
衆議院議員総選挙(以下、衆院選)は8日に投開票日を迎えます。解散から投票までの期間が戦後最短であることや、寒さや悪天候の予報が出ている地域があることなど、有権者にとって厳しい選挙になっています。そのような中だからこそ、選挙の際の「投票に行こう」という呼びかけも様々な形、内容で行われるようになってきています。
でも、1つの選挙区で十何万人と投票する中で「私の1票」はわざわざ投票に行くほどの価値、影響力をもっているのでしょうか。そんな疑問を持たれた方は、「1%」に着目して、あなたの1票の影響力について、確認してみませんか。
前回の衆院選において、当選者と次点となった候補者の票差が最も少ないのは和歌山県第1区の124票差でした。有権者数は39.5万人でしたので、有権者の0.03%程の差で勝敗が決しています。

図表1では、当選者と次点候補者の票数の差が当該選挙区の有権者数の1%に満たなかった小選挙区をまとめています。289ある小選挙区の内、29選挙区、割合にして10%ほどの選挙区において、その選挙区の有権者の1%以下の票差によって勝敗が決していることがわかります。
「でも、私が選挙権を持っているところでは、ずっと特定の人や特定の政党に所属する人が大差で勝っているみたい。やっぱり私の票には意味がない」と思う人もいるかもしれません。
そんな時は比例区にも目を向けてみてください。
比例代表選挙は、全国を11の選挙区に分けて、それぞれ当選者を決定しています。いずれの選挙区でも、最下位当選者と次点であった者の票差は有権者の1%未満となっています。また、最も票差が少なかったのは九州選挙区の218票で、5つの選挙区(北関東、東京、近畿、中国、九州)ではその選挙区の有権者の0.1%未満の票差となっています。
また、1%の動向で議席が失われたこともあります。
前々回衆院選(2021年)では、比例代表選挙において、政党として議席の権利を得たものの、有効な候補者を用意できずに他党に当選枠を譲るという現象が生じています。具体的には、東海選挙区において、れいわ新選組が得るはずであった議席を公明党が獲得しています。
この時、投票数による計算では、れいわ新選組が最後の1議席を得るはずでした。しかし、れいわ新選組は小選挙区選挙との重複立候補者のみを比例代表選挙に擁立しており、それぞれの候補者が候補としての条件(重複立候補の場合、小選挙区で有効投票数の1/10を確保しておく必要があります)を満たすことができずに、比例代表選挙には有効な候補者がいなくなりました。その結果、次点であった公明党(3議席目)に議席を譲ることになっています。
この時、れいわ新選組の上位であった候補者があと2179票、自身の選挙区の有権者の0.50%の票数を得ていれば、比例代表選挙において、れいわ新選組は議席を獲得することができていました。
比例代表での復活当選では、政党間の争いだけでなく、同一政党内での争いも生じます。この時に、あなたの1票が影響を与える可能性もあります。
例えば、南関東選挙区において自民党の最下位当選者であった者と次点であった者の惜敗率の差は0.227ポイントでした。仮に、次点であった者が小選挙区であと197票、当該選挙区の有権者の0.049%に相当する票を獲得していたら、自民党の中の比例代表の当選者が変わっていました。
最後に紹介する情報は1%ではなく、2%となってしまいますが、もう1つ。
明るい選挙推進協会が大型選挙のたびに実施している調査によって、およそ8割の人が自宅から投票所までの移動に要する時間が10分以内であったことが明らかになっています。仮に、投票に要する時間を10分とすると、有権者の8割の人は30分ほどでご自宅から投票所に移動し、投票してくることができることになります。
30分が1日に占める割合は2%ほどです。

ここまでに見てきたように、小選挙区だけでなく、比例代表選挙にも目を向けてみると、「1%」が結果に影響を及ぼしていることが確認できます。
もちろん、あなたの1票と有権者の1%は同数ではありませんが、あなたの1票には、思っているよりも大きな影響力があるかもしれません。
「1%の影響力」も踏まえて、投票に行くかどうかを考えてみませんか。
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