衆院選新東京1区を制するのはどの政党?自民・立憲・参政・維新の戦いを分析!選挙ドットコムちゃんねるまとめ
2023/07/26
「女性議員が増えることで、本当に、暮らしやまちは良くなるのか?」
2018年5月に成立した「候補者男女均等法」では、女性候補の割合を50%にするよう政党に努力義務を求めています。女性議員の増加は、政治や社会にどんな変化をもたらすのでしょうか。政治の現場で活躍する女性議員へのインタビューを通じてその実情に迫ります。
今回は自民党の港区議会議員やなざわ亜紀さんにお話を聞きました。美人すぎる政治家として注目されたことで多くのご苦労もされたとのことでしたが、待機児童解消や女性政策に取り組むなど経験を重ね、現在3期目を務めています。(聞き手:池田麻里)
池田麻里(以下、池田):全く政治に関係する経験の無いままに選挙に初挑戦なさったのですね?
やなざわ亜紀・港区議会議員(以下、やなざわ区議):はい。全くなかったので、ピンと来なかったというのが最初の印象ですね。
池田:お子さんが生まれて、でも、簡単に保育園に入ることができなくて、社会に課題があるなということが区議会議員を志したきっかけと伺いましたが、課題を解決するためには、例えば、保育園を作るとか、色々な方法があると思うのですが、その中で、区議会を目指されたのはどういった理由があったのでしょうか?
やなざわ区議:保育園を作るっていう考えは思い浮かんで3秒くらいで消えたんです。周りにたくさん保育の素晴らしい事業者さんがいるにも関わらず、待機児童の問題が解決しないとか、どうしてこんなに上手くいかないのだろうかって思ったんですね。そこの根本を解決しなきゃいけない。事業者さんが保育園を新設したり、動きやすい、仕組みを作らなきゃいけないと思ったので、区議会議員を志しました。
池田:それまでは、区議会議員とか政治家がどういう仕事をしているのか、というイメージはお持ちでしたか?
やなざわ区議:区議会議員については、それも無くて(笑)
必ず投票には行っていたのですが、投票先を覚えていないぐらいの関心だったんです。それが、保育園の課題に気付いて、調べてみると、保育園の設置の許可は基礎自治体だと分かりました。そこで、区議会議員さんたちはどんな活動をしているのかな、ってホームページを見るようになって、そしたら、子育てしていたり、子育て政策をうたっている議員さんがすくなくて。
今でこそ、港区議会にも女性議員が増えて3分の1以上いるのですが、当時はまだまだ少なかったですし、私自身がママの代表として声を届けなきゃ!と思いました。
池田:選挙に挑戦しようと決意されて、最初の仲間づくりとか準備というのはどうやって進められたのですか?
やなざわ区議:仲間づくりという点では、子供が生まれて日常の子育てをしていく中で、自然にママ友ができて、そのママ友たちと一緒に、これが足りないよね、とか、もっとこうだったらいいのに、という話をランチや公園でしていたので、そのママ友たちが「亜紀ちゃんが、変えてくれるんだったら応援するわ!」と言ってくれて。一生懸命応援してくれました。
池田:ご出身地でないところでの挑戦ということで……
やなざわ区議:そうなんです!今思うと、狂気の沙汰だったなと思うのですが(笑)
あの時は、どうしてこうなってるんだ!という怒りだったり、変えたい!やらなきゃ!という使命感が強くて。
池田:(笑)そうすると、選挙ってこういうものっていうのを知らなかった時だから挑戦できた感じですかね(笑)
やなざわ区議:本当にそうですね。あれもこれもやらなきゃで夢中でしたね。子育ても、まだゼロ歳だったときで、民主党から立候補しましたが、当時は民主党政権下で最悪の時期でしたし、不安も大きかったですけどね。
池田:最初の選挙の時に、ご自分なりのやり方、工夫はありましたか?
やなざわ区議:んー、そうですね。街頭演説をして、チラシを作って、ホームページを作って、SNSを開設して、それから、地域を歩きましたね。町内会とか。高層マンションが多いエリアでしたし、ママ友も他地域から港区に流入してきた人が多くて地域団体との関りは薄かったのですが、区議会議員たる者、やはり地域を歩かなくてはダメだということを聞いて。そうなんだ!と思いまして。「この度、選挙に出ようと思っております、やなざわと申します」というご挨拶から始めました。
池田:千代田区とか、港区って、住民というイメージが捉えにくいような、どこに区民がいるんだろうというような気が、外から見ているとあるのですが
やなざわ区議:港区議会だと1000票から1200票が当選ラインですが、ママ友がそれだけいるかといったらいないですし、例えば自分が直接、挨拶だけではなく、話しをするほど、交流が持てるお友達といったら1日多くて30名とかですから、そこからの拡がりも限られていますし……。そもそも、当選するのかしないのか、全く分からなくて。
高層マンションが多いですし。
池田:高層マンションって、ポスティングもできないですしね!
やなざわ区議:そうそう。やったら怒られるし(笑)
だから、できるだけ多くの方に、港区民の方ではないかもしれないですけれど、日本国民の方、外国人の方も、みんな子育てしづらさを抱えていらっしゃったり、困っていたり、共感してもらったり、応援していただける部分があると思うので、港区民に対してというよりも、皆さんに対して、という感じで訴えていましたね。
池田:当選後は、ご自身が想像していたような活動ができましたでしょうか?
やなざわ区議:議員になる前は、区議会議員になったって何も変えられないよ、と言われることが多かったのですが、実際に議員になってみると、もちろん理解を得られるまでの過程には苦労もありましたが、こんなに変えられるものなんだと、変わるものなんだと、想像以上にそう思いましたね。
池田:当初は女性議員も少なかったということですが、もともとのお勤め先は資生堂ということでとても女性が働きやすい職場ではないかと思うのですが、そこから急に男性社会である議会にきてどうでしたか?
やなざわ区議:資生堂は本当に女性が子育てしながら働きやすい職場なので、自身が(ゼロ歳児を)出産して、社会は全然違うなと驚いたんですね。それは政界に入る前なんです。こんなにも差があることを変えなくてはいけないと思ったので、議会に入ってからの違いは感じませんでしたね。もう子供を産んだ時に既に感じていたので。
議会に入って思ったのは、男性ばかりというよりも、区民の方からより多くのご相談をいただくので、自分が思っている以上に女性が働きにくい、子育てしにくい職場があるんだと知りました。社会で女性政策がまだまだ追いついていないという現状を知りましたね。
池田:子育てと議員活動との両立はいかがですか?
やなざわ区議:職場としての議会というよりは、土日と夜の地域行事等が多すぎて、そこはやっぱり女性が飛び込みにくいところなのかなと思います。必ず出席しなければならないもの、出席したほうが望ましいところ、で土日はぎっしりになってしまいます。夜も、出席するかどうかは自分の意志次第ではありますが、町内会や団体などの会合、式典、勉強会が多い。
私も今、一番の悩みは自分の時間が全くないことです。シングルマザーでずっと来ていて、正直、身体もガタが来ている感じですね。
池田:うーん、どこまでやるかですよね……
やなざわ区議:そう、どのレベルまでやるか。難しいです。
今、3期目ですが、選挙については、3期目は2期目を当選しているのでイメージしやすかったのですが、初めての選挙と2期目の選挙は、自分がやってきたことが、区民にどう評価していただけるのかがあまりにもイメージしにくいので、1期目の時はとにかく全て出席していました。すごく大変でした。2期目は少しイメージできるようになったので、出るものと出ないもの、本当は出なくていいものなんて一つもないのですが、自民党なので地域ごとに議員さんもいらっしゃるので、他の地域のことは地域の議員さんにお任せしよう、という風にしてきて今があります。
池田:他の女性議員からも1期目の壁についてお聞きしました。議会や行政でのスピード感と自身の政策実現のスピード感のギャップや、議会や地域でのセクシャルハラスメントや、後援者との距離感、そういったことに悩む方も多いようです。
やなざわ区議:うーん、それは今も悩みますね。
今は議会でも女性の活躍とか、セクシャルハラスメントへの理解も進んできましたし、最近では票ハラスメントという言葉も出てきましたが、それでもハラスメントを感じることはありますし、初当選当時は、私自身も子供は連れて行かないようにと自粛したり、子育て中だから出席できません、とは言えなかったです。
池田:初めて選挙に出た女性候補者から相談を受けたことがあるのですが、選挙区ではない地域の男性から、繰り返しポスターを送って欲しいと依頼があったりとか・・・
やなざわ区議:あります、あります。
池田:議員なので個人情報が公開されていたりしますからね
やなざわ区議:そうですね。住所が公開されているので、不審者から物が送られてきたり、人が訪ねて来たり・・・。実はそういうこともあって、3期目の選挙では事務所を開設することもできなかったんです。
池田:様々な興味、関心が寄せられますから、ご自分やご家族を守ることも必要ですよね。
やなざわ区議:どうしても仕事で外出する機会もあるので娘の安全が気がかりでした。
過去には、追いかけられたことがあったり、車や自転車で付け回されたり、待ち伏せされたりもあって・・・。それで、避けると、避けられていると言って逆上する。
女性議員が増えてきましたけど、皆さん、悩まれているところではないかと思います。
池田:そうですね。自分を守るためのテクニックが必要ですよね。
やなざわ区議:私、一時期、格闘技を習っていました(笑)周囲には、解決策がそれか!?なんて言われましたけど、いざという時にと思って。
池田:それだけ深刻に悩まれたってことですよね……。
やなざわ区議:はい、本当に悩みました。耳も突発性難聴のような症状が出ましたし、片頭痛に悩まされたり。
池田:期数を重ねても、気持ちに変化はないですか?
やなざわ区議:やっぱり1期目は有権者の方だし、お返事をしなくちゃって思っていて。でも、今は大丈夫って思うので、気持ちの面では楽になりましたが、危険、リスクという面では変わらないですね。
池田:少しずつですが、インターネット上には自宅住所は公開しないような自治体も出てきていますね
やなざわ区議:はい。港区議会も先日から、個別対応が認められるようになりました。
池田:地方議員は自宅と事務所を兼ねている人が多いですし、一方で「公人」だから情報公開されるべき、という考え方もある。ここは議論が出てきて欲しいと思います。
やなざわ区議:そうですね。
私のように、家族も地方にいて、近くで親戚が手伝ってくれる訳でもないとなると、個人情報は隠すしかなくなってしまいます。でも、それは自分が理想とする議員活動ができない。ここは今、すごく葛藤があります。
池田:私は政令市で政務活動費が十分にあったので事務所を構えることができて、そちらは当然公開していましたが、自宅住所を出すことはなかったので恵まれていました。
やなざわ区議:港区なので事務所家賃と言っても・・・。
池田:高いですね(笑)
やなざわ区議:そうなんですよ……。
池田:先ほどのお話ですと、2期目の選挙には不安が大きくて、でも3期目はご自身の活動の成果を分かってくれるというような信頼が出てきた感じですか?
やなざわ区議:自信とまでは言えないですけど、そうですね、分かってくれる方は分かってくれる。
3期目に向けての選挙は「できることだけを精一杯やろう」と、なれたんですね。2期目の時は分からないから大風呂敷を広げて、全てやろうとしてしまって。
でも、3期目の選挙は自分でできることは自分でやろうという感じでした。後から体力的な影響がじわじわきましたね。
池田:選挙で港区らしい特徴ってありますか?
やなざわ区議:そうですね。候補者数が多いことでしょうか。34名の定数に対して、60名くらいの候補者が出ます。
池田:そうすると毎回、新人候補が数多く出てくるってことですね?
やなざわ区議:そうそう。毎回新人が多くて。私のエリアは人口が多いので、通勤する駅に通じる道路の両側にぶわぁっと、どこかの商店街のお祭りかっていうくらい候補者陣営が並ぶんです。10人ぐらい並んでいる間を通勤の方が通られるっていう(笑)
並んでいる候補者たちの中には自民党の議員も複数いたりして。
池田:港区議会議員選挙の場合、自民党所属の方も政党を名乗って出る方が多いですか?
やなざわ区議:そうですね。そうしないと意味がないですし。
池田:党の中で女性議員の集まりなどはあるんですか?
やなざわ区議:あります。女性局もあるし。
池田:自民党の特に地方議員さんって、圧倒的に男性の方が数が多いイメージで、そこに更に若手の女性議員って珍しいと思うのですが、いかがでしょうか?
やなざわ区議:特に女性だから、男性だから、ということで区別とか優遇されていることはないですね。私が知らないだけかもしれないですけど。ある意味、本当に男女平等。
池田:実は、このインタビューでお相手の女性議員を自民党の方で、って探すとすごく難しかったんです。数が少なくて。地方では党籍を持っていても無所属を名乗って選挙に出る方も多いので。
やなざわ区議:私は、自民党は港区議会でも最大会派ですし、政権与党でもある。ですから、無所属や野党として発言するよりも、キーマンであり、キー会派である自民党に所属して、その中で女性議員や理解者を増やしていくことがとても大事だと、1期目の途中で気づいて、今、自民党にいます。
池田:ちなみに、入りたいって言って入れるもんなんですか?どうしても、自民党って国会議員もそうですけど、現職議員で枠がいっぱいいっぱいのような印象があって。野党みたいに常に候補者募集しています!みたいな感じじゃないじゃないですか。
やなざわ区議:確かに、私も秘書だったりの経験が無いので、最初の選挙で、自民党の公認候補で出ようなんて想像できなかったですよね。
本当はもっとオープンなのにね。私がそう宣伝すればいいのかな(笑)
池田:(笑)それはもっとおっしゃった方が良いと思います。なんとなく、有力な後援者が口を利いてくれないと入れないんじゃないかとか、推薦人が3人いないと入れないんじゃないかとか、そういうイメージです。
やなざわ区議:ありますよね(笑)そういうところもあるのかもしれませんね。港区も、もちろん選考会議のようなものはあります。
私も議員活動をしていると、何人かの女性から議員になりたいんだけど、と相談を受けるんですね。「ぜひ!」と言うんですけど、最後の最後で立候補なさらなくて。
池田:そうしたご相談にはどんなお話をなさるんですか?
やなざわ区議:皆さん「大変なことは何?」ってお聞きになるので、「休みが無いよ」って言うと皆さんもうそれで無理ってなっちゃいますね。
池田:でも、民間企業で働いていても苦労はありますよね。
やなざわ区議:そうなんです。それもお伝えするんです。私も資生堂で働いていたときは、平日は毎日朝早く夜遅くでした。でも、議員は議会開会中や委員会等の公務以外は時間の調整が可能ですから、子育てしやすい面もあります。
ただ、私はシングルマザーで家族や親戚は地方で頼れないのもあり、土日・祝日と夜、ここだけは本当に大変さがあるのかなと思います。
池田:議会や政治の環境変化も大切ですが、地域の方の理解というか、意識も変わるとやりやすいかもしれませんね。ほぼ毎月ぐらい地元の行事で顔を合わせる方に、会うたびに「久しぶりだな」なんて言われると、正直、友人に会う回数以上にお会いしています!って思いますから。
やなざわ区議:(笑)
あと、男性議員の場合、女性の伴侶が代理で出席しても受入れられますが、女性議員の男性の伴侶が代理出席しても喜ばれないような気もしますね(笑)
池田:そうですね。
やなざわ区議:苦労話が多くなってしまいましたが、私は待機児童の問題を解決したい、という思いで活動を始めて、その待機児童が今年4月にはゼロになりました。実際に「二人目の子供の時は、入園しやすかったわ」なんて声を寄せてくれたりもして、他にも「働きやすくなった」「悩まなくてよくなくなった」というお声もいただきました。
医療的ケア児のことや小児医療のこと、地域のまちづくりのことについても、「あー、言って良かった。ありがとう」と言っていただいて嬉しかったこともあります。
また、ある区民の方から「私たちが何度言っても難しいと行政から言われ続けてきたことが、亜紀ちゃんが言ってくれたおかげで変わったのよ」と言っていただいて、本当に生きがいというかやりがいを感じることができました。
そういう醍醐味を感じていただければ、議員になりたいという女性も増えると思うんですよね。
まずは、熱い思いがあって、それで課題が解決される、そういう経験をなさっていただけば、時間とかお休みとかそういう苦労とは折り合いをつけていけると思います。
池田:女性であることでメリットはありますか?
やなざわ区議:まだ数が少ないので、注目していただくことがあって、こうやってお話しさせていただくことで、政治を身近に感じていただけたり、活動に興味を持っていただけるのは、女性だからかなと思います。
あと、相談しやすいと感じてくださってお話いただけることもありますね。女性ならではの柔らかさとか共感力は政治家として必要だと思います。
議会で経験を重ねて、活動の幅を拡げて行きたいと思います。
池田:今日はありがとうございました。
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