は自分の存立が脅かされる、その明白な危険がある時。だから、助けるってのは集団的自衛権の「限定容認」。

要は「自分もやばくなるから」。そうじゃなくて、期日前さんを殴る、ただ「俺は今野、お前には手出さないからな」って言っても、「いやいや、期日前と僕は友達です、同盟なんです、だから助けます」ってのは「フルスペックの集団的自衛権」。 自分の身に危険があってもなくても助けられるのがフルスペックの集団的自衛権。本来は、いわゆる集団的自衛権ってこれだけなの。世界標準はね。日本は憲法9条があるから、あくまで自分たちの、「日本の危機」じゃないとダメだっていうのが立て付けだから。集団的自衛権を使うにおいても「放っておいたら自分もやばい」って時しか使えない。だから「存立危機事態」って分かりにくい名前になっている。(中略)

今野記者: もう一つ、じゃあ「重要影響事態」って何ですか。これは、自衛権かそれ以外かで言ったら自衛権じゃない。後方で支援する。これも放置すれば日本の武力攻撃になるような時だけど、できることは米軍に対しての給油とか輸送とか、米軍が前方で戦ってる時に助けますじゃなくて、これを放っておくと日本もやばくなる時。例えば、日本からみた地政学的には北朝鮮で例えると簡単です。もし北朝鮮とアメリカが戦っていたら、日本は地理的に近いから放っておけば絶対日本も何かあるじゃん。 ただ、(イラン情勢は)地球の裏側だからちょっと苦しいけど、やっぱ石油がその法的根拠の一つになるかなと。このままホルムズ海峡から石油が完全に来なくなっちゃうと日本も備蓄が足りないといった理由で後方支援をするっていうのが「重要影響事態」。

MC期日前氏: 今回は「重要影響事態」になりそうですか。

今野記者: ちょっと今回使うのは厳しいな。なぜなら、求められてんのは米軍への支援じゃなくて「民間の船の防護」だから。僕は「重要影響事態」が一番使えないんじゃないかなと思ってる。

MC期日前氏: これが、そこアメリカの軍隊は別に。協力する必要がなく、あくまで民間船っていう立て付けの中でのとこなので、そうなるとこの「重要影響事態」ってとこは使えないということですね。

今野記者: そうだね。これはね、そもそも朝鮮有事とかを想定して作った「周辺事態法」から派生してできた法律だから、今回のような民間の船の防護、もしくは機雷が撒かれたかどうかはっきりしていないけど、仮に機雷掃海を依頼されても、これじゃできない。

今野記者: もう一つ「海上警備行動」。これは存立危機事態の集団的自衛権とは明白に違って、使えるのは「警察権」なんですよ。 どういうことかというと、そもそも自衛隊は軍隊じゃないから。元々の名前を思い出してください、皆さん。「警察予備隊」なんですよ。警察の予備隊として作ってるんですよ。朝鮮戦争の時に米軍が行っちゃったから、日本の中に全く米軍がいなくなっちゃったから。GHQが「また軍隊ないの困るよね」と突然、マッカーサーに憲法9条を作らせておいて、「やっぱりちょっと必要だ」といってアメリカのお古のミサイルとか戦車とか入れて作ったのが自衛隊の始まりですから。

そうなると、「警察権」ってのは、これはあくまで海上保安庁が対応するんだけど、海上保安庁では対応しきれない時。なんか不審船とか海賊とかさ、日本の周りに脅威があった時に「海上警備行動」っていうのを、総理の承認によって、防衛大臣が発令する。 すると自衛隊の護衛艦とか、いわゆる軍艦が警備活動ができるって話です。

これに関しては警察権なんで、基本的に機関銃とか正当防衛に、警察官と同じルールなんですよ。集団的自衛権の存立危機事態を認めてやるとミサイルでも何でも戦車でもあらゆるものを使えるんですけど。

MC期日前氏:だから「自分たちが先に」とかはできなくなるっていう。

今野記者: できないし、自分たちが先にというよりは「警察比例の原則」で、相手が機関銃ならこっちも機関銃。相手が機関銃なのにこっちはミサイルとはできないってこと。

だから自衛隊には2つの顔があって、防衛出動だったら軍隊として戦えるからもう何でもできるんだけど、警察権だとあくまで限られた武器の使用。それは相手と比例したもので、対象も違う。 自衛権を使うってことは防衛出動だから、憲法9条があるから「自衛隊は軍隊じゃない」と怒られるけど、はっきり言って国家の軍隊として戦えるんだけど。「警察権」で戦うってことは、あくまで海上保安庁は警察と同じ立て付けなんで、相手は不審船とかテロリストとか海賊とかの組織ですよ。

だから、高市総理や小泉進次郎防衛大臣が国会で「海上警備行動を使えない理由」として、「国や国に準ずる組織に対しては使えない」って言ってるじゃん。あそこだけ切り取って新聞に書いても、意味さっぱりわかんないじゃん。そういうのは「警察権」だから、相手がイランっていう国家だったり、革命防衛隊っていう「国に準ずる組織」だったら使えませんっていう、そういう説明をしてるんですよ。

だから海上警備行動はあくまで警察権だから、相手が海賊とかテロリストだったら、治安の維持っていう警察権として使えるじゃん。 だけど、相手がイランとか革命防衛隊だと、海上警備行動はそもそも使えないんです。あくまで警察権は国内の治安を守るためだから。

MC期日前氏:自衛隊員は同じ迷彩服を着てたとしても、軍隊ではないんですけどそういった行動ができる時と、警察として(動く時で)使える武器が違ったりする。

今野記者: 違う。だから、海上警備行動と防衛出動だけ抜き出したんですけど、そこ見てもらえばわかるんだけど、だから、海上警備行動の場合、警察権だから目的が「治安の維持」とか「人命・財産の保護」。防衛出動の場合には、(目的は)「外国からの武力攻撃を排除する」、戦争を仕掛けられた時の「排除する戦い」「反撃」ができる。 で、武器の使用も厳しく、正当防衛とか警告射撃とかしかできない。で、防衛出動だったら敵を倒すために必要な武器を使える。もう何でもいいですよ。持ってるアセットは何使ってでも反撃していいと。

MC期日前氏: いいとこですね。はい。

今野記者: ミサイルももう撃てるだけ撃っていい、っていうのが、ある意味防衛出動で。相手を殲滅するためにね。 相手はその、海上警備行動のように「国じゃない」から不審船とか海賊とかマフィアとか、そういう、いわゆるヤクザとかさ。だから本当、国内の警察と一緒です。防衛出動だったら外国の軍隊と戦えると。戦争できます。そういうことなんですよ。これ明白に違うんですよ。

MC期日前氏: うん。今色々ちょっとお話があったんですけど。そしたら、じゃ、今回もう3つとも全部「厳しい」っていう。

今野記者: 厳しい。だから僕さ、最初の話のように「新法を作るしかないかな」と思うし、僕が今取材してる防衛省の人たちもそういう認識だけど。

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選挙ドットコム編集部

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