11月中に行われ、有効回答数や回答を公開している報道機関9社、および選挙ドットコムの世論調査の結果をまとめ、比較しました。なお、各社の調査日や手法は異なるため、あくまでも参考値としてご覧ください。
11月の調査では、岸田内閣の支持率は先月より低下を見せました。全体としては約31.1%から、約25.7%になっています。岸田政権が誕生して以来の内閣支持率は、先月の2023年10月に最低記録を更新していたのですが、今回はそれをさらに下回り、2ヶ月連続の記録更新となりました。また、内閣支持率が30%を下回るのは、2021年8月の菅義偉政権(約29.7%)以来となります。
個別の調査においても、そのすべてで支持率は低下する形となりました。もっとも支持率が低下したのはJNN(TBSテレビ)の調査で、9月30‐10月1日の調査より10.5ポイント低下の29.1%となりました。次いで低下の幅が大きかったのは読売新聞・日本テレビの調査で、10月13‐15日の調査より10.0ポイント低下の24.0%となりました。もっとも低下の幅が小さかったのはANN(テレビ朝日)の調査で、10月28‐29日の調査より0.8ポイント低下の26.1%となっています。
内閣不支持率は、対照的に前回の調査から上昇を見せました。全体としては約52.9%から、約59.6%になっています。先月2023年10月に最高記録を更新した岸田内閣の不支持率ですが、今回はそれをさらに上回る、内閣発足以来最高の数値となりました。
個別の調査においても、そのすべてで不支持率は上昇しています。もっとも上昇の幅が大きかったのは読売新聞・日本テレビの調査で、前回より13.0ポイント上昇の62.0%となりました。次いで上昇の幅が大きかったのはJNNの調査で、前回より10.6ポイント上昇の68.4%になっています。もっとも上昇の幅が小さかったのはANN(テレビ朝日)の調査で、前回より2.4ポイント上昇の54.2%になっています。
政党支持率に目を向けると、まず与党である自民党の支持率は、前回より微減という形となりました。全体としては約30.1%から、約29.5%になっています。先月2023年10月に、岸田内閣発足以来最低の数値を記録した自民党の支持率ですが、今回はそれをさらに下回る結果となりました。
個別の調査では、支持率が前回よりもっとも上昇したのは日本経済新聞・テレビ東京の調査で、10月27‐29日の調査より2.0ポイント上昇の34.0%になりました。反対に、支持率がもっとも低下したのはJNNの調査で、前回より5.4ポイント低下の26.2%となっています。
野党第一党の立憲民主党は、前回より変わらず~微減という形になりました。全体としては約6.9%から、約6.7%になっています。
個別の調査では、もっとも支持率が上昇したのは共同通信の調査で、10月14‐15日の調査より2.8ポイント上昇の9.3%になりました。反対に、もっとも支持率が低下したのはANNの調査で、前回より2.6ポイント低下の8.3%になっています。
日本維新の会の支持率は、前回とほぼ変わらずの約7.0%となりました(先月も同じ数値です)。個別の調査では、もっとも支持率が上昇したのは毎日新聞・社会調査研究センターの調査で、10月14‐15日の調査より1.0ポイント上昇の14.0%になりました。反対に、もっとも支持率が低下したのは共同通信の調査で、前回より3.9ポイント低下の9.3%になっています。
支持率の低迷が続く岸田内閣、および自民党ですが、とはいえ、立憲民主党や日本維新の会など、野党の支持率も低迷したままで、内閣総辞職や自民党の政権転落の可能性は高いとは言えません。逆に言えば、野党がここでプレゼンスを発揮すれば状況もまた変わりうるとも言えますが、引き続き注目です。
<参考>
JNN(TBSテレビ) 世論調査(11月4~5日実施、回答数1213)
共同通信 世論調査(11月3~5日実施、回答数1040)
NHK 世論調査(11月10~12日実施、回答数1224)
選挙ドットコム 世論調査(11月11~12日実施、回答数993)
時事通信 世論調査(11月10~13日実施、回答数1144)
朝日新聞 世論調査(11月18~19日実施、回答数1086)
読売新聞・日本テレビ 世論調査(11月17~19日実施、回答数1067)
毎日新聞・社会調査研究センター 世論調査(11月18~19日実施、回答数1032)
ANN(テレビ朝日) 世論調査(11月25~26日実施、回答数1015)
日本経済新聞・テレビ東京 世論調査(11月24~26日実施、回答数869)
(データ分析・執筆:若林良)
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