4月8日にハンガリーで議会選挙が行われ、「フィデス」が3分の2超の議席を獲得し圧勝しました。ヨーロッパでは移民や難民の受け入れを反対する政党が躍進を続けていますが、今回のハンガリー議会選挙でもその傾向が顕著なものとなりました。
ヨーロッパでは、内戦状態に陥っている中東・アフリカ諸国から大量の難民が流入するという問題が続いています。ドイツが早くから難民受け入れを表明したため、難民の多くはドイツを目指して中東・アフリカ諸国から大量に移動することとなります。その通過地点に位置するのがハンガリーをはじめとする東欧諸国で、ハンガリーには3年前には40万人以上もの難民や移民が押し寄せました。

2015年には、EUが加盟国にギリシャやイタリアに滞留する16万人もの難民を受け入れることを求めましたが、ハンガリー、スロバキア、ルーマニア、チェコと言った東欧諸国は強く反発し、欧州司法裁判所に提訴しました。
その急先鋒がハンガリーで、人道的な見地から難民受け入れを求めるルクセンブルクなどと激しく対立しました。 その後、ハンガリーのオルバン政権は難民受け入れの是非を問う国民投票を実施しました。しかし、投票率は規定の50%を大きく下回り、国民投票は不成立となりましたが、難民受け入れ反対が98%を占めました。この結果を受けて、オルバン政権は、受け入れ反対の「圧倒的勝利」であるとして、反EUの姿勢を強固なものにしました。 2017年にはオルバン政権は難民を国境近くの難民キャンプで運送用コンテナに収容するという法律を成立させる一方 、欧州司法裁判所が難民割り当てを支持する決定を行い、対立は激しくなっています。
今回の選挙はこうした難民受け入れに対するヨーロッパ内の対立のもとで行われました。与党に有利な選挙制度改革が行われたというのもありますが、難民に対する強権的な姿勢が評価され、4月8日の選挙でのフィデスの圧勝へとつながりました。
ヨーロッパにおいては東欧諸国に限らず近年、難民に対する反発が強まっています。首脳レベルで受け入れを推進してきた国々においてもその動きは顕著です。2017年フランス大統領選では難民受け入れに反発する極右「国民戦線」のルペン氏が左右の既成政党の候補者を破り決選投票に進出した他、ドイツでは下院選で極右「ドイツのための選択肢」(AfD)が12.6%得票して国政に初めて進出し、一躍CDU・CSU、SPDに次ぐ第三党に躍り出たことは、極右の躍進として衝撃を与えました。
東欧諸国を中心とした難民危機の影響を強く受ける国々ではより顕著な動きを示しています。ハンガリーでは2015年以降オルバン政権が難民を施設に収容するなど反難民的な政策を推進しています。
そして、昨年にはオーストリアにおいても脅威として「政治イスラム」を挙げ、中東からの移民を激しく攻撃するクルツ氏が中道右派政党「国民党」の党首に就任し、選挙で第一党となりました。また、イタリアにおいても、選挙で勝利した中道右派連合内において、反EU、反移民の政策を推進する政党「同盟」が勢力を伸ばしました。これらの国々では与党が「極右」化の様相を示しているのです。この事態は反難民EUの政策決定にも影響を及ぼすことが想定されるでしょう。
一方で現在のところ西欧諸国にはこのような動きは広がっていませんが、今回のハンガリー議会選挙での影響などが西欧諸国へも広がっていくのかが、今後の注目点となっています。
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