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「維新」対「反維新」激突の堺市長選をデータから読み解く。現職がやや優勢、新顔が懸命に追う?

2017/9/22

平木 雅己

平木 雅己

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大阪維新の会新人・永藤英機氏(前府議)と、無所属の現職で3選をめざす竹山修身氏(自民党、民進党、日本のこころ、社民党大阪府連推薦、共産党は自主的支援)による一騎打ちが展開されている堺市長選挙は、24日に投開票が行われます。

国政では、与野党に分かれている自民、こころ、民進、共産、社民が「対維新」という一致点で共闘し、現職の竹山氏を推薦・支援しているのに対し、維新は府議を辞職した新人・永藤氏を擁立し激しい戦いが繰り広げられています

これまでの報道では、「現職がやや優勢、新顔が懸命に追う」(朝日新聞)、「現職が先行」(読売新聞、共同通信)などとなっています。
【「維新」対「反維新勢力」激突】の堺市長選挙について、過去の選挙結果を踏まえデータから読み解きます。※得票数の按分票は切捨調整

(1)前回13年市長選結果

竹山氏が19万8,000票を獲得し、14万票の維新・西林克敏氏を破りました。

竹山氏は、堺区や地元・北区で約1万5,000票の差を付け、トータルで5万7,000票差で勝利しました。西林氏は、地元の南区で勝利したのみで、他の6区では及びませんでした。

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(2) 維新の党勢

維新は、直近4回の衆参国政選挙での比例票が、14万票(12衆)、10万票(13参)、10万4,000票(14衆)、11万5,000票(16参)と推移しています。

また、前回市長選の西林氏の得票数は14万票、15年知事選では、松井知事が17.5万票を獲得しています。この6回の選挙の得票数の平均値は12万9,000票、堺市での維新票は「下限10万票~最大17.5万票」と考えることができます。また、15年府議選では6人の候補が合わせて14万票、堺市議選では14人の候補が合わせて9万8,000票を獲得しています。

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(3)竹山氏、推薦・支援の政党の党勢

竹山氏を推薦・支援している各政党の比例票を見ていきます。

去年の参院選では、自民7万5,000票、民進3万2,000票、こころ8,000票、社民3,800票で自主的に支援している共産の4万票も加え、単純に合計しますと「16万票」となります。

そして、各党が参院選で獲得した比例票の合計「16万票」と、前回の竹山氏の得票「19万8,000票」を比較して見ます。竹山氏の地元・北区では、推薦・支援の5党の比例票の合計は3万票であるのに対して、竹山氏の得票数は3万9,000票、前回市長選で大きく勝ち越した堺区では5党比例票:2万7,000票に対して竹山氏得票:3万7,000票と、「9,000票~1万票、竹山氏の得票数が多く」なっています。いわゆる「個人票を積み上げる」という状況を読み取れることができます。

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(4)鍵を握る!「自主投票」の公明票

堺市議会に11人の議員を擁する公明党の得票状況を見ていきます。前回の市議選で11人全員が当選し、得票数の合計は6万票余でした。
一方、過去3回の衆参の国政選挙で公明が獲得している比例票は「6万票~7万3,000票」です。

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今回、公明は「自主投票」を決定しています。
過去2回の衆議院選挙において、大阪府内の公明現職議員がいる4つの選挙区(3区、5区、6区、16区)で、維新は候補者擁立を見送っています。
こうした「維新と公明の関係」を考えますと、「6万票~7万3,000票」の公明票が、どういう投票行動をとるのか、今回も注目されます。

【仮に】ですが、「公明票の半分3万票」が、永藤氏を支援した場合、「維新の党勢の平均値13万票+3万票」で「16万票」となる計算も成り立ち、竹山氏推薦・支援の5党比例票「16万票」と並びます

投票率にも関心が集まります。
堺市選挙管理委員会のまとめによりますと、18日までの期日前投票者数は、2万4,038人です。
大阪都構想が大きな争点となった前回13年市長選での前回の同じ時期の2万9,907人を若干下回っています。前回の投票率は50.69%でした。
堺市の市長選挙は、24日投開票で即日開票され、深夜には大勢が判明する見通しです。

(永藤英機氏)

(永藤英機氏)

 

(竹山修身氏)

(竹山修身氏。竹山氏Twitterより引用)

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平木 雅己

平木 雅己

ライター、選挙アナリスト。 NHK社会部記者として、選挙報道事務局を長く勤め、「票読み」はじめ情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入され初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。 その後、連合事務局にスカウトされ、会長秘書(笹森清氏)を勤め選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。 政策担当秘書資格取得後、外務大臣政務官及び衆参国会議員秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、治安、雇用・消費者、地方自治、憲法などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。

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