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【沖縄県知事選】投票で若者が最大勢力になれるたった1つの方法

2018/9/28

原口和徳

原口和徳

週末の投票日に向けて、沖縄県知事選挙の情報が連日報じられています。

でも、「若者は政治に参加できるのか?」ふと、こんなことを思うことはないでしょうか?

有権者の中で高齢者の割合が増加し、高齢者層の政治への影響力が増大する現象を表す「シルバー民主主義(デモクラシー)」という言葉もよく目にします。若い世代は他の世代よりも投票に参加しないとも言われていますし、ますます若者の意見が影響力を持つことは難しそうな気がしてきます。

比べてみたら若者の投票者は60代の半分しかいなかった

この思いは世代別の人口と投票率、推定投票者数(世代別人口×投票率)をグラフにしてみるとよりはっきりしてきます。

図表1_沖縄県知事選挙における年齢別推定投票者数、割合

図表1は昨年度の衆議院議員選挙の年齢別投票率が維持されたものと仮定したときの県知事選挙における推定投票者数を図示したものです。

今回の沖縄県知事選挙における推定有権者数では若者(10代、20代。合計18.4万人)は60代(19.1万人)の約96%とその差はあまり見られません。一方、推定投票者数では若者が60代の半分ほどになることがわかります。

政治のことを2人の友人に話してみよう

それでも、若者の想いを政治に反映していきたいと思ったら。

そう、若者の投票者数を増やしていけばいいのです。10代・20代の若者が政治について感じたことや学んだことを2人の同年代の人に話してみたらどうなるでしょうか。

その世代の投票率は50%以下ですので、確率的には話しかけた人のうち1人はこれまでに投票に行っていないことになります。その人と一緒に投票に行ってみる。話を聞いた人が同じように2人に話をしてみる。そして、また投票に行く人が増える。そうしてつながりが広がっていったら。

10代・20代有権者の投票率が2倍になると、推定投票者数は60代の推定投票者数を上回ります。

たった2人の友人に対して政治について感じたことや学んだことを話してみるだけ。

そう考えてみると、具体的な行動がイメージしやすくなりませんか?

もちろん、政策的な主張は年齢だけで決まるわけではありません。筆者自身、「自分よりも子や孫のための政策を優先して欲しい」と主張される高齢者の方のご意見を伺うことも多々あります。

例えば、同居しているなどの理由で、ご両親や祖父母など、異なる世代の方が身近にいる場合は、自分たちの味方になってもらうことも考えられます。

もし成功したら、若者の立場に立った投票者(味方)が増えることに加えて、他の世代の立場に立った投票者が減ることになります。このことは、同世代の友人を巻き込むときの2倍の影響力を発揮することになります。

思い込みに囚われないこと

また、有権者数だけで考えると、若者(10代、20代)は40代、60代、30代に次ぐ人数であり、その差も小さなものとなっていることも意識しておきたいことです。

沖縄県は出生率が全国で最も高く、平均年齢も全国で最も若いなど、若者が多く暮らし、活躍している地域です。

決して、若者の数が他の世代よりも著しく少なく、若者の声が政治に届きにくい構造にあるわけではありません。

もし、沖縄に暮らすあなたが「どうせ数が少ない私たち若者の声は政治には届かない」と思ってしまっているとしたら、ぜひその思い込みを克服できますように。

小学校よりもファミマよりも多い投票所

他にも「投票所って遠くて行きにくい場所にあるんでしょう」といった思い込みに囚われている人もいるかもしれません。

今回の沖縄県知事選挙では322か所の当日投票所が設置される予定です。

これは沖縄県内にある小学校(271校)や、県内に最も店舗数の多いコンビニエンスストアであるファミリーマート(321店)よりも多い数となっています。

投票所は公民館や役所など、若い人にはなじみの薄い場所に設置されることが多いため気がつきにくいかもしれませんが、調べてみると案外身近なところにあるかもしれません。ぜひ、ご自宅に郵送されてくる投票所入場券でご自身が使用される投票所の場所を確認してみてください。

また、投票日よりも前に期日前投票所で投票することもできます。期日前投票所の設置数は41か所と当日投票所に比べて少ないものの、那覇市では那覇メインプレイスやイオンにも設置されています。わざわざ投票に出かけなくても買い物のついでに投票することもできますよ。

投票にかかる時間は10分程度

ちなみに、投票する人が決まっていれば、投票自体は受付から記名・投票まで10分もあれば済ませることができます。

ご自宅に送られてくる投票所入場券を持っていなくても大丈夫。通常の投票よりも時間がかかることになりますが、本人確認ができれば投票所入場券を持っていなくても投票することができます。(ただ、特別な対応になりますので、対応してくれる係員の人にはお礼を伝えてくださいね)

また投票所には選挙公報などもあり、その場で再度投票先を検討することもできます。

沖縄県に暮らす若者だからこそ訴えたいこと

年齢だけが有権者の意識(政治的選好)を決める要因でありませんが、「子育て」に関することのように生涯において特定の世代だけが当事者として接する社会的課題もあります。

例えば、沖縄県は人口当たりの待機児童数が日本一となっていますが、このことの切実さは当事者世代だからこそ共有・共感できるものもあると思います。

これらの社会的課題を、政治の重要テーマとして取り上げ、解決に近づけていくためには、若い有権者の皆さんの行動が大切になります。なにも選挙に立候補したり、街角でデモをしたりしなくても大丈夫です。

ご紹介してきたように、身近な友人や家族に話しかけ、投票参加を促していくことで状況を大きく変えていくことができます。

「シルバー民主主義」などと表現される若者の政治的な無力感は、「友人や家族、2人に話しかけてみること」といったちょっとした行動で変えていくことができます。

いままで誰も解決策を見出していない「シルバー民主主義」。身近な2人に話しかけてみるといったことから、克服への第一歩を踏み出してみませんか。

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原口和徳

原口和徳

けんみん会議/埼玉ローカル・マニフェスト推進ネットワーク 1982年埼玉県熊谷市出身。中央大学大学院公共政策研究科修了。早稲田大学マニフェスト研究所 議会改革調査部会スタッフとして、全国の議会改革の動向調査などを経験したのち、現所属にて市民の立場からのマニフェストの活用、主権者教育などの活動を行っている。

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