「女性議員が増えることで、本当に、暮らしやまちは良くなるのか?」(上田令子東京都議会議員へのインタビュー・聞き手:池田麻里)

2019/02/04

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池田麻里

2018年5月に成立した「候補者男女均等法」では、女性候補の割合を50%にするよう政党に努力義務を求めている。女性議員の増加は、政治や社会にどんな変化をもたらすのだろうか。

今回は、通称お姐。上田令子東京都議会議員です。江戸川区議会議員を経て、現在2期目。2016年小池百合子都知事誕生の立役者でありながら、のちに都民ファーストの会を離党。現在は地域政党「自由を守る会」の代表。舌鋒鋭く、税金の無駄遣いを許さない徹底調査と追及を続けている。

今回お話を伺った東京都議会議員の上田令子さん

地元も政策も無い「女性」が売りの議員はいずれ落ちる

「女性」ってことだけが売りの議員じゃダメだ、ってことですが、どういう主旨ですか?

私が政治に関心を持ったのも、保育園の待機児童問題だったのですが、当時は今よりももっと深刻で。でも、最近はそれがトレンドになってきて、言うだけの女性議員がいます。しかも、財源の裏付けが無いままに言う。

もうひとつは、私も働いているときにマタニティハラスメントを受けて、労働組合に相談したのだけれども、かえって話が上司に筒抜けになったりして全く頼りにならない。労働組合はホワイトカラーのおじさんたちの居心地のいい場所になってしまっている上、イデオロギーの場になっている。そういう左派系、団体を背景にして、オスプレイガーとかケンポウキュウジョウガーとか言っているだけなのは単に女性であるってだけ。
地域や暮らしに寄り添ってないと思うんです。

-確かに、保守系の女性候補って、地域での経験がしっかりあって人としての資質が磨かれている方が多いかも。

公明党所属の方もそうですね。支援者の厳しい目にさらされていますから。保守系の女性都議って数は少ないですよね。自民党は、改選前はふたり、今もひとりしかいませんけど、地盤がガチガチに決まったとこで地域に密着して活動されていますよね。共産党だって、考え方は私と違うけど、しっかり地域を回っている。
ぽこっと落下傘で来て、若かったり、可愛かったりして、理解してもいないイデオロギーを振りかざして口だけパクパクさせているのは、言うだけ番長!
突っ込んだ会話をすると途端にわかります。
今も、史上最年少当選!とか、子供たちのためにぃ~!!な人もいますけど、今や、「女」も「ママ」も「ワーキングマザー」も当たり前。その上で、あなたは何をするんですか?っていうフェーズに入ってきていると思います

女性候補者の当選率はまだ高いですが、当選後の活動次第で。

そうです。当選後に何にもやってないと、2期目の選挙が厳しい。年も取っているし、もっと若くて可愛い候補者も出てくる。
自由を守る会の議員にはいつまでも「ママ」っていうことだけじゃなく、オールラウンドの政策を持ってフィールドワークを持った地域活動をしましょうといつも言っています。ママって属性じゃないですか。必要なのは属性プラスアルファ
人として、議員として、職人、プロフェッショナルになれるかどうか。プロフェッショナルになっちゃえば、年を取って、おばさん、おじさんになっても当選し続けることができる。世田谷区議会の行革110番おおばさんや、千代田区議会の小枝さん、松戸市議会の山中さんなど尊敬しています。地域のために走り回って、信頼を得ていますからね。

-私もアメリカの地方議会を視察して、弁護士とか民間企業出身で立法機能が強いなと感じましたが。

そうですね。医者とか退職後という方もいらっしゃる。一方で、ハイレベル過ぎるというか、普通の人が入り込む余地がなくなっちゃうとも感じていて、そこは日本の方が広くチャンスが確保されていて良いかなと。
ハイスペックなだけじゃダメなのよ。東大出ても、知事を褒めることしかしないんじゃ。

-後でお聞きしますが、結果的にすごく厳しい状況になった2016年の都議会議員選挙で勝ち抜いたのも、上田さんの日頃の活動の成果ですから。

児童相談所の移管については区議会議員時代から取組んできましたし、行財政改革は主要政策。不必要なコミュニティセンターを作ることもストップさせましたし、個人資産がありながら土地を生産緑地に指定させて、全く手入れもしない土地が放置されてきた件では、毎年、草ボーボーの写真を撮りに行って、それを見せながら都の主税局に指摘して、きちんと課税をさせました。
この件では、区役所の職員は当該区民にいつも恫喝されていたので、都税事務所で門前払いされていたのには溜飲が下がったみたいですね。
確かに、強く主張したり、マスコミも利用するけど、私の場合、何のためにそれをやるのかが明確な訳ですよ。今回の件は都税収入の確保とかね。
ぜひ、女性議員にはこうした活動をして欲しいですよね。

-同感です。


2018年5月に成立した「候補者男女均等法」では、女性候補の割合を50%にするよう政党に努力義務を求めている。女性議員の増加は、政治や社会にどんな変化をもたらすのだろうか。

今回は、通称お姐。上田令子東京都議会議員です。江戸川区議会議員を経て、現在2期目。2016年小池百合子都知事誕生の立役者でありながら、のちに都民ファーストの会を離党。現在は地域政党「自由を守る会」の代表。舌鋒鋭く、税金の無駄遣いを許さない徹底調査と追及を続けている。

今回お話を伺った東京都議会議員の上田令子さん

小池旋風で起きた議会の画一化

-さて、ぽっと出の女性候補者のご指摘は耳が痛いですが、都議会にもそういう方いらっしゃいます?

どことは言いませんが(笑)風に乗って大量当選した新人は、えてしてその傾向が強いと思います。

-えーと、私の印象もそうです(笑)。ちょっと特殊な選挙でしたしね。国政政党の影響も大きいし。
-小池百合子さんとは都知事選挙に出る前から接点があったのですか?

もともと私、地方分権を大きなテーマとしていたみんなの党所属だったのですが、そこに地域主権型道州制協議会という勉強会があって、そこでお会いしました。道州制を語れる国会議員って全然いなくて、後に「七人の侍」と呼ばれることになる自民党豊島区議の紹介にて小池さんにお願いしたのです。今、東京都の法人2税の税収の内9千億円が他都道府県へ回る偏在是正措置について小池知事が政府へ「地方分権は死んだ」と批判したことが話題になってますが、このテーマでの出会いが、後の東京都知事選に繋ったことに、数奇なご縁を感じております。

その後、小池さんが知事選挙に出る3、4日前に待機児童の問題を提起したいってことと、自分を応援してくれている都議会議員がいるってことをアピールしたいようで、私は待機児童の多い江戸川区の保育園視察へご案内するだけでTVに一緒に出るとは思ってなく遠巻きにしていたら、会見に同席することになって。
当時、会派を組んでいた議員には、まだ自民党籍がある人じゃないか、なんて言われましたけど、政治には瞬間的に決断するときも必要ですからね。
私たち、実際には私が段ボール何箱分もの資料を集めて調べて追及した豪華絢爛海外視察などをきっかけに舛添要一前都知事を追い詰めた訳ですから、代わりの候補を出すことが責任ですよ。そうしたら勢いが出てきて(笑)

-あの時、有象無象の人たちが都民ファーストに押しかけて候補になりましたけど

そうですよ!当初は、どの国政政党とも、業界団体や労働組合とも連携してなかったし、議員個々人が単身の無党派層が参加するものだと思っていましたから。

-小池さんとの関係にも変化があったんですね

ですね。私が一番許せなかったのは、連合や公明党、生活者ネットとも政策協定を結んだこと。せっかくすべての国政政党や労働組合の応援なく小池さんは当選したのですから、都議会議員選挙もしがらみを断つことが必要な選挙だったのに。結局、私ファーストペンギンとは言われますけど、同じ選挙区に連合組織内候補を擁立されて、小池さんは都議会議員選挙中、一度も私の選挙の応援には来ていません。
イエスマンの取り巻きは信頼するのでしょうが、私のように意見がはっきりしているものは排除されましたね。きっかけは、人事院勧告による公務員ボーナスの値上げに対して反対したこと。だって、私は一貫して反対してきたから。そういう態度が連合は気にいりませんよね。
そのうち、希望の塾を開催時に会場内でスタッフ章付けて目立っている議員メンバーがいる一方で私は寒い中外で立たされたり、そういう風にポジションを可視化するのが小池流なのか。連合や自治労とは以前の選挙の時から対立し5人区で国政政党所属の候補者ばかりのところでひとり地元密着で頑張ってきたのに、複数候補を立てるっていうのは・・・。党に落されようとする選挙と同じでした。代表も私から竹内まさおり武蔵野市議へと交代もしたというのに、公認権をふりかざして些細なことで恫喝され、自由を守る会の解散を強要されました。本番ポスターも統一デザインで差別化も図れないこれまでで一番、辛い選挙でしたね。

小池さんはしがらみと絡む必要なんか無かったんですよ。
誰が考えても正しいことを主張すれば反対できる人はいない。確かに、最初は3人のファーストペンギンしかいなかったけれど、正しいことを堂々と主張すべきでした。291万人の都民が味方なのですから。
彼女、とてもタフにみえますが、実は孤独に弱いのかもしれません。徒党を組みたくなったのでしょう。議会運営を心配して公明党に頼り、民主系の現職にすがった結果ですよね。
フレッシュな新人の応募も来ていたのに残念です。

-じゃあ、都民ファーストを離党なさったのは、小池さんが国政に関与しようとしているとか、築地市場移転の問題、ということではなかった訳ですね?

国政に出ることには反対していません。それは政治家の判断だと思います。
築地移転とかオリンピック・パラリンピックの件を本質以外のことで、ことさら取り上げるのは結局は東京都議会内の政局ですので、私は大きな関心を払っていません。もちろん、オリンピック・パラリンピックに関連して、東京都の資産が損なわれるようなこと、例えば、タダで土地を貸すとか、そういうことは駄目だという政策的指摘はしていますけど、政局にして騒ぐつもりは毛頭ないのです。

それ以上に、都民ファーストの会の会派運営への疑問が大きかったです。
文書質問や委員会での資料要求を止められたのです。他にも原稿を事前にチェックさせろとか、「はぁ?」って思って。古い都政を新しくするのではなかったのか?と。

-あー、一気に古いオール与党体制になっちゃって。

結果、小池さんは私たちの離党記者会見を見て「与党の振る舞いが分からなかったのね」なんて、首長自ら二元代表制を否定する発言をなさった。全国の首長、「わかっていても、言ったらオシマイヨ」ってドン引きだと思います。

-私も都民ファーストの会の締め付けの厳しさは小耳にはさんでいますが、個々の議員の活動を制限したら、職責が果たせないですからね。単なる起立要員。

都民ファーストでは議員として働いたらダメということですねぇ。
保守のおじさんだって、ひとり親方で地元の利益誘導のためには頑張っているのに、それすら無い!あのおじさんたちにだって、当初、我田引水ばかりとあきれていましたが、今回、上には上があると実感、地元愛へ一定の評価をするようになりました(笑)。
都民ファーストの新人は、当初23区に住んでいて、郊外の選挙区で擁立されて当選された方もいますが、地元で見かけないという声が多々届いています。地元を歩き回らず、大切にしない議員なんて!
地域活動、個々の地域住民に寄り添わない権力意識だけが高い議員の集まりなんていわばお化け屋敷ですよ。

-よく、地方議会は動物園なんて揶揄されますよね(笑)

妖怪でも、鬼太郎に出てくる妖怪は可愛さがあるんですよ。ぬりかべとか垢嘗(あかなめ)には役割があるじゃないですか(笑)でも都議会は画一化され個性なく彷徨う、知事の言うこと聞いて復唱しているこだまのようです。ただ議席を温めているだけにしか都民には見えないと思います。


2018年5月に成立した「候補者男女均等法」では、女性候補の割合を50%にするよう政党に努力義務を求めている。女性議員の増加は、政治や社会にどんな変化をもたらすのだろうか。

今回は、通称お姐。上田令子東京都議会議員です。江戸川区議会議員を経て、現在2期目。2016年小池百合子都知事誕生の立役者でありながら、のちに都民ファーストの会を離党。現在は地域政党「自由を守る会」の代表。舌鋒鋭く、税金の無駄遣いを許さない徹底調査と追及を続けている。

自由を守る会と次期統一地方選挙

-都民ファースト離党後は、以前の自由を守る会を再結成なさって、来春の統一地方選挙での候補者擁立に向けて動いてらっしゃいますが人選の決め手はありますか?

もちろん基本政策に同意してくれるってことはありますが、本人のフィールドワーク重視です。後は、当選後に議会でひとりでも毅然と戦える強さがあること。私たちは応援するとなったら徹底的ですから。
私の家族まで動員して応援して、離党されるという残念な経験もいくつかしました。党としての反省点をふまえながらも、恩を感じられる人材でないと地域住民に同じことをしますので、人選びにはより慎重になりました。

-新人の応援ってどんなことをなさるのですか?

政策づくりから、名刺やチラシのデザインのサポート。SNSでグループを使って、みんなでアイデアを出し合ったり、チェックし合ったり。すごく細かいところまでみます。選挙期間中も朝から晩まで街頭演説のお手伝いもするし、選挙カーの毎日の運行管理のアドバイス、演説やウグイス原稿への助言もやりますよ。すべて無料です(笑)。
当選後は毎月1回程度、みんなで集まって勉強会をしその後懇親会することも、精神的な部分でのサポートにもなっていると思います。

-立候補のチャンスを広げることも大事だけど、当選後の活動の方が重要ですから。

そう。当選した後のフォロー、教育が大切
大会派に取り込まれてしまったり、役人に丸め込まれることが無いように、ってことで、私は当選したらすぐお会いしてお話しします。1人でもできるからって。しかも、頑張って!みたいな精神論じゃなくて、委員会に所属しなくても委員外議員として発言の機会も作れるし、具体的にやっていけるノウハウを伝えて行く。何かやって議会運営委員会に呼び出されたり、大会派に脅されても負けないようにアドバイスして支え鍛える。

-今後も候補者は増やしていく予定ですか?

自由を守る会は大人数学級ではなく寺子屋スタイルなので、目が届く人数にも限りがあるので慎重に。

-今後のご活躍にも期待しています!ありがとうございました。

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池田麻里

池田麻里。 1975年生まれ。早稲田大学在学中に代議士事務所でインターンを経験。民間企業勤務を経て枝野幸男秘書へ。2007年さいたま市議会議員に初当選。3期12年にて引退。女性を政治の場へ送り出すために活動中。

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