東京都内の大田区役所で13年間働いた、北村やよいさん。行政での経験を政治の世界で活かしたいと考え、自ら代表となって政治団体を立ち上げて区民の困りごとを吸い上げる活動をしています。
北村さんは区民の代弁者として、区民の困りごとを区政に届けることを目指しています。行政のプロフェッショナルで市民目線を忘れない北村さんに、大田区でどのような政策を進めていきたいのか話を聞きました。
選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
政治家を志したきっかけを教えて下さい。
北村やよい氏(以下、北村氏):
社会の仕組みを変えたいと思ったからです。私は自動車関係の会社に、約11年間勤めていました。そこから芸能系の会社に転職することになったのですが、自己都合での退職ということで失業保険がもらえませんでした。
そこで、社会の仕組みについて約2ヶ月間も考えたのです。すると「政治が社会の仕組みを作っているなら、私が政治家となって社会の仕組みを変えよう!」と思うようになりました。
編集部:
政治家を目指すことを決心してから取り組んだことは何ですか?
北村氏:
行政のことを徹底的に学ぶために区役所で勤めることにしました。試験を受けて合格したのが大田区役所で、様々な仕事を通して行政の基礎や仕組みを学びました。
編集部:
大田区役所では、どのようなお仕事をされていましたか?
北村氏:
大きく分けると、以下7つの仕事をしていました。
・在留外国人の支援
・30万人以上のイベント担当
・生活保護の担当
・公益財団法人での仕事
・特別出張所での住民対応
・子育て支援の仕事
・選挙管理委員会事務局での仕事
大田区役所に勤めていた13年間で、身を持って行政を学ぶことができました。
編集部:
7つの中で、特に思い入れのある仕事はありますか?
北村氏:
「特別出張所での住民サービス対応」「子育て支援の仕事」「選挙管理委員会事務局での仕事」の3つの仕事は「必ず政治家として社会のために働くんだ!」という思いを強くしてくれました。
特別出張所では地域の自治会・町会やPTAの方々と深く関わり、地域の人の温かさを感じました。子育て支援の仕事では、学童保育の担当係長として従事。特別出張所も子育て支援の仕事も、私一人の力では解決できない課題に気づきました。
最後の選挙事務局では、投票所の運営と投票へ行くことの啓発活動に尽力しました。選挙へ行くことの重要性を学生に説明した際には、学生が食い入るように聞いてくれたのです。学生たちの政治への関心を削がないためにも、大人がしっかりしなければいけないと痛感したことは今でも覚えています。
編集部:
大田区政において発揮できる、北村さんの強みを教えて下さい。
北村氏:
私は行政の仕組みを理解しているので、即戦力で活躍することができます。区役所職員の時に、区民から毎日のように相談を受けていた時期がありました。区民の相談事に対して「どの部署にどうやって相談すれば良いのか」を答えられます。13年間区役所で働いてきて7つの仕事をしてきたので、行政に対する総合的な知識に自信を持っています。
さらに、努力家であることも長所です。「政治活動をしたい!そのためにまず行政を学ぶべきだ!」と思い、区役所で13年間働き続けました。また、特別出張所にいた時は震災時の避難所運営を任されていたので、防災について詳しくなるために防災士の資格を取りました。
反対に、人前に出ることや喋ることが苦手という短所もあります。そういった自分の弱さを克服するために最大259人も収容できるホールで落語を披露しています。即戦力として政治の世界で活躍できる自信と持ち前の向上心で大田区のために勉強を欠かさずしていきたいです。
編集部:
北村さんは政治団体を立ち上げているそうですが、どのような活動をされていますか?
北村氏:
区民の困りごとを吸い上げる活動です。座談会を開催し、地域の方の困りごとを聞いています。ある時、防災について興味がある他区の妊婦さんに聞いたのですが「区から配布された妊婦・子ども向け防災グッズが役に立たなかった」という話がありました。
このようなリアルな声を集めていますので、私が政治家になって解決に向けて政策に取り組んでいきたいと決心しています。
編集部:
では、北村さんが重視する課題と具体的な政策を教えてください。
北村氏:
まず、政策に落とし込む重点課題として、以下の3つを挙げています。
・女性に関する課題
・子どもに関する課題
・地域防災の強化
これらは私自身の経験や、区役所で働く中で発見した課題です。区役所で13年間働いて見つけた課題を、政策で解決していきたいと思います。
編集部:
最初に女性に関する課題について、どのような政策を行うのか教えていただけますか?
北村氏:
貧困家庭の女子学生の悩みを解決したいと思います。貧困家庭では、お金がなくて生理用品を買えない場合があるそうです。小学生から生理が始まる女の子もいるので、そういった子のために生理用品をトイレの個室に置いて、無料で使えるようにしたいと思っています。
過去に大田区でも、生理用品を個室トイレに設置する検討をしていました。その時は「保健室に取りに行けばいいじゃないか」という声が上がり、検討は中止になったのです。しかし女性は若い時の生理が不安定な場合があるので、保健室に生理用品を取りに行く余裕がないことがあります。
私は以前、子宮の病気を患い、子宮を全摘出しています。その経験から、女性の抱える問題に対して注意深く考える機会が増え、解決したい思いが強くなりました。
編集部:
続いて、子どもに関する課題についての政策を教えてください。
北村氏:
小学生が学童保育を受けられない問題を解決したいです。大田区は、子どもの人口が増えています。そこで「子どもを学童教室に預けて、安心して共働きしたい!」という需要が増えている一方で、学童教室が足りていない問題が発生しています。
特に医療ケアが必要な子供は、設備の必要性などから学童保育を受けられないケースが多いです。保育園の待機児童と違って、大々的にマスコミには取り上げられていません。しかし、小学校低学年の子どもを家で一人っきりにさせてしまうと重大な事件に繋がる場合があるのです。
そこで私は、学校の空き教室に目をつけています。放課後の教室を学童保育を行うためのスペースとして活用すれば、学童教室不足は解決に近づくでしょう。放課後の教室を使用するのは「子どものプライバシーを損害する可能性がある」という声もあります。しかし、そういった意見にも耳を傾けながら、政策を実行していきたいです。
編集部:
最後に地域防災の強化について、どのような政策を考えているのか教えてください。
北村氏:
区役所の特別出張所で働いている人への、防災教育を徹底していきたいです。地域防災は、特別出張所に一部権限を任されています。しかし出張所にいる職員は、必ずしも十分な防災に関する知識を持っている訳ではありません。実際に区民と訓練をしたことがあったのですが、知識不足により職員が区民に指示を出せなかったケースもありました。
もし実際に災害が起きたら、絶対に混乱を招くだろうということが容易に想像できました。そこで区役所の防災課にいる地域防災のプロから出張所の職員に向けて、教育してもらうような仕組みを作ろうと思います。防災士の資格を取っている人を出張所へ派遣したり、一斉に教育する場を設けることを検討中です。
編集部:
最後に伝えたいことはありますか?
北村氏:
私は大田区役所で、13年間行政に関わってきた人間です。当選してから本格的に政治の勉強をする政治家もいる中、私には即戦力で働ける強みがあります。
有権者の皆さんが投票する上で、政治家の情報を集めてそれぞれを比較して欲しいです。インターネットなどですぐに情報は集められるので、政治を自分ごととして捉えて、大田区の未来を決めて欲しいと思います。
【北村やよい氏のプロフィールページはこちら】
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