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2023年9月23日に公開された動画ではゲストに自民党衆院議員の稲田朋美氏をお招きし、女性議員を増やす方法について語っていただきました。
女性総理はいばらの道?女性議員はなぜ増えない?
【このトピックのポイント】
・女性総理誕生までの最も高いハードルは「仲間づくり」
・稲田氏は小渕優子氏の選対委員長起用を高く評価
・女性議員を増やすには批判を恐れず実行できるリーダーが必要
稲田氏のプロフィールは以下の通りです。
もともと大阪で弁護士をしていた稲田氏。自民党で行った講演をきっかけに、当時幹事長代理だった安倍晋三氏にスカウトされ、政治の道に進むことになりました。
「小選挙区で勝てるなんて期待してないから。比例で勝てるから」といい加減なスカウトでしたが、夫の強い後押しがあり稲田氏は出馬を決心。応援演説もない状況の中、373票という僅差で勝利を収めました。
今回は以下の質問からいくつかピックアップして稲田氏に回答していただきました。
女性総理大臣候補としてたびたび名前が挙がる稲田氏。「衆議院議員であれば総理大臣はみな目標」としつつ「現実を見るとなかなか厳しい」とコメントします。
稲田氏が最も高いハードルとして指摘したのは「仲間づくり」です。特に稲田氏はここ2年はかつてないほどの批判を受け、落選運動を展開されることもあるとのこと。
稲田氏「心が折れそうになることもあるんですよね」
総理総裁を目指す場合、派閥のトップになることが選択肢として挙がります。しかし、そのポジションに就く女性はなかなかいません。
その理由として稲田氏は「政治は男性がやるものという意識が自民党の中にも強い」と説明。これまで野田聖子氏や高市早苗氏が総裁選に立候補しましたがいずれも派閥に属しておらず、女性で派閥のトップに就くことは非常に難しいことがうかがえます。
MC鈴木邦和も都議時代に、政治のスタイルやルールそのものが男性前提だと感じた経験があるとのことです。
稲田氏は女性政治家の仲間づくりについて、女性参政権の歴史の浅さや自民党の衆院議員女性比率が7%に留まる点に言及。「男性を巻き込んで仲間を作っていくのはとても厳しい」とコメントしました。
また、派閥の会長の役割も男性的な部分が多く「今のやり方で総裁選を目指すのは結構大変かもしれない」と稲田氏。女性総理大臣への道をどう切り開いていくかは試行錯誤が必要とし、今後も目指していきたいと語りました。
9月13日に発足した改造内閣の顔ぶれについて、稲田氏は女性閣僚が5人起用されていることを評価。
一方で派閥のバランス重視の傾向にも言及し「この内閣で女性活躍以外の何を実現したいかっていうのをこれから出していってほしい」とコメントしました。
副大臣や政務官には女性が1人もいないことについては「少し奇異に映る」と稲田氏。このような人事の背景として自民党内の女性比率の低さを指摘しました。
同時に行われた党役員陣について問うと、稲田氏は「小渕選対委員長が入ったことが嬉しい」とコメント。
率直な人柄や政治家としての能力、選挙の実績などを評価し「選対委員長に小渕優子さんを起用されたことはとても素晴らしいと思います」と期待を寄せました。
女性政治家を増やすための手法としてしばしばクオータ制が取り上げられますが、稲田氏はもともとこの制度に反対していたとのこと。
その理由としてクオータ制が逆差別になることや、能力ある人が制度を理由に起用されたと批判されることにつながることを挙げました。
その考えが変わったきっかけは稲田氏が初当選した2005年の衆院選です。当時の小泉純一郎総理は郵政解散の刺客として稲田氏を含め26人の女性候補を擁立。比例の名簿の順位を高くするといった優遇措置をした結果、26人全員が当選しました。
しかし2023年現在、自民党の衆院議員は21名と当時から減少しています。稲田氏は男女間格差の是正に取り組む欧米諸国で女性政治家が増えていることと比較し、「民主主義をゆがませないためにも何らかのポジティブアクションは必要」との見方を示しました。
自民党議員の女性比率の改善については、茂木幹事長が改善に取り組むことを明言しており、今後どのように実行されていくのか注目ポイントとなりそうです。
ただ、女性活躍はこれまで声高に唱えられてきたにもかかわらず女性は増えず、自民党衆院議員に限ってはむしろ減っています。その理由はどこにあるのでしょうか。
その問いに稲田氏は「ひとえにリーダー」と断言。2005年の衆院選で女性候補が26人全員当選したのは、小泉総理は批判をものともせずに女性候補の擁立と優遇を実行したからです。
稲田氏は「批判されようが何しようがやりきれるリーダーかどうか」が重要だと語り、今の自民党でも実現可能なこととして大きな期待を寄せました。
最後に、MC鈴木が女性特有の選挙の大変さについて問うと、稲田氏は「中央以上に地方は男性目線ですよね」とコメント。
自民党が強いところほど政治は男性のものという意識が強く、そのなかで女性が勝ち続けるのはかなりきついものがあるようです。
これまで6回の当選を重ねてきた稲田氏ですが、「『負けない』という思いがないと、いつもぺしゃんこになりそうです。私も」と笑顔で締めくくりました。
クオータ制に反対だった稲田氏が賛成に転じたきっかけとは?
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