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2024年7月14日に公開された動画のテーマは「次期衆院選 政権奪還へのビジョンは?」
まずは与党を過半数割れにし、「意地でも、時折政権交代が起こる国にしたい」と訴える野田佳彦元総理。政権を奪還するために、野党が共通で持てる「本気の政治改革案」とは?
【このトピックのポイント】
野田氏のプロフィールは以下の通りです。
野田氏は早稲田大学卒業後に、松下政経塾に入塾。
千葉県議会議員を経て、1993年に衆院選に出馬し初当選。
民主党政権時代には、最後の総理大臣を務めました。
今まで、日本新党、新進党、民主党、民進党、立憲民主党に所属し、長く野党の顔として活躍。
「離党したことはなく、政党が消えたり、合併したりした……」と苦笑する野田氏は「常に自民党には行かないことを決意してきた」と語ります。
その理由を「星野仙一は、ジャイアンツに行かなかったから、星野でしょ」と解説。
野田氏は「ライバルを作ろう!ライバルを倒そう!というのが私がずっと願っていることです」と力説した。
今回は以下の質問からいくつかピックアップして野田氏に回答していただきました。
立憲民主党が泉代表になってから、一時期「中道保守」「保守」「保守本流」というメッセージが強調されるようになったが、最近ではその言葉が聞かなくなったと指摘するMC西田亮介。
MC西田亮介「立憲民主党はリベラルを標榜されているのか、大きなビジョンは?」
自身を「どちらかといえばライト担当」と語る野田氏は、立憲民主党に対し、「全体は中道でいいと思うんです。ど真ん中でね」と語ります。
野田佳彦氏「中道の中で、例えば左側とお付き合いのできる方もいる。右側にいる、維新とか国民(民主)とか、あるいは自民党の中の穏健な保守を視野においてお付き合いできる人たちもいる。そういうチームが私は望ましいと思っていて、それぞれの役割分担を果たせばいい」
MC西田は、最近の立憲民主党議員の離党で、ライト担当がいなくなり、党内にコミュニケーション不全が生じているのではないかと疑問を呈します。
それに対し野田氏は、「世の中がより右に行っている分、自分たちがライトだと思っていても真ん中になっていることがあるかもしれない」と応じます。
MC西田「ライト担当がいなくなって……自民党に行っちゃう。誰とは言えないけれど、いろんなところに」
野田氏「だから、保守の政治で行こうと思ったんですよ。みんなジャイアンツに行っちゃうんですよ、張本とか落合みたいに。そらいかんだろうと。残っているライトを守れるメンバーはがんばらないといけないんでしょうね」
「私は意地でも、時折政権交代が起こる国にしたいと思っています」ときっぱりと言い切る野田氏。
「野田さんも自民党に行って、また政策を作りたいと思いませんか?」との問いにも「ならないんですよ。入らないと決めて政治家になったもんですから」と笑います。
野田氏「ですからね、自民党の単独過半数割れに追い込むと。これが現実的に政治を変えることになるだろうと思います」
野党が協調しながら一対一の構図を作り、自民党の単独過半数割れに追い込んだ先には、「いろんな合従連衡がある」と見据えます。
野田氏「ベースをもっと右側の人たちと組むやりかた、自民党を割らせて穏健な保守と組むやり方もあるでしょ?」
MC西田「それが一番現実的にも見えます」
野田氏「サウスポー、リベラル側とお付き合いする人もいて、いろんな知見のある、厚みのある作りにしないと。単独過半数割れのあとの政権で、いろんな頭の体操ができるようにしないといけない」
こうしたメッセージが党内から打ち出されないのはなぜでしょうか。
野田氏「党内にも考えとしてけっこういるんじゃないですかね……?ベテランなら小沢先生とか考えていると思う」
しかし、なぜかこうしたニュースが出てしまうと紹介されたのが、小沢氏の最近の発言。
多様性の実現の前にはいろいろな問題がありそうです。
野田氏も「余計なこと言っちゃった」と苦笑します。
MC西田「政権奪還へのビジョン、戦略、戦術さまざま……政策や柱になるものは?」
野田氏は、個人的に井手英策教授の「ベーシックサービス」に強く共感していると語りますが、野党で連携するには「やっぱり政治改革」と言い切ります。
野田氏「本気の政治改革案を野党で共有して、これを飲めと自民党に迫る。そういう信の問い方に持っていきたい」
政治改革と、選択的夫婦別姓のように共通してすぐやらなければならないテーマが見つかっている。早く政治を正さなければ日本はよくならないと訴えます。
もし次期衆院選で野党が政権を奪取できた場合、ねじれ国会となります。
野田氏は、自民党とも協議をし、「飲まなかったらまた来年参議院議員選挙で問う」と迫るべきだと語ります。
MC西田氏は、やんちゃな次男(日本維新の会)が独自案、抜け駆けをするなど野党の中でもまとまることができない中、他党を含めたコミュニケーション、作業を始めているかと問いかけます。
野田氏は「まだ作業は具体的にやっていないと思う」としながらも、政策活動費のように、各党の状況を見ながら合意できるテーマを探っていけばよいと説明します。
今回の政治資金規正法の改正については、「改革に値しない」と言い切る野田氏。
野田氏「企業団体献金、政治資金パーティ、それから政策活動費、これが大玉じゃないですか。外部監査の件とか進んだところもあるが、大玉が入っていないので改革に値しない。1993年〜1994年の国会の時には、企業団体献金は廃止になったのに、ずっとだらだら残してきた話でしょ。これをきちっとやるということです」
政治資金パーティの代わりに「個人献金の拡充ですよ。そのための税制改正」と訴え、党での見解でもあると説明します。
MC西田氏も「直近の国会でも政治とカネの問題が重要視された。そこを足がかりにしていくのは合理的ですよね」と頷きます。
野田氏は、定額減税や、8月からの電気ガス代の軽減など、直近の政策を「信なくば立たず」と批判し、こういった状況を早く解決しなければならないと締めくくります。
番組ディレクター「自民党総裁選についてぜひ、ご意見を……」
「こればっかりは他党でね、どなたが出てくるかわかりませんが……」と言葉を濁す野田氏ですが、「自民党が考える勝ちパターン」になりつつあるとの認識を示します。
野田氏「選挙を考えれば、岸田さんのままのほうが、やっぱり……菅さんが評判悪くなってすぐ岸田さんになって、岸田さんで総理になって選挙をやって、(我々が)厳しかったですよね。同じように、トップを変えて誰かですぐっていうのが自民党の勝ちパターンだと彼らは思っているので。どなたもそういう意味では強敵になると思います」
とはいえ、戦うしかないというメッセージも強く示します。
野田氏「政治の信頼を失ったままの今回の政治資金規正法では、彼らはみんな同じ穴の狢ですから。そこのリーダーは表紙を変えたって、自民党は自民党だということで戦うしかないと思います」
野田元総理が激白!政権奪還、野党が共有できる争点はやはり「政治改革」
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