2023年4月、全国一斉に行われる「統一地方選挙」が実施されます。
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近年、投票所のバリアフリーやサポートが拡充され、今回の統一地方選挙でも様々な支援が行われます。
しかし、
・車いすユーザーへのサポートには、どのようなものがあるの?
・代筆はお願いできる?
・そもそも投票所で受けられる配慮には、どのようなものがある?
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、投票所のバリアフリー対応や、配慮事例を障害種別ごとにQ&A方式でご紹介します。
一部の地域では、選挙の時に無料の巡回バスやタクシーが利用できます。
ただし多くの地域では、選挙時の特別な移動介助はありません。そのため、普段利用している介護タクシーやガイドヘルパーなどにお願いして会場へ向かうのが一般的です。
ちなみに介護タクシーやガイドヘルパーは、一度も利用したことがない場合は申請から利用開始まで1カ月以上かかるケースもあります。そのため、余裕をもって申請した方が良いようです。
付き添いがどこまで入れるかは投票所の責任者の個別判断によります。
代筆はお願いできます。
正式には「代理投票」といい、投票用紙への記入が難しい場合、投票所で希望すれば代わりに書いてもらえます。
係員は2人つき、1人は代筆、もう1人が確認をしてくれます。
2つ利用上の注意点があり、1つが家族や付き添い人による代筆は認められておらず係員に限られるということ。2つ目が、「係の方が代理投票に不慣れで、周りに聞こえる声の大きさで記載内容を復唱された」などのトラブルも一部にあるため、事前に選挙管理委員会に利用の旨を伝え、確認しておくとより確実ということです。
原則できません。「代理投票」は、あくまで本人が投票所へ行き代筆してもらう制度です。
一部の障害当事者などに郵便投票が認められています。ただ寝たきりの方や外出が難しい方を想定して作られた制度のため、例えば重複して障害がない視覚障害者や聴覚障害者などは対象外になるケースが多いようです。
詳細は下記を参照してください。
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/touhyou/yuubin/yuubin01.html (総務省HPより)
日本国内では、まだ認められていません。
車いすで入れる投票所が多いようです。
ただ地方の公民館など、一部の会場ではバリアフリーになっていないのが現状です。
よって、「念のためバリアフリーが完備されている役所・公共施設・ショッピングセンターなどで期日前投票する」という車いすユーザーも多いようです。
お願いすればスロープを用意してくれたり、係の方が車いすを押してくれたりします。
また車いすの貸し出しを行っている投票所もあります。
車いすのまま記入できるよう高さが低くなっている記載台が投票所の多くに設置されています。
また、用紙をとめる重りを貸してくれる所も多いようです。
基本的に可能です。
選挙管理委員会に電話などでお願いすると、候補者や政党の政見の情報をまとめた「選挙のお知らせ」の点字版・音声版・拡大文字版を無料で送ってくれる所が多いようです。
選挙広報はインターネットで閲覧できることも多く、パソコンやスマートフォンの音声読み上げ機能を使って情報を得る人も多くいます。
選挙ドットコムも候補者の情報が探しやすく、オススメです。
お願いすれば、誘導してもらえます。
入り口から投票箱まですべて盲導犬も一緒に入れます。
点字での投票も可能です。
基本的に投票所には点字器、点字用の投票用紙が置いてあります。
ただ投票所すべてに設置されているわけではない現状もあるため、「確実に置いてある役所などで期日前投票する」「ない場合、代筆をお願いする」という方も多いようです。
お願いすれば、読んでくれることが多いようです。
また候補者名・政党名が記載された点字資料を置いてある会場もあります。
持参したもので記入しても良いようです。
弱視者の中には、濃い鉛筆や太めのペンを持参する方もいます。
頼めば筆談での対応をしてくれます。
また投票所によっては、指さしで意思疎通ができるコミュニケーションボードが置いてあるようです。
注意点として、「最初、聴覚障害があることをなかなかわかってもらえなかった」という声も一部にあるため、障害があること・希望するサポートを書いたメモを持参して見せると、スムーズに配慮が受けられるようです。
大都市を中心に一部の投票所では手話通訳者が派遣されています。
ただ多くの地域では実施されていないため、手話を利用したい場合は自身で通訳者にお願いして来てもらうことが多いようです。
注意点としては、自身で手話通訳者をお願いしたとしても代筆時には利用できない場合もよくあるので、気を付けてください。
可能なようです。
持参したメモや選挙公報の切り抜きを渡して係の方に意思表示をする方法があります。
また指さしで伝えることもできるようです。
期日前投票を利用して、人ごみを避ける方法があります。
・車いす
・杖おき
・座位記載台
・紙をとめるための重り、すべり止めシート
・虫めがね、ルーペ
・老眼鏡
・点字用筆記具(点字用の投票用紙も)
・候補者名・政党名が点字で記載された用紙
・筆談用ホワイトボード
・イラストによるコミュニケーションボード※貸し出しや支援の内容については、投票所によって異なるため、あらかじめ地域の選挙管理委員会に確認すると、より確実です(電話の場合、役所の代表電話番号から選挙管理委員会につないでもらう方法が簡単なようです)
投票所のバリアフリーも徐々に整備されているようです。
実は弱視の筆者自身、選挙のたびに
・広い会場で投票場所を見つけるの大変だな…
・係の方、嫌な顔せず対応してくれるかな…
と不安に思いながら投票所へ足を運んでいます。
ただ障害当事者が選挙に行くことによって、大切な一票が投じられるだけではなく、「ここはバリアフリーになっていないね。」と投票所の人たちが気づいてくれることがあります。
それによって投票所や社会全体のバリアフリー化が進んだり、「有権者には障害者もいる」という政治家へのプレッシャーになったりして政策が変わることもあります。
「一票の重み」と同時に、「投票行動の重み」にも思いをはせながら投票所へ向かうと、この苦労にも意味があるのかなと思えるかもしれませんね。
ぜひ投票へ行きましょう!
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