※本記事はNPO法人 Mielkaの記事の転載となります。
Mielka恒例の選挙結果グラフです。
平成29年7月2日の都議選の結果を可視化してみました。さらっと読めますので、するするーっとスクロールして見てください。
さて、早速選挙の結果(議席)からです。
いきなりNHKさんから引用させていただきましてごめんなさい。自分なりに作ってみても、やっぱりプロの方が作ったこれが一番わかりやすくて。
右側の図は、127議席中、各政党が占める割合を示したものです。自民党と公明党が同率で第2党、都民ファーストの会が圧勝した選挙でした。
では、議席数ではなく、得票数はどうだったのでしょうか。
得票数と得票率でも圧倒する都民ファーストの会。
ところがここで注目は、自民党と共産党の得票数/得票率です。
議席数では公明党に並んでいた自民党ですが、得票数では公明党に勝り、都民ファーストの会に約11%差となっています。議席数ではダブルスコア以上の大差をつけられた自民党ですが、票数だけでみると、都民ファースト:自民=3:2の割合でした。
一方で、共産党も、議席数では19議席となって議会第4党でしたが、得票数では公明党に勝り、第3位の票数でした。
この2つのデータから、公明党が、選挙区調整をし、都民ファーストとの直接対決をなるべく避けることで効率的に議席を獲得したことがわかります。
ひと目でわかるように、得票数の割合と議席数の割合を並べてみました。
都民ファーストと公明党が、効率的に議席数を伸ばした一方で、自民は死票(落選者得票数)の多い選挙区が多かったようです。
では、その死票の数を見てみましょう。
全体の投票数は約568万票で、そのうち当選した議員たちの得票数は約400万票、落選した議員たちの得票数は約168万票でした。(ちなみにこの死票を計算するのが地味に時間かかったので、どなたかちょこっと褒めてください。)
選挙区選挙として、当選者が1人〜8人までの幅がある、様々な選挙区を置く東京都議選では、小選挙区制を採用する国政選挙よりも死票が少なくなります。今回の都議選では約30%が死票となりました。(前回の衆院選小選挙区の死票は48%でした!)
ちなみに、「死票が出る」というのは、「都民(国民)が投じた票が議席に結びつかなったこと」を意味するので、あまりにもその割合が高いことは褒められたことではありません。が、もちろん一定の多数決は必要です。
さて、死票の話が出たので、今度は棄権票のデータを見てみましょう。
棄権票とは、今回の選挙を棄権した票の数、言うなれば「投票に行かなかった人の数」で、要は「選挙を無視した人の数」ですね。
今回の都議選では、棄権票は約540万票でした。投票率が51%(総投票数568万票)だったので、49%が棄権したということです。
これを踏まえた上で、改めて東京都民はどの政党を支持し、あるいはどの政党にも選挙にも興味を示さなかったのか、半ば強引ですが「都民の声」として割合を出してみようと思います。
東京都の全有権者のうち、都民ファーストの会に投票したのは17%、自民党に投票したのは11%、公明党7%、共産党7%、民進党4%となりました。強引に「都民の声」などと銘打ってグラフ化しましたが、このように見ると、自民党も大逆風の中、割りと奮闘したんだなぁとも思いませんか?
とはいえ、前回の選挙からの得票数(※議席数ではありません)を見てみると、やはり自民の敗退ぶりと都民ファーストの躍進ぶりが一目瞭然です。
自民党が約37万票を失い、同様に民進党が約30万票、維新の会が約32万票を失っています。これに対して、新勢力の都民ファーストの会が188万票を手にしました。東京都政に関する既存政党への不信感が、都民ファーストの票に結びついたとすれば、既存政党が失った約100万票の大部分が都民ファーストに流れたといえるでしょう。
そして何より7.77ポイントも上昇した投票率。東京都の有権者数が1108万1157人で、単純計算でも86万1005票が前回よりも増えたわけです。
既存政党から離れた約100万票と新たに増えた約86万票。
そして、新勢力の都民ファーストの会が獲得したのが約188万票。
何かの偶然なのか。(もちろん、もっと投票行動は複雑なのですが)
さて、新しい議会の男女比はどうなったのでしょうか。
おおお、女性議員の割合がぐっと増え、4人に一人が女性になりました。
フランスのマクロン大統領率いるアンマルシェほどではないですが、働き方改革や保育政策が期待される東京都政で、女性の割合が増えたことは嬉しいことです。
政党ごとに見てみましょう。
圧倒的に男性が多い自民党、公明党、民進党に比べて、異彩を放つのが都民ファーストの会、そして共産党。共産党に至っては、男性議員の倍以上の女性議員がいるという…。すごい。
続いて、現職/新人議員の割合です。
全体でみれば、新人議員の割合が一気に増えました。政党ごとの結果も見てみましょう。
やはり圧倒的なのが都民ファーストの会、そして共産党も半数近くが新人議員となっています。
新人議員の存在は、停滞する都政に対して新しい風を起こすことが期待されますが、他方で経験とノウハウをもって安定した都政を実現する現職の存在も重要です。半数近くが新人となった都議会、そして議会多数派を形形成する都民ファーストの会の3分の2が新人議員です。(2009年の国政選挙を思い出されて身震いする方も多いはず。)
最後に、期日前投票の数が増えてきたので、その割合をご覧ください。
もう4人に一人は期日前投票を利用するようになりました。
個人的には、これも立派な投票日なんですから、期日「前」投票日なんて辞めてしまって、全ての期間を「投票日」に言い換え、最後の投票日だけ「最終投票日」とかに言い換えれば、みんな利便性を感じて投票行ってくれそうな気がするんですが。
以上、Mielkaチームからの分析でした!
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