自民党総裁選が終わり、10月1日の臨時国会で石破茂氏が新しい総理大臣に選出されました。
石破総理は総理就任前の9月30日に「10月27日に解散総選挙を行う」と表明して話題となりましたが、10月1日夜に開いた就任記者会見で10月9日に衆議院を解散し、衆院選は10月15日公示、27日投開票のスケジュールで行う方針を正式に表明しました。
解散からは何日間で選挙が行われるのでしょうか?憲法および法律で決められた流れを解説します。
国会には衆議院と参議院があります。衆議院と参議院の大きな違いは「解散できるかどうか」です。参議院に解散がないのに対し、衆議院は解散が可能です。
衆議院議員の任期は4年と定められています。しかし実際には任期満了を迎えることはめずらしく、任期中に解散されることがほとんどです。
歴史を遡っても日本国憲法下において、任期満了で総選挙が行われたのは1976年の1度だけ。
多くの場合、衆議院は任期満了を迎える前に解散されていることがわかります。
衆議院を解散すると、全ての衆議院議員がその地位を失い、衆院選後に召集される国会の際に内閣も総辞職することになります。
これは、内閣を作る流れが
というようになっているためです。
つまり、衆議院を解散することで、衆議院議員のリセットを行うだけではなく、日本の行政を司る内閣を一新することにもなるのです。
では、衆議院の解散はどのように規定されているのでしょうか。憲法では7条と69条に規定があります。
日本国憲法第7条3号には、衆議院の解散は、内閣の助言と承認により天皇が行う国事行為のひとつと定められています。
天皇が行う国事行為と言っても、実施するには内閣の助言と承認が必要であることから、事実上内閣のトップである内閣総理大臣が衆議院を解散する権限をもつという法解釈が一般的です。
一方の69条では、「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」とあります。
ただ、与党が議席の過半数を持っている状況で不信任案が可決されることはほとんどなく、憲法69条による解散はこれまで4回しか行われていません。
石破総理は以前から、「7条解散」には否定的な見方を示していたとして野党側からは反発する声が上がっています。石破総理は1日の会見で今回の解散の大義を問われた際、「今回、不信任が可決されたわけでも、信任案が否決をされたわけでもございませんが、新しい内閣というものが発足をいたしました。新しい内閣について国民の皆様方の信を問うということは、憲法(69条)の趣旨からも沿うこと」と説明し、「69条解散」の趣旨には合うと主張しました。
それでは、解散後はどのような流れで選挙が行われるのでしょうか。
衆議院の解散が行われると、すべての衆議院議員が議員としての資格を失います。
衆議院議員を選び直すために行われるのが衆議院議員総選挙(以下、総選挙)です。
公職選挙法第31条3項では、解散から40日以内に総選挙を行うことが定められています。
総選挙で私たちが選ぶ衆議院議員は、内閣総理大臣を指名する立場にある人たちです。
つまり、総選挙で衆議院議員を選ぶことは、内閣総理大臣を選ぶことにもつながっているのです。
総選挙は日本のリーダーを決めるための、非常に重要な選挙といえるでしょう。
公職選挙法第31条4項では「総選挙の期日は、少なくとも12日前には公示しなければならない」と定められています。
このように解散後の日程は、非常に細かく決められているため、解散が行われるとすぐに選挙に向けての準備が始まるのです。
ちなみに、衆議院議員の任期満了の直前に解散・総選挙が行われた場合、投開票日が任期満了日を過ぎてしまうこともあります。
2024年の衆院選をめぐっては総裁選の後に行われるとの観測があった中で最も早い時期の解散となりました。各政党や政治団体等も続々と本格的な選挙態勢に突入しているようです。
今後も選挙ドットコムは、衆院選2024についてのコラムや情報を発信していくのでぜひご覧ください。
(執筆協力:Ricca)
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