
(いらすとや)
容量1.9トンの油圧ショベルカーは1台約3500〜4000万円ほどで買えるそうです。普段何気なく目にしている工事現場の重機ですが、調べてみると腰が抜けるほど高いですね。
…なぜ選挙ドットコムで油圧ショベルカーの話が始まったのか? まあもう少し話を聞いてください。
皆さんは「選挙公報」をご存知でしょうか? 選挙に際して候補者の情報を掲載した広報紙のことです。新聞の折り込みなどで目にすることが多いかと思います。
今年1月、北九州市がこの選挙公報の発行をやめることを発表しました。国政選挙や知事選では発行が義務付けられている選挙公報ですが、それ以外の場合は各自治体の条例次第で、特に決まりがなければ「廃止」という選択肢もあり得ます。実際、広島市も発行をとりやめています。
選挙公報を廃止する自治体が出てきた理由は、一度の発行・配布にかかる費用が容量1.9トンの油圧ショベルカー1台とほぼ同程度だからです。
人口によって金額は変わりますが、北九州市では約3,600万円程度かかると言われています。つまりあの広報紙をやめてしまえば、それだけで容量1.9トンの油圧ショベルカー1台分の費用が浮くわけです。
じゃあやめてもいいじゃん! と言いたくなるかもしれませんが、そうもいきません。インターネット環境を使えず、新聞やチラシの情報だけで判断しなければならない有権者もいますし、自身の選挙活動資金が乏しく、選挙公報が貴重なアピールの場となっている候補者もいます。
一度の発行で容量1.9トンの油圧ショベルカーが買えるほどのお金がかかることは事実ですが、同時にその3,600万円は平等な選挙の実現のために必要な費用であることも事実なのです。
「発行費が高いから税金の無駄」と考えるのではなく、「税金の無駄にならないよう選挙公報をもっと活用する」と考えてみましょう。
Wikipediaの「選挙公報」の項目を見てみると、「公的な書類として無味な部分がある反面、泡沫候補の選挙公報は独特のものが多く(手書きのものもある)、政見放送とともに好事家の間で人気が高い。」とあります。
ただの広報紙と割り切らず、もっと熟読すれば、「選挙公報を楽しむ」ことも可能なのではないでしょうか? 今回はそんなスタンスで選挙公報を眺め倒してみましょう。
さっそく選挙公報についてGoogleで嗅ぎ回っていたところ、気になるサイトがひっかかってきました。その名も「選挙公報.com」。(選挙ドットコムの生き別れの兄弟のような名前ですね)
こちらは学生有志によって運営されている選挙公報の収集サイトです。選挙公報は、選挙管理委員会のサイトに掲載されていても選挙が終わると削除されてしまうことが多いため、継続的に情報を比較することが難しい状況にありました。そこで、有志が選挙公報を継続的に保存・公開することにより、有権者の判断材料を増やすことを目指す「選挙広報.com」が解説されたのです。
過去データは現在も提供者を募っており、集積データには若干偏りがありますが、近年の選挙についてはかなり便利に使えそうです。こちらのサイトを利用して過去の選挙公報を鑑賞していきます。
目次

まずは2014年の桜川市議選の高橋滿候補です。年齢・所属の記載はなく、ただ香川県高松市で開票所にカメラを設置することになったというニュース記事が貼ってあるのみです。
よく考えて欲しいんですが、桜川市は茨城県であって、高松市どころかもちろん香川県でもありません。この記事と選挙は無関係なわけです。謎は深まるばかりです。

2015年に行われた山口県下関市議選より。
上下の高さを揃えていると思いきや、1・3行目と2・4行目で微妙に高さが違う感じが絶妙な違和感を生んでいます。字体と行間によって何とも言えないポエム感のあるビジュアルになっています。

2015年習志野市長選より。文字の上に文字を乗せるという暴挙が清々しいですね。…読めない。

そう来たか〜〜!
こちらも2015年統一地方選挙より、甲府市議選の選挙公報です。常識にとらわれないという意志を、本文をそのままひっくり返して表現したのでしょうか? しかし本当に読みづらい。

2015年の港区区議選に登場したおぬまひろゆき候補です。
選挙公報は、手書きで書いて提出することもできます。手書きだと人柄なども伝わってきますが、「☆区民のための明るい政治で、みんなで幸せになるニャンよ☆」と手書き文字でこう書かれると中々味わい深いものがあります。

号泣会見で話題になった野々村竜太郎議員を排出してしまった兵庫県議会より、2015年県議選の選挙公報です。「絶対に野々村氏とは違う」という強い意志が伝わってきます。
選挙公報は候補者本人の人柄や政策が伝わってくるものです。ここまで、ちょっとひっかかる個性的な選挙公報をご紹介してきましたが、投票先を決める際にも役立つこと間違いありません。
せっかく費用がかけられて作られているものですから、ぜひ手にとって読んでみてください。
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