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2024年5月19日に公開された動画のテーマは「6月解散で新興政党はどこまで伸びる?」
「6月に衆議院解散があったら」を想定して、最新議席予測を紹介するシリーズ。3日目は、れいわ新選組・参政党・日本保守党など、新興政党の議席予測をお届けします。引き続き、選挙プランナー・松田馨さんのキレ味すぐれた予測にご注目ください!
【このトピックのポイント】
トークは、2024年2月の中旬、下旬のさまざまな数値を元にした、3月時点での議席予測の確認から始まります。
れいわ新選組は6議席(+3)と躍進。「各社の支持政党、比例投票先の数値を見ても堅い支持がある。しかし、6議席確保できるかは、正直、候補者の擁立次第」との見立てです。
MC鈴木邦和「6(議席)というのは比例ブロックでの……」
松田馨氏「全部比例です」
小選挙区での立候補がある程度必要かどうかについては、定数が多い近畿、南関東、東海、北関東、東京、九州など、19〜28の比例ブロックでしっかり候補者を立て、比例の活動をすれば上積みも期待できると語ります。
松田氏「れいわの支持率。地方議員も増やしていますから、足腰から考えると6くらい狙えるんじゃないかな」
新興政党の中でも、れいわ新選組が成功している秘訣は。
れいわ新選組は、2019年の参院選で初めて、国政政党となる議席を獲得しました。「活動を継続しているところが成功の秘訣だ」といいます。
松田氏「新興政党は党運営がなかなかうまくいかなくて、次の国政選挙、地方選で政党を維持できない。れいわは、5年継続して活動し続けています。長く活動すれば党の知名度も上がりますし、代表の山本太郎さんのキャラクターとインパクトも含めて、知名度をもったまま存在し続けているというところが大きい」
政権批判をしていく中で、政策的にも立憲や共産と違う軸を打ち出しているので、特定の支持層を確実に取っているところも強さの秘訣だと語ります。
松田氏「選挙も丁寧ですしね。ボランティアの組織も含めて」
他方、参政党は2022年の参院選で初めて議席を獲得しました。2019年にれいわとN国の2つが全国比例で、国政政党の要件を満たしたのを見て、3年後に国政政党になりました。
参政党は、れいわやN国より速いペースで全国に地方議員を増やし、今回の衆院選での候補者でも、3桁に迫る人数を擁立しているのが目を引きます。
党運営ではボードメンバーの脱退などトラブルがあるものの、神谷宗幣代表のリーダーシップやボランティアの熱心な活動が結果を生んでいると、松田氏は解説します。
松田氏「DIY(自分たちで作る政党)というコンセプトの中で、残っている支持者が洗練されてきている。毎回の選挙ごとにレベルアップしている」
東京15区では存在感がなかったものの、得票率5%は超えました。松田氏は、比例で2議席となっているが、最大で5議席狙える可能性があると注目。
小選挙区で供託金を没収されることがあるかもしれないが、比例の得票を増やす効果もあるため、参政党がしっかり計算して、候補者の擁立をしていけば、5議席ぐらい獲得できる可能性はあるというとの予測です。
松田氏「比例ブロックというのは、ブロックごとに定数が違う。近畿や南関東、東海、九州、東京、北関東あたりは、議席数が非常に多いところ。定数20ということは、雑な計算だが5%獲得すれば、1議席獲得となる」
このように、都市圏の比例ブロックを中心に戦うことが予想される両党は、主戦場が重なってきます。しかも、比例で戦いたいのはこの2党だけではありません。
MC鈴木「れいわが獲得できるブロックと、参政党が獲得できるブロックはかなり似通っている」
松田氏「似通っている。ここに日本保守党がどのように擁立してくるか」
東京15区の結果を見ると、日本保守党に可能性を感じるというMC鈴木に、「参議院だったら簡単なんですが、衆院は難しい」と濁す松田氏。
松田氏「(日本保守党は)比例復活ができない中で、候補者を立てなければいけない。負けることがわかっている小選挙区にどのくらい候補者を立てられるか。1人あたりの300万円の供託金、比例単独では600万円ですよ。それだけの候補者を擁立して、かつ(議席が)取れそうなブロックで組織的に候補者を立てられるのか」
国政政党でない日本保守党に考えられる勝ち筋として、松田氏は、東海ブロックで一定の候補者を擁立し、1議席獲得することを示します。
松田氏「名古屋の河村たかしさん(名古屋市長)が小選挙区で1、東海ブロックで1、合わせて2議席は見えてくる」
日本保守党は、先日の衆院補選東京15区でも立派な得票率を上げたと2人は振り返ります。
松田氏「ネットだけではなく実際に票は出るということのインパクトはかなりあった。すごい集まっている人にひとりも江東区民がいなくても、票は出る」
松田氏は東京15区の結果を「(保守党の皆さんにとっては満足いかないようでも)ネットだけのムーブメントではないことは、我々からするとすごい」とたたえます。
松田氏「普通の選挙の常識で考えればステップを踏んでいくしかない。どれだけちゃんと衆議院のややこしい制度を含めてしっかり理解して、計算を立てて、組織的に候補者を擁立できるかどうかで、保守党の議席は大きく変わっていくと思います」
参政党もれいわ、N国も、参議院選挙で参議院選挙でまず政党要件を満たしたことがひとつのアドバンテージになったと指摘します。
MC鈴木「それで衆院選にチャレンジするための条件、比例代表並立制を生かせるような環境になっている。いきなり最初の国政選挙が衆院選となると、政党要件を持っていない政治団体にとってはよりハードルが高いということですね」
小選挙区での選挙運動の仕組みは、候補者による選挙運動と、候補者届け出政党の選挙運動のふたつ。無所属だと後者ができません。
松田氏「なので、ちゃんと国政政党になる。そのことで一番差がつくのが衆議院選挙。N国やれいわはしっかり選挙制度を理解した上で、計算してやっている。日本保守党はその辺がわかってないのかな?タイミングもあったと思うのですが」
資金面の問題も重要です。
松田氏「比例10人立てたら6000万円ですよ。全国で一定議席を立てようとすると、供託金だけで億単位のお金が必要になってくる。なかなかハードルも高くて、準備も手続きもたいへんなんですよ。事務方を含めて、政党として体力体制が作れるのかどうか」
松田氏は、河村氏が減税日本という地域政党を運営したノウハウを、事務方の体制を含め、党としてちゃんとやっていけるかが課題だと述べます。
ここまで、れいわ・参政党・日本保守党という躍進が予想される新興政党について見ていきました。新興政党が台頭したしわ寄せが向かう政党は。
松田氏「3つの新興政党が定数の多い比例ブロックで1議席をかすめ取っていくと、公明党や共産党があおりを食らっていく。競り合ってきて、蹴飛ばされて1議席減ってくるとか。ブロックによるが、最後の1議席を取られてしまう現象が起きるのではないか」
無所属は5議席(-5)。この時の-5は、2021年の衆院選で無所属の当選者が10人いたということです。米山隆一氏(無所属→立憲)や細野豪志氏(無所属→自民)のように、無所属で当選した後、各党に所属することによる減が含まれます。
松田氏「無所属のかたは選挙に強いかた。もともとどこかの党に所属し、キャリアを積んで選挙が強い」
大勢に影響はしないが、総選挙となると所属が変わることもあるだろうと予測します。
というのも、今回はベテラン議員の無所属での出馬が予想されるからです。例えば……
MC鈴木「無所属でいうと塩谷立さんは……」
松田氏「まあ勝てないでしょうねえ。前回の小選挙区での票数を考えても。厳しくなるでしょうね」
松田氏は、本人の心情に理解を示しながらも、自らなりたくてなった、「派閥という、党本部から離れた独自の組織の中でいちばん責任を取るべき立場で、全く責任を取ろうとしているように見えない」と批判します。
松田氏は、塩谷氏に限らず、今回、党から処分を受けて無所属で出馬するかたがたは、「説明責任を問われる点で、逆風の選挙になるだろう」と予測します。
最後に、改めて6月解散の可能性について伺いました。
松田氏「自民党にとって厳しい状況の中、無理矢理解散をしたら、という議席予測。状況が変わらなければ、解散は6月にならない可能性もある」
MC鈴木「この数字だったら、そもそも解散しないんじゃないかと」
松田氏は、過去の総理経験者の発言にあった、「解散するというのは、同僚議員全員の首を切ること。解散の決断はむちゃくちゃ重い」という言葉を紹介します。
松田氏「勝てると思っても負けるのが選挙。勝算があればあると思うが、勝算が見えない。仮に勝算が見えない中で解散総選挙に突っ込んでしまうと、自公が連立で過半数を割ってしまうぐらい、大きく議席を減らす可能性がある」
もし衆院選が行われたら、また松田さんに選挙ドットコムちゃんねるで注目選挙区の解説などが行われることでしょう。ご期待ください!
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れいわ・参政・保守……6月解散で新興政党はどうなる?注目は比例区!
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