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投票率34%の衝撃。新型コロナに対応したインターネット投票の必要性。

2020/4/27

中谷 一馬

中谷 一馬

◆生命を危機に晒す選挙制度では民主主義が意味をなさない

 4月26日、衆議院静岡県第四区における補欠選挙が行われました。

 投票率は34.10%で、2017年の衆議院選挙の投票率を約20ポイント下回り、この選挙区では過去最低の投票率となりました。

 選挙は民主主義の根幹を成す大切な行為であり、 投票はかけがえのない権利です。   

 しかしながら、自分自身の生命を危機に晒すリスクを取らないと実現できない選挙制度では、民主主義の意味をなしません。 

 現在のように、新型コロナウイルスの感染拡大が拡がっている状況を踏まえれば、憲法に保障された国民の参政権を確保し、有権者の民意が充分に反映されたと見なされ得る形で、適切な選挙を執行することは困難を極めます。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令され、新型コロナウイルス感染症対策の厳戒下にある社会情勢の中で、マスクやアルコール消毒液の類が国民へ十分に行き渡っていないこの状況下において、そもそも選挙を強行することが正しい選択だったのでしょうか。

 阪神淡路大震災、東日本大震災の発災時には内閣が提出した特例法において、統一地方選挙の期日を一定の地域にて延期したという事例がありましたが、この度、執行された衆議院静岡四区の補欠選挙において、政府は延期の検討を行っておらず、「選挙人及び選挙事務従事者の安全・安心の確保に配慮した適切な選挙の管理執行が行われているものと考えている。」という答弁が私の元に返ってきましたが、その結果の投票率が34%です。

 投票所並びに開票所においては、集団で紙を扱う作業となるため、多くのクラスターを発生させる可能性が高くなります。

 

※引用 : 毎日新聞 2020年4月26日 衆院静岡4区補選 静岡県富士宮市 開票所の様子

URL : https://mainichi.jp/graphs/20200426/hpj/00m/010/002000g/2

※引用 : 上越ジャーナル 2020年4月26日 上越市議会議員選挙 開票所の様子

URL : https://www.joetsutj.com/articles/75094678

 

 人々の集まり及び人々が紙と触れ合う作業は濃厚接触機会を増やすこととなり、集団感染リスクを助長することになると懸念を持つ方は、当然ながら自分の身を危険に晒してまで、投票に行こうとは考えず、多くの人が投票を辞退する結果になったのだと推察します。

 

 

◆新型コロナウイルスに対応したインターネット投票の検討

 そうした中、私は、今の投票制度に不自由を感じているすべての人に向けてインターネット投票を実現すべきであると考えています。

 

 インターネット投票といえば、デジタルネイティブの若者達のためのものと錯覚されがちですが、インターネット投票が実装されているエストニアにおいて、最も投票率を上げたのは高齢者。本当は投票に行きたいけれど物理的なハードルの高さに断念していたのがインターネット投票の実現により、家にいても簡単に投票できるようになったことが理由です。

 

※エストニア投資庁 資料引用

 そうした中、現在政府においても在外選挙におけるインターネット投票の実証実験が進められていますが、憲法で保障されている参政権の確保、基本的⼈権の保障を行う観点からも、国内の選挙においても自宅から選挙の投票が行えるようにすべく、インターネット投票を実装することが不可欠であると考えておりますので、政府に対して質問を行いました。

 すると、安倍晋三内閣総理大臣名で下記の答弁が返ってきました。
 

URL : http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/201172.htm

 

「御指摘の「日本国内においても自宅等で選挙に関する情報収集及び投票が行えるようにインターネット投票の実装を進める」ことについては、投票立会人不在の投票を特段の要件なしに広く認めることに関して、選挙の公正確保等との関係から議論が必要であるほか、大規模なシステムを構築することに伴う安定稼働対策や大規模なシステムの構築及び維持に要するコスト等の論点も克服することが必要であり、これらの課題の検証とともに、インターネット投票に関する幅広い関係者の理解の促進等を着実に進める必要があると考えており、また、選挙制度の根幹に関わる事柄であり、各党各会派における議論も踏まえる必要があると考えている。」

 様々記載されていますが、これらの議論は、エストニアにおけるインターネット投票制度においては全てクリアされている内容であります。
 

 

◆インターネット投票の実装方法とコスト

 まず、投票立会人不在の投票を特段の要件なしに広く認めても選挙の公正確保ができるのかという内容については、エストニアのインターネット投票はやり直しが認められているため、干渉や強制された投票については、後から上書きをすることが可能です。

 また、投票の秘密についても、投票内容は暗号化されており、誰が誰に投票したのかを覗き見ることや内容の改竄はできないシステムが実装されています。

 

 

 そして、大規模なシステムを構築することに伴う安定稼働対策や大規模なシステムの構築及び維持に要するコスト等の論点についても、エストニアではクリアされており、むしろコスト面においては、現状の日本でかかっているコストから比べれば大幅に改善することが期待できる可能性があります。

 エストニアでは、インターネット投票を行う人の比率が4割となり、経費は6割減ったと言われています。

 2018年にタリン工科大学の4人の研究者によって発表された論文では、2017年の地方選挙における投票方法ごとの1票あたりコストが計算されています。

 彼らの計算によると1票あたりのコストは、

 インターネット投票で2.32ユーロ(約269円)

 投票所における期日前の投票で20.41ユーロ(約2365円)

 投票所における投票日の投票で4.37ユーロ(約506円)

 (※2020年4月24日時点 1ユーロ=115.89円で計算)

 となっています。

 日本の国政においては、直近の参議院選挙、衆議院選挙、 最高裁判所裁判官の国民審査に要する経費及び臨時啓発費の総額が1202億7970万7000円。

 47都道府県、20政令市、23東京特別区の首長、議会議員選挙費用の総額は約854億2618万円。残り1698の市町村が存在するので、約854億2618万円+αとなる。

 仮にこれをエストニアのように6割削減できたとしたら、衆参合わせた国政選挙一回あたりの総額で約721億6782万4200円の削減額となります。

 また、47都道府県、20政令市、23東京特別区の首長、議会議員選挙経費で約512億5570万円の削減額となり、総額は、約1234億2353万円の削減額となります。これに残り1698の市町村の首長選挙、議会選挙も加えれば削減額はもっと大きくなるでしょう。

 短期的な導入コストはかかりますが、中長期的にランニングするコストを見れば大きな削減に繋がり、行政改革のビジネスモデルとして成り立つと考えます。

 コスト・参政権の確保・利便性などの観点から考えればインターネット投票は速やかに実現すべきです。

 

 ◆インターネット投票の実現に向けて

 サイエンス・フィクションの父であるジュール・ヴェルヌは、

「人が想像できることは、人が必ず実現できる」と言いました。

 私たちの生活においても、こんな未来が来るかもなと想像していた多くの出来事が実現されております。そしてインターネット投票も夢物語ではなく、他国ではすでに実装している現実的なシステムです。

 そこで、隗より始めよということで、インターネット投票の導入に関する法案とインターネット投票システムのイメージ図、インターネット投票を実現するプラットフォームを作りました。

 

URL : https://drive.google.com/file/d/1jYioVyMX96eWNX_nlSmedMjlm1Jdf7To/view

 

URL : https://drive.google.com/file/d/1h8xsxRmgCTuB3NZreMxHbZKbFPH-jCHD/view


 

URL : https://polipoli-web.com/projects/n0Wr8XbPnO9MyBaDIvw0/story

 

 ご高覧頂き、共感を頂けた方におかれましては、是非インターネット投票の後押しをお願いできましたら幸いです。

 今後も、テクノロジーの発展とシステムの実装を通じて、人々の生活を持続的に豊かにすることを目標に社会の発展と夢のある未来の創造に尽力して参ります。

※衆議院 総務委員会にてインターネット投票に関して総務大臣と議論を行う中谷一馬

URL : http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48523&media_type=

 

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中谷 一馬

中谷 一馬

1983年生。貧しい母子家庭で育つ。厳しい経済環境で育ったことから、経済的な自立に焦り、中学卒業後、社会に出る。しかし「何か違う」と思い直し、横浜平沼高校に復学。卒業後、呉竹鍼灸柔整専門学校にて柔道整復師の資格を取得。 その傍ら、東証一部に上場したIT企業gumiを創業し、役員として経営に参画。 その過程において、社会を変革する必要性を感じ、人の役に立つ人生を歩もうと政界進出を決意。 第94代内閣総理大臣 菅直人の秘書を務める。 27歳で神奈川県議会における県政史上最年少議員として当選。在職中に、世界経済フォーラムのGlobal Shapers(U33日本代表)に選出。またマニフェスト大賞にて、一番優れた政策を提言した議員に贈られる最優秀政策提言賞を受賞。 社会人として働きながら慶應義塾大学に進学。デジタルハリウッド大学大学院をMVPで修了。 現在は、立憲民主党 衆議院議員(神奈川7区 横浜市港北区・都筑区)、党本部青年局長(初代)として活動中。

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