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衆院長崎3区補選「野党の盟主をかけた争い」その背景には何が?現役政治記者が解説します 選挙ドットコムちゃんねるまとめ

2024/4/26

選挙ドットコム編集部

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2024年4月25日に公開された動画のテーマは「衆院補選 長崎3区 野党第一党の争いの行方は?」

朝日新聞政治部の今野忍記者と産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸記者が、立憲vs維新の野党一騎打ちとなった同選挙区の構図と、背景にある各党の思惑を、さまざまな角度から解明していきます。

【このトピックのポイント】
・衆院長崎3区補選は「野党の盟主の座をかけた争い」
・立憲vs維新、党首や憲法審査会での「舌戦」の裏事情
・立憲vs維新だけじゃない、補選後を見据えた各党の事情とは?

衆院長崎3区補選は、野党の盟主の座を争う一騎打ち?

立候補者は、届出順でこちらのお二人です。

山田 勝彦氏(立憲民主党公認・社民党推薦)
井上 翔一朗氏(日本維新の会公認・教育無償化を実現する会推薦)

この長崎3区、一票の格差を減らす「10増10減」の措置で、次の衆院選から新たな選挙区に分割されてしまいます。(長崎県は4→3)

MC伊藤由佳莉「結局自民党は候補を立てず、ということになりました」

水内茂幸記者は、途中で茂木さん(自民・幹事長)が立候補者を擁立しようとする動きがあったが、岸田総理が見送ったという事情を語ります。

水内茂幸氏「自民党はけじめをつける意味と、候補者が当選しても1年以内くらいに選挙があるわけですから、早々と不戦敗ですよね。これが選挙区の人にとって、責任ある行動かどうかは別ですけど」

水内氏は、自民党支持層の心中を慮りつつ、原則としては「政権与党であるならば、審判を受ける意味で候補は立てなければいけなかったんではないか」と問います。

とはいえ、党を運営する現実としては厳しい状況で……。

今野忍氏「でもまあ、選挙区自体なくなっちゃうわけだから。あと1年ちょいしか任期がないわけよね。ここで自民党が増えちゃうと、(新たな選挙区の)3つとも候補決まっちゃってるのよね。まあ、結果として野党第1党の立憲民主党と野党第2党の日本維新の会の、野党の盟主争いという、なかなか見られないガチンコ対決が見られることですよね」


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立憲vs維新、党首や憲法審査会での「バッチバチ」の背景は

ところで、告示日以降、立憲vs維新の党首同士の不穏な発言が話題になっています。

MC伊藤「代表同士のバッチバチな争いというか……泉代表はちょっと大人の対応されてるのかということもありますけれど、維新のほうが仕掛けている感じに見えますが、いかがでしょう?」

水内氏「維新も原理原則からいうと、敵は立憲民主党。とくに野党第1党を目指す立場からすると、こういうふうにはなるなと思います」

水内氏は、憲法改正など、根本的な政策の違いに目を向けます。

今野氏「憲法審査会でけんかしてたじゃない」

通常では与野党に分かれて戦うところ、憲法審査会の中では単純な与野党の構図にならない、と水内氏は解説します。

憲法審査会での構図

憲法改正を進めたい自由民主党・公明党・日本維新の会・国民民主党
憲法改正に慎重立憲民主党・日本共産党

憲法審査会には野党の筆頭幹事がいて、与党の幹事と次の日程調整などを話し合います。筆頭幹事である立憲民主党に対し、直ちに条文改正に向かいたい維新・三木衆院議員が審査会で放った「野党の筆頭幹事だという言い方は今後、しないでいただきたい」との発言について、水内氏が背景をひもときます。

憲法改正に向け、憲法審査会を昨年3月くらいから開催していましたが、今年、審査会委員の中に自民党の不記載事件の関係者がいたことから、1ヵ月ほど審議がストップしています。

水内氏「憲法の大きな枠組みと不記載事件って明らかに違うので、単なる時間の引き延ばし戦術じゃないかと思うわけです。そこを三木さんが突いたんじゃないかと。淡々と審議すべきだと僕は思いました」

今野氏「産経新聞的には許せないでしょ。憲法改正の議論をしないでサボタージュしてんじゃねえよって」

水内氏「これはねえ、やっぱり許せないですよもう。不記載事件なんて、100%とはいえないけど99%関係ないですから。それを道具にするっていうのはねえ、語るに落ちたなあって感じがしますけれどもねえ」

今野氏「水内さんの中に産経新聞の血を見られて良かった、うんうん」

自民党は、憲法改正に向け、起草委員会を設立したいと主張しています。

岸田総理に任期中に憲法改正を実現するという公約があったため、「憲法の議論を進めるところまで進めたいという思いが消えていない」と水内氏は岸田総理の胸中を推し量ります。

水内氏「ぎりぎりの最後に、逆転勝負に出て、憲法史を進めて、四党で条文を作るという勝負を少し考えている部分があるんじゃないかなあ……だいぶ願いが潰えつつありますけれども、まだ消えてないんじゃないかなあ」

今野氏は、維新・馬場代表の過激な発言について疑問を呈します。

今野氏「立憲の議席を増やしても何もいいことないですよ、と地方都市の街頭で訴えるのは、どこまで受けるのか。ネット界隈でこういう過激な発言は、割と注目されたりすることがあるけど……」

今野氏は、地方野選挙に求められる地上戦や組織力にも目を向け、「維新が、地方の選挙でどれだけ地を這うように選挙できるのか。維新にとって全国政党なのか問われる選挙なんですよね」と問いかけます。

今野氏「維新は関西で無類の強さを見せて、14かな?ぜんぶの小選挙区で、自民党も弾き飛ばして勝ってた」

今野氏「大阪行ったらすごいですもん。府議も市議もわんさかいるから。選挙なんつったら黄緑色のジャンパー着た人しか見ないくらい、地上戦をやるんですよ、維新って。橋下さんとか吉村さんとか、空中戦だけに強いイメージあるけど、関西では地上戦めちゃくちゃ強いんですよ」

今野氏は、自民支持層の票がどちらの候補に流れるかも重要だと指摘します。

今野氏「(維新が)第二自民党と言っている以上は、自民党票は自分たちに流れるべき。しかし、情勢調査レベルでは立憲民主党に(自民票が)何割か流れている」

以上を整理すると、衆院長崎3区補選のポイントは以下の3つになる、と今野氏はまとめます。

・野党の盟主はどちらか
・自民支持票は、改革保守を訴える維新にどこまで行くのか
・維新は全国政党としてどこまで戦えるのか

立憲と共産の共闘は?補選後の選挙協力の関係を占う

水内氏「もう少し維新寄りの視点から言ってみると、共産党も出ていないわけですよ。立憲民主党の支援に回っているわけですよ」

水内氏は、泉健太代表が就任した時に日本共産党との共闘を白紙に戻すといいながら、去年あたりからじわじわと元に戻っていることを指摘します。

水内氏「長崎3区も共産党の票を加えることで鉄壁の守りにしている。どうしても共産党と一緒になってしまうと、政策やいろんなものも引っ張られがちになってしまうと。これが厳しかったから枝野代表から代わったのに、先祖返りになっているということを維新は指摘したいのかな?と思うんですよね」

MC伊藤「枠組みを見ると先祖返りに見られちゃいますよね」

水内氏「次の衆院選になった時に、前みたいに全部一緒にするのか。そうすると、“現実的な安全保障”とかもちゃんとできるのか?という疑問も出てくると思うんですよね」

今野氏「泉さん、最初の頃は共産党と距離を置いてたけど、だんだん許容するというかね……」

MC伊藤「今回、(共産の)推薦は出ていないようですが、それは距離感なんですか?」

水内氏は、立憲民主党側も推薦を受け入れない様相になっていると推察します。

水内氏「でも現実的には、共産の人は一生懸命山田さんを応援して、お互いにとっていいように見せているんですよね」

今野氏は、この3選挙区で立憲が3勝するとすると、共産の支持層がどういう風な投票行動をしたのかという点にも注目したいと語ります。

今野氏「今後の選挙協力。共産党と立憲民主党が立っている選挙区を調整するのかしないのか。調整するとしても、水面下でやるのか、やらないのか。そうなってくれば、自民や維新は『立憲共産党』と批判する」

今野氏「枝野さんの時は『立憲共産党』批判で、2万票くらい減らしたんですよね」

今野氏は、泉代表が代表になった当初よりは、共産党とうまく調整すべきというように思考が変わってきたと読み解き、今回の補選で勝利を収めてしまうと、「(共産党の)誘惑が強くなっていくんじゃないですか」と予想します。

MC伊藤由佳莉「長崎3区は野党第1党と第2党の一騎打ちになりましたが、次の解散総選挙を占う意味にもなりうるのか……それとも?」

解説の両名は「全然ならない。自民党が選挙区に候補者を立てないことなんて、まずありえない」と首を振ります。

今野氏「逆に立憲と維新でやるから、野党第1党と第2党がガチンコする希有な選挙区。政権与党が補欠選挙に立てないということがニュースなんですよ」

水内氏「政治マニアックなこというと、維新のところに教育無償化を実現する会、国民民主でなく、前原さんのところが推薦しているっていうのが距離感を感じるなって……」

現役最前線を走る政治記者の目からは、さまざまな対立が読み取れる、今回の衆院長崎3区補欠選挙。ぜひご注目ください!

動画本編はこちら!

野党一騎打ち!衆院長崎3区補選の情勢を現役政治記者の目で追う!

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