自民党総裁の石破茂総理が8月7日、辞任を表明しました。昨年の衆院選、今年の参院選で自公が過半数割れしたことを受け、総裁選の前倒しの是非を問うための議員投票が明日8日に予定されていた中で、急な辞意表明となりました。このコラムでは、石破総理が辞任表明会見で語ったこと、そしてこれまでの石破政権の振り返りを紹介します。
石破総理は7日午後6時から開いた会見で以下のことを語りました(要旨抜粋)。
・自由民主党総裁の職を辞することにいたしました
・国難とも言うべき米国関税措置に関する交渉は私たちの政権の責任において道筋をつける必要があると考えてまいりましたが、先週の金曜日、投資に関する日米了解覚書の署名が行われ、米国大統領令も発出されました。昨日帰国した赤澤大臣から報告を受け、私としても一つの区切りがついたと感じることができた
・かねてより私は地位に恋々とするものではない。やるべきことを為したのちに、しかるべきタイミングで決断すると申し上げてきた
・合わせて選挙結果の責任は総裁たる私にあると申し上げてきた
・米国関税措置に関する交渉に一つの区切りがついた今こそがそのしかるべきタイミングと考え、後進に道を譲る決断をした
・少数与党でも1年間ここまで務められたのは自民党、友党・公明党、国民の支えがあったからこそ。心から深く感謝
・党派を超えた合意形成、熟議の国会にふさわしい真摯で誠実な国会審議に精一杯努めてきた。できる限り自分の言葉で語るようにしてきた。各党、各会派にも感謝
・しかしながら、昨年9月に自由民主党総裁に選んでいただいた時の、多くの方々のご期待に応えることができたか。そのように自問する時、本当に忸怩たる想いがございます
・昨年末には政治改革法が成立いたしました。それでもなお、政治とカネの問題を始め、国民の皆様方の政治に対する不信を払しょくすることは未だにできておりません。このことは私にとって最大の心残りです。
・自由民主党はケジメをつけなければなりません。今さえよければいいと、自分さえよければいいという政党であっては決してなりません。寛容と包摂を旨とする保守政党であり、真の国民政党であらねばなりません。
・自民党が信頼を失うことになれば、日本の政治が安易なポピュリズムに陥ることになってしまうのではないか、その危惧を強めております。
・私としては、まだやり遂げなければならないことがあるという想いもある中、身を引く苦渋の決断をした。それは、このまま党則第6条第4項に基づく臨時総裁選要求の意思確認に進んでは、党内に決定的な分断を生みかねないと考えたからです。それは私の本意ではない
・古い自民党のままで、何も変わっていないと国民の皆様から見られるようでは党の明日はございません。真の意味での解党的な出直しを成し遂げなければなりません。本日をその一歩に
石破氏が総裁に選出されたのは昨年9月。2023年末以降の派閥を巡る政治資金問題で自民党が揺れる中で行われた2024年9月の総裁選には史上最多の9人が立候補。決選投票を経て、5回目の挑戦だった石破氏が自民党総裁に初めて選抜され、2024年10月1日に第102代内閣総理大臣に就任しました。
これまで約340日あまりの任期中は波乱続きでした。
総理就任から半月後には解散総選挙に踏み切りますが、結果は15年ぶりの自公過半数割れに。政治資金問題で一部の議員を非公認としながら、非公認候補者が代表の政党支部に2000万円を支給していたことも問題視されました。
そして、6月22日の東京都議会議員選挙では自民党が過去最低議席で大敗、7月20日投開票の参院選でも自公過半数割れとなり、衆院選からの「三連敗」となりました。
波乱の幕開けとなった石破内閣の支持率は、選挙ドットコムとJX通信社が毎月行っている定例意識調査では、過去よりも低水準で上下動していきました。
電話調査では、昨年12月に支持が不支持を下回りました。臨時国会で交わされていた「103万円の壁」議論の動向などが影響したものとみられ、特に経済政策で若年層から評価されていない傾向も指摘されていました。
そして、今年3月には支持率が大幅下落。通常国会で審議されていた高額療養費制度を巡る方針転換や、石破総理が党内の1期生との会合で10万円商品券を配っていた問題の2つが大きく影響したと考えられ、それ以降も3~4割を推移してきました。

一方、ネット調査では不支持が伸び、支持率が下がる傾向が続いていました。

総理総裁の辞任によって、次の総裁選が実施されることとなりますが、石破総理は7日の会見の場で、次の総裁選には出馬しない考えも明らかにしました。今後のポイントは総裁選の実施形式を党員投票を伴ういわゆる「フルスペック」の形にするのか否か、そして解散総選挙の有無です。
自民党内での「ケジメ」が一定つこうとしている中で、次の動きからもまだまだ目が離せません。
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