港区が公表している区内の分譲マンション実態調査によると、分譲マンションでは全体の2割程度しか地震時などの対応を示す「防災マニュアル」の用意がありません。港区出身の日本維新の会・東京都港区政対策委員根本ゆう(ねもと・ゆう)氏は、マンションデベロッパーとして危機感を覚え、政治の世界へ飛び込みました。
港区の足元にしのびよるマンションの防災や老朽化の問題に対してマンションデベロッパーの経験を経ての考えや、政治に活かしたいプロジェクトマネージャーとしての学びなどを、根本氏にお聞きしました。
選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
政治家を目指したきっかけを教えていただけますか?
根本 ゆう氏(以下、根本氏):
私が政治家を目指したきっかけは、政策実行力の高い、現職の師匠との出会いです。マンションデベロッパーとしてマンション開発に関わる中でマンションの防災や老朽化について問題を感じていたので、政治がそのソリューションになると考えました。
デベロッパーからマンションの管理組合への引き渡し後は、マンション運営に関して管理組合が決議者となり、すべては管理組合任せの構造に問題を感じています。特に、港区はマンション住まいの方がほとんどですし、防災・マンションの老朽化についてはしっかり向き合うべき問題だと思っています。
マンションデベロッパーでの経験を活かし、防災対策のカバーやマンションの老朽化対策として行政とともに管理組合の運営を健全に行うサポートをしていきたいと考えるようになりました。
編集部:
民間での経験を活かして港区の問題に向き合いたいと考えられたんですね。学生時代も選挙啓発運動に取り組むなど、政治に関心があったのですか?
根本氏:
「地元である港区を良くしたい」と学生時代から考えており、港区の成人式の実行委員や選挙啓発運動に取り組むなど政治への関心もありました。
編集部:
なぜ港区政で取り組みたいのでしょうか?
根本氏:
私は港区で生まれ育ち、25年以上経った今も住み続けています。そんな愛着ある港区を良くしたいという想いが、根底にあります。
そして港区をより良くするためにマンションデペロッパーでの経験を活かして、行政調査でも区民の方が1番課題に感じている防災問題や、マンション老朽化対策のため管理組合運営のサポート検討について向き合いたいと考えています。管理組合の運営については、両親も老朽化したマンションに住んでいて健全な運営にどう行政がかかわっていくべきか考えるきっかけにもなりました。
老朽化したマンションはそれまでの管理運営が適切でなく気づいたときには修繕積立金が足りていなかったり、そもそも適切な資金管理ができていなかったりする場合もあります。経営状態が悪いマンションは印象が悪く資産性も下がります。
しかし、なかなかこういった問題に専門性を持って取り組める人材は少ないので、私がマンションの専門知識をもった数少ない人材になれるのではと考えています。
編集部:
プロジェクトマネジメント経験を、どのように政治に活かせそうですか?
根本氏:
プロジェクトマネージャーとしてチームをまとめた経験を、政治に活かしたいと考えています。
目標に向かうとき、意気込みは大切ですがシリアスになりすぎると、失敗が怖くなりメンバーは発言しづらい雰囲気になります。そのため周囲をリラックスさせて発言しやすい雰囲気を作るよう、心掛けてきました。政治の世界でも全員で目標を共有して、行政の職員の方や関係者の方が動きやすいように働きかけていきたいです。
編集部:
働きやすい環境作りを心掛けていたんですね。そういったリーダーの経験から学んだことはありますか?
根本氏:
リーダーとして学んだのは反対意見に耳を傾けることの重要さです。つい「あの人が動いてくれないから」と思ってしまいそうになることもありますが、他人のせいにしないように心掛けています。難しいこともあるかと思いますが、どんな仕事でも共通点はあると思うので前向きに取り組みたいです!
編集部:
これから行っていきたい政策を教えていただけますか?
根本氏:
震災時のエレベーターの閉じ込め対応体制の整備をしていきたいです。
首都直下型地震がくると、エレベーターに閉じ込められる可能性があります。東京都が2022年に公表した被害想定によると、非常停止し、閉じ込めが発生する可能性は都内だけで約2万件超の想定です。これは都内のエレベーターの8台に1台を意味します。通常、エレベーター閉じ込めが発生するとメンテナンス業者が救出しますが、数が多すぎると対応できません。そこでマンションの住民が自分たちでエレベーターの扉を開けられる対応体制の整備を考えています。
地震など大変なことがあると小学校に行くものと思っている方が結構多いですが、マンション住まいなら在宅避難が原則です。そのため防災訓練では小学校に行くより、エレベーター閉じ込め対応訓練など、マンションでの災害時を想定したリアルな防災訓練の展開をしていくことが必要だと思っております。
港区が2022年3月にまとめた実態調査では、災害が起きた時に明確なマニュアルがある分譲マンションは、区内の2割程度にとどまっていることが分かっています。具体的な被災想定をして対応策を整備するなど、区政によって防災対策をリードしていきたいと思っています。
編集部:
マンションの老朽化に対する政策はどういったものでしょうか?
根本氏:
港区には築50年などの老朽化したマンションが、とても多くあります。外壁の損傷やヒビなどのメンテナンス時に修繕費が足りないことが多いです。
資金がショートした時の手助けを行政側からサポートできないかと考えております。資金計画へのアドバイスはもちろんのこと、無利子での貸し出しや管理組合の借り入れの優遇など、下支えできるような施策が必要だと考えています。
編集部:
マンションデベロッパー出身だからこその危機感や熱い思いが伝わってきました。プライベートではどのような趣味をお持ちですか?
根本氏:
初心者ですがゴルフをやっています。誘われて「とにかくやってみよう!」と思い、始めました。チームでやる雰囲気も好きですが、ゴルフは自分との戦いです。政治をやる上でも共通する姿勢ではないかと思っています。
他にも美味しいお酒や料理を楽しむのが好きです。港区の飲食店をどんどん開拓して、港区のまちの魅力を食の面からももっと知っていきたいとも思っています!
【根本ゆう氏のプロフィールページはこちら】
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