9月2日に告示された根室市長選には、いずれも新人で自民、立憲民主、国民民主、公明、新党大地の5党が推薦、社民党が支持する石垣雅敏氏(67)、保坂いづみ氏(49)の無所属2名が立候補しました。投開票は9月9日に行われます。
3期12年務めた現職の長谷川俊輔氏(73)が勇退し、32年振りの新人同士による争いとなりました。
石垣氏は1951年生まれ、工学院大学専修学校卒業。助役・総務部長・北方領土担当参事を歴任し、副市長に就任。現職候補の事実上の後継者として市内の主要経済団体から要請を受け、任期途中で辞職しての出馬となりました。
石垣氏は、根室市長の職責は「北方領土返還運動の先頭に立つこと」と述べ、現市政の方針を引き継ぐ考えを明らかにしています。今回は北方四島との共同経済活動の具現化、防災・減災の振興、基幹産業である水産業の活性化および水産都市の再興、地域医療充実を政策に掲げました。
保坂氏は1969年兵庫県神戸市生まれ、神戸大学卒業。2010年に司法試験に合格し、岡山県の法律事務所に就職しました。2016年に根室市内に法律事務所を開業。保坂氏は戸籍上では男性、市議や弁護士としては女性として活動しており、司法試験でも女性の服装で臨みました。2017年の根室市議選では性同一性障害を公表して出馬し、初当選を果たしました。
保坂氏は「根室では、特定の人が市民の見えないところで重大な事を決めている。市民の声を直接聞き、少数者に配慮した政治を行いたい」と意欲を見せています。また、神戸市に住んでいた時期に阪神淡路大震災を経験していることから、今回の最重要政策として「災害に強いまちづくり」を挙げました。
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