茨城県つくば市出身、在住の星田こうじ氏。
つくば市議会議員だった父をがんで亡くしたことをきっかけに、同じくつくば市議会議員として政治の道を歩み始めます。
以来20年、市議会議員、そして県議会議員として、県全体を見ながらもつくば市の発展を一番に目指してきた星田氏。
これまでの経験を踏まえて、これからどのようなつくば市を目指していくのか、今後の展望を伺いました。
選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
政治家になろうと思ったきっかけを教えてください。
星田こうじ氏(以下、星田氏):
つくば市議会議員として3期11年勤めていた私の父が、3期目最後の年にがんで亡くなったことが大きなきっかけです。
当時私は30歳で、兄が代表を務める会社の役員でしたが、父の後援会の方々より「父が出馬できないケースも考えておくべき」などお話もいただき、父が亡くなるまでの約1年半の間、自分の人生や、自分は何ができるのかを考えました。
父の後援会の皆さんにも相談する中で、一人でも反対が出たら立候補はやめようと思っていました。しかし皆さんが口々に「やってみろ」と、快く背中を押してくださったんです。
「こんな風に支えていただき、期待をかけてくださるなら、地域の方たちへの恩返しのためにやるべきだ!」と覚悟を決め、地域の皆さんや父の思いを胸に、立候補を決意しました。
編集部:
印象に残っている取り組みはありますか?
星田氏:
そうですね。中でも印象に残っている取り組みは2つあります。
「がん対策」と「地域の安全対策」です。
一つ目が、市議会議員として最初に取り組んだ「がん対策」です。
私は、父だけでなく母もがんで亡くしています。その経験から「もっと知識があれば何かできたんじゃないか」「行政でも支援ができるんじゃないか」という思いが生まれ、様々な条例を策定してきました。
例えば、市内の小・中・高校生を対象に行う「がん教育」。
子どもの頃から定期的に教育現場で教えることによって、がんの知識のある方を県内に増やしていくことが目標です。
すぐに効果が出るものではありませんが、教育を受けた子どもたちが大人になる10年、20年先を見据えて、地道に活動を続けています。
また、抗がん剤治療の深刻な副作用の一つに「脱毛」があります。
特に女性にとってはデリケートな問題で、私の母のがん治療時にも一緒にウィッグを買いに行った経験があります。
そんな母の姿を見て、行政で応援する仕組みを作れないかと思い、がん患者のウィッグ購入に対して2万円を助成する制度も創設しました。
現在では認知も進み、当初は約50名分しかなかった予算が約800名分まで増やせています。
他にも、抗がん剤治療によって精子や卵子に影響があって子どもが産めなくなってしまう方も多いので、子どもを望む方のための精子・卵子を凍結保存するための制度も9年前に創設しました。
がんに関する条例を策定するにあたっては、私の想いだけで推し進めるのではなく、プロジェクトチームをつくり、年間30回以上も会議を重ね、本当に必要かどうかも含め議論しています。
がん患者を行政が応援している姿勢を見せる上でも、具体的な政策ができたことを嬉しく思います。
そして二つ目、県議会議員時代には「地域の安全対策」にも力を入れてきました。
通学路の調査特別委員会で2年前から毎年実施しているプログラムで、県内各地の各小中学校から通学路における改善点を3件ずつ出してもらい、それを精査し解決していく仕組みの構築です。
予算の都合や設置の要件などもあるため、全ての要望を改善できているわけではありませんが、
歩道整備や危険個所への信号機の設置など、県内で毎年約30件ほどは改善できており、さらに予算を増やす活動も実施しています。
通学路の危険箇所は、地域にとっての危険箇所でもあるため、老若男女問わず、地域の皆さんの命と生活を守り抜くために全力で取り組んできました。
編集部:
他にも、これまでの実績や経歴、強みを教えてください。
星田氏:
私の強みは「政策力」と「ネットワーク」です。
市議会議員として2期6年、県議会議員として約14年、計20年間。これまで徹底した現場主義で、各地域の行事やイベントに足を運び、地域の皆さんと直接対話することを大事にしてきました。
活動を通じて培われてきた国、県、市町村との人的ネットワークを駆使し、連携をしながら、つくば発展のための取り組みを展開したいと考えています。
政策力については、県議会議員時代に政策条例の提案者代表も務めながら、「がん対策」以外にも「性暴力根絶についての条例」、「ボランティア支援条例」、「小規模企業振興条例」、「AED条例」など、数多くの条例作成に携わっています。
編集部:
キャッチコピー「チームつくばで市政再起動」に込めた想いを教えてください。
星田氏:
つくば市は、多くの研究機関や教育施設が立地する日本有数の学術都市で、つくばエクスプレスが開通したことで都心へのアクセスも良好です。
教育レベルが高い街として、ICTを活用した教育や、先進的な取り組みを進める学術機関や研究機関も多く、ナショナルスクールもあります。
日本百名山の筑波山を擁しており、観光地としての魅力も大きい。そんなこの町の特長を、「つくばブランド」として発信しています。
つくば市は現状、幸いなことに人口が増えていますが、その可能性を十分に活かしきれていません。
市民、市議会、市職員、そして市長が一丸となり、活力みなぎるつくばを皆さんと共に創っていきたいという思いがあります。
編集部:
つくば市の可能性を活かすため、どのように活動していきたいですか?
星田氏:
今後は主に3つのことに力を入れたいと考えています。
1.国内外の優良企業誘致の推進
2.つくば市への観光客数年間500万人の実現
3.財政の健全化
一つずつ解説します。
1.国内外の優良企業誘致の推進
つくば市では、近年、物流倉庫がとても目立つようになりました。
近隣市の動向をチェックしてみると、つくばみらい市では県と連携して工業団地を造成し、日清食品などの企業誘致を実現していますし、下妻市でも世界的化粧品メーカーのエスティ― ローダーのアジア拠点が誘致されました。
物流倉庫が増えて雇用が生まれることは喜ばしいことですが、つくばのブランド力を活かし、県政と連携を図れば、国内外の魅力ある企業をさらに誘致することができるはずです。
世界最大手の半導体受託生産企業であるTSMCが第3工場建設候補地を探していますが、実はつくば市内に既に研究機関が設置されています。
2.つくば市への観光客数年間500万人の実現
コロナ禍前は年間約430万人まで増えてきていたつくば市への観光客数ですが、現在は400万人程度まで減少しています。
筑波山をはじめとする観光資源を十分に活かすと共に、つくばブランドの一つでもある研究機関を観光コンテンツとして醸成していき、市内を周遊していただくための魅力づくりを進めていきたいです。
常総市にある「道の駅常総」や石岡市にある「いばらきフラワーパーク」など近隣市の観光拠点、そしてつくば市の筑波山も含めた周遊観光ルートを確立するなど、県や周辺自治体との連携も必須です。
広域観光エリアとして観光客を呼び込み、地元企業や飲食店などの収入増にもつなげていきたいと考えています。
3.財政の健全化
「財政健全化」も喫緊の課題です。
つくば市の将来負担比率が令和4~5年度にかけて実に4倍に増え、実質公債比率も上がっており、市の財政が悪化していることが読み取れます。
ふるさと納税についても、令和4年度には流出額が10億円を超え、これ以上増えないよう対策が必要です。
県内には年間99億円ものふるさと納税額を集める自治体もあるので、アドバイスをいただきながら問題解決につなげていきたいと考えています。
また国内外に「つくばブランド」を売り込み、ネーミングライツなども活用して収入を増やすなど、あらゆる手段での財政健全化が急務です。
編集部:
ありがとうございます。
リフレッシュの仕方など、プライベートについても教えてください。
星田氏:
私は、野球やサッカー、大学ラグビーなどのスポーツ観戦が好きです。
私の息子が高校球児なので、土日に時間がある時は息子の練習試合の応援にも行っています。
息子とはたまにプロ野球のスタジアム観戦に行ったりもしますね。
野球に限らずどのスポーツも好きですが、やはり生で見る試合は迫力が違うんです。
とても良い気分転換になっていますね。
編集部:
最後に、皆さんに伝えたいメッセージをお願いします。
星田氏:
約20年間、つくば市議会議員・茨城県議会議員として地域と共に歩んで参りました。
これまで地域で培ってきた経験や幅広いネットワークがあること、地域の抱える課題や現状を既に知っていることは、大きな強みと言えるでしょう。
私自身もつくば市出身、在住民として、これからも地域の皆さんと同じ思いで、同じ方向を向いて、これからも課題解決に向けて歩んで参ります。
>>星田こうじ氏のプロフィールはこちら
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