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教皇選挙(コンクラーベ)とは?仕組み・日程・注目ポイントを5分で解説!【白と黒の煙の意味】※結果追記版※

2025/5/7

選挙ドットコム編集部

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フランシスコ教皇の死去に伴い、カトリック教会のトップを決めるための特別な選挙「Conclave(コンクラーベ、教皇選挙)」が始まります。ここでは、教皇選挙の仕組みを誰でもわかるようにまとめました。

(2025年5月13日に結果を追記しました)

そもそも、ローマ教皇ってどんな人?

ローマ教皇は、約14億人の信者を持つカトリック教会の最高の指導者です。バチカン市国という小さな独立国の元首でもあり、世界中のカトリック教会を精神的なリーダーとして導く、非常に重要な役割を担っています。信者にとって教皇は、イエス・キリストの使徒で初代教皇とされる聖ペトロの後継者とされ、神の教えを伝える特別な権威を持つ存在として尊敬されています。

教皇選挙は誰が投票する?どこで行われる?

この重要な選挙に参加できるのは、教皇によって任命された世界中のカトリック教会の重要な地位にある聖職者たち「枢機卿(すうききょう)」です。教皇選挙は、投票用紙を使った「秘密投票」で行われ、枢機卿たちは自分が新しい教皇にふさわしいと思う枢機卿の名前を書いて投票します。ただし、教皇は激務をこなす必要があることなどから80歳を超えている枢機卿には選挙権がなく、今回は133人が選挙に臨む見通しです。

選挙は、バチカン市国にある「システィーナ礼拝堂」で行われます。ミケランジェロの「最後の審判」が描かれている場所としても有名な場所です。外部との接触は厳しく制限され、枢機卿たちは礼拝堂に閉じこもって、新しい教皇が決まるまで外部に出ることはできません。さらに、携帯やパソコン、新聞やテレビを通じて外部の情報に触れることも禁じられます。まるで外界から遮断された『密室』の中で新たなトップが選出されるのです。

新しい教皇はどうやって決まるの?

新しい教皇の選出には投票数の3分の2以上の賛成が必要で、得票者が出るまで繰り返されます。

カトリック中央協議会の公式サイトに掲載されている教皇選挙の規定によると、投票は初日午後に1回行われ、この投票で決まらなければ続く2日に、午前・午後2回ずつ行うことができます。

さらに、3日間の投票で決まらない場合も細かく規定されており、最大1日の祈りの期間をおいてから、同じ手順で選挙をし、7回の投票をしても決まらなければまた1日おいて7回行います。それでも決まらない場合、また1日おいて7回行われます。それでも決まらなければ、1日の祈り、考察、対話の期間をおいてから、前回の投票における上位2人の得票者について決選投票を行い、投票総数の3分の2以上の得票を得た人が選出されたこととなります。なお、この2人は決選投票には加わりません。

選挙は教皇が選出され、被選出者が教皇となることを同意したときに終了します。外部への第一報はシスティーナ礼拝堂の煙突から伝えられます。投票で決まらなかった場合は煙突から黒い煙が上がりますが、新しい教皇が選ばれると白い煙が上がることになっているのです。

3分の2以上の得票者が現れるまで繰り返される選挙期間は状況によって大きく異なり、1503年の選挙はわずか10時間以内に決まった一方、1268年には選出まで3年かかったというケースもありました。近年では、数日以内に選出されることが一般的になっています。

まとめ

最後に、教皇選挙(コンクラーベ)の特徴を3点にまとめます。

・新しい教皇は世界中のカトリック教会のリーダー「枢機卿」から秘密投票によって選ばれる
・3分の2を得票する候補が出るまで何度も繰り返しおこなわれる
・選挙の結果は、礼拝堂の煙突からの煙の色で知らされる

「コンクラーベ」とはラテン語で、「クム(ともに、一緒に、の意味)」と「クラービス(鍵の意味)」をを一体にした言葉です。「鍵とともに」、つまり鍵のかかった部屋で外部からの影響を受けずに新しい教皇を選ぶという強い決意が込められています。

各メディアの報道によると、フランシスコ教皇が進めてきた同性カップルへの祝福や女性の要職起用などの改革路線が引き継がれるのか、それとも厳格な教義を守るべきという保守派に転換するかが争点になっているといいます。

日本でも公開中の映画「教皇選挙」では選挙期間中の多数派工作や切り崩しなど、どこの選挙現場でも行われる人間的なやり取りが丁寧に描かれて話題になっています。コンクラーベは、カトリック教会にとって非常に重要な儀式です。閉ざされた空間で、枢機卿たちが祈りと熟慮を重ね、新しいリーダーを選ぶ様子は、私たちに何か特別なものを感じさせてくれます。選挙の行方、ぜひ皆さんもご注目ください!

新教皇は初の北米出身の「レオ14世」に決定(5月13日追記)

今回の教皇選挙は2日目にあたる5月8日午後に行われた4回目の投票で、ロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が選出されました。第267代目のローマ教皇「レオ14世」となります。

レオ14世は、シカゴ(アメリカ合衆国イリノイ州)生まれの69歳。史上初の北アメリカ大陸出身の教皇となります。前教皇庁司教省長官、チクラヨ(ペルー)名誉大司教で、教皇庁において長年にわたり様々な要職を歴任してきました。

選出後の挨拶では、イタリア語とスペイン語を織り交ぜながら「わたしたちは、どうすれば宣教的な教会になることができるかを探求しなければなりません。教会は、橋をかけ、対話しなければなりません。腕を広げたこの広場のように、人々を受け入れるために常に開かれていなければなりません」(カトリック中央協議会公式サイトより引用)と世界中に語りかけました。前・教皇フランシスコが進めたカトリック教会の改革の継続を支持していると言われていますが、今後のかじ取りに注目が集まります。

5月18日午前10時(日本時間では同日午後5時)からバチカン市国内のサンピエトロ広場で就任ミサが行われる予定です。一部報道によると、政府は自民党最高顧問の麻生太郎衆院議員を派遣する方向で調整しているとのことです。


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2023年に年間1億PVを突破した国内最大級の政治・選挙ポータルサイト「選挙ドットコム」を運営しています。元地方議員、元選挙プランナー、大手メディアのニュースサイト制作・編集、地方選挙に関する専門紙記者など様々な経験を持つ『選挙好き』な変わった人々が、『選挙をもっとオモシロク』を合言葉に、選挙や政治家に関連するニュース、コラム、インタビューなど、様々なコンテンツを発信していきます。

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