9月22日告示・10月4日投票が予定されている自由民主党の総裁選に、林芳正(はやし・よしまさ)氏が9月18日に正式に立候補を表明しました。このコラムでは、林氏のプロフィールや政策をまとめました。

林氏は1961年1月19日生まれ、山口県出身の64歳。
東京大学法学部卒業後、三井物産、山口合同ガスなどの民間企業勤務やハーバード大学ケネデイ行政大学院卒業を経て、父の林義郎衆院議員の政策秘書などを経て、1995年参議院議員選挙(山口県選挙区)で初当選を果たします。参議院に5期連続当選したのち、2021年に衆議院に鞍替えし、山口3区で2期連続当選しています。
現在は内閣官房長官を務めています。これまでも外務相や防衛相、農林水産相、文部科学相などの要職を歴任しました。
自民党総裁選には2012年、前回(2024年)に続いて三度目の挑戦となります。

林氏は9月16日に出馬の意向を表明しており、18日に会見を開いて立候補に至る考えや政策を正式に公表しました。以下、抜粋します。
・石破内閣の官房長官として政権を支えてきた。お支えしきれず、退任されることを非常に残念に、申し訳なく思っている。岸田政権、石破政権を官房長官として支えてきた。この流れを受け継ぎながら、さらにに新しいものを加えていきたい
・今年で国会議員になって30年になる。これまでの経験をフルに活かして日本のために働きたい
・誰もが夢と希望と誇りを持てる日本の未来を創造するために「林プラン」をつくった。3つの大きな柱で構成されている
・二つの政権にわたって取り組んできた成長戦略を実現し、景気対策もあわせて1%の実質賃金上昇の定着させる。デフレ脱却に取り組んできた。やっとデフレではない状況になり、賃金も上がってきたが、まだまだ物価上昇に負けない状況ではない。その先のゴールとして「実質賃金がプラスなのは当たり前」と言われる状況にしたい
・団塊ジュニア世代が後期高齢者となる2040年代に向けて、持続可能な社会保障と強靭な経済を構築していくための工程表を作っていく。
・党改革。ゼロからの再建を掲げ、2つの選挙そして都議会選挙でも敗北しました。党の再建をしっかりやらなくてはならない。
林氏は18日の会見で政策の詳細を以下の通りに語りました。
【経済・成長戦略】
・賃金の上昇:物価上昇をゆるやかなものにし、賃金を上げていくことが両輪で必要になってくる。この2年間で過去にないスピードで賃金上昇が進んでいるが、中小企業の皆さんにもきちんと賃金上昇できる状況を作ることがますます重要。省人化への投資の後押しや、儲けで原資をつくって賃金上昇につなげることに注力する
・中小企業の皆様には大胆な負担軽減を実施する
・関税交渉後に設けた相談窓口から寄せられる声にしっかり応え、支援策を実現する
・地方での起業・創業・事業承継をもっと活発にし、賃上げの原資にもつなげていきたい
・全体の景気を良くする成長戦略が大事。まずはGX。年内に戦略地域を選定することになっているので、これを中心に具体的な取り組みを推進。
・スタートアップ企業やグローバルニッチトップ企業への支援を強化する
・インパクト投資を後押しすると同時に、資金が回っていくように支える
・急増するデジタル赤字を減らすため、コンテンツの海外展開を後押しし、日本の産業を支援
・人材育成では、公教育が大事になってくる。AIに代替されにくい想像力やコミュニケーション能力を持った人材を育てる教育システムをさらに強化する
【地方創生】
・需要に応じたコメ生産による安定供給を確立。麦や大豆の生産も強化し、食料安全保障を強化する
・防災では、国土強靭化・事前防災をさらに進める。2026年度の防災庁設置に向けて推進強化する
・地方の知事から要望が多かった地方税の偏在是正にしっかり取り組みます
・「ふるさと住民登録制度」をさらに推進し、地方の関係人口増加につなげる
・人口減少によって行政サービス提供が難しくなっている地方での地域振興に郵便局ネットワークを活かすために、郵政民営化法を改正
【社会保障・福祉】
・この数年間、給付や減税を議論してきたが、「日本版ユニバーサルクレジット」を提案する。ヨーロッパの先進国を参考に、保険料と税負担の両方を把握してその世帯のライフステージに応じた支援を検討できる仕組み
・医療、介護、福祉人材の処遇改善
【外交・防衛】
・法の支配に基づく自由で開かれた世界を守る外交の徹底
・防衛力の抜本的強化と日米同盟の抑止力・対処力の強化をしっかりやっていきます。
【政治・行政改革】
・小選挙区制度が始まって30年が経つ。与野党で検証し、制度の議論を始めたいと思っています。私は中選挙区制度の良さを見直すべきではないかと考えております。
・現行の1府12省庁の見直しも考えていかなければなりません。
【憲法改正】
自民党の改憲4項目(自衛隊の明記、緊急事態条項、参議院の合区解消、教育無償化)について、国民の理解を促進し、国会での発議につなげます。
【党改革】
・ゼロからの再建、「#変われ自民党」
・まずは大胆な組織改革。広報本部の体制を強化。中堅と若手を登用する
・派閥が担ってきた教育機能や意見集約の場を、ブロックや期別の協議会などで活性化させたい
・「デジタル国民対話プラットフォーム」を作って、リアルタイムで国民の声を聞けるようにします。
・自民党の立ち位置を今一度明確にする必要がある。私は保守はイデオロギーではなく「姿勢」だと思っています。現実を踏まえながら、変えるべきところは変え、守るところは守るという姿勢です。この姿勢を次世代に引き継いでいくため、党綱領の見直しも検討していく
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