もはや王国? 築地・銀座・日本橋… 中央区長は8期・30年以上も区長が変わっていない

2016/10/18

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コラム

選挙ドットコム編集部

「首長の多選(同じ政治家が何度も当選すること)」は有権者の批判対象になりやすく、1期4年を務めた後に2期(8年間)はまだしも、その後3選・4選を目指す選挙では、落選するケースも全国的に多いものです。
しかし、そんな多選批判をものともせず、5期・6期と「長期政権」を築く政治家もいます。有名なのは、中央区の矢田美英(やだ・よしひで)区長で、現在8期目に突入しています。初当選は1987年。実に30年ほど、区長を務めています。
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これは現在、全国の市長・区長の中で最も多く選ばれている記録です。なぜこれほどの「長期政権」を維持できるのでしょうか?

矢田区長は報道機関の共同通信出身で、政治部記者として活躍した経歴を持っています。報道機関出身の政治家にありがちな「記者も少しやってましたよ」という程度ではなく、首相官邸キャップを務めた「バリバリ」の記者です。
矢田氏自身も中央区(新富町)の出身で、1987年3月に、約20年在籍した共同通信を退社し、その年の4月の区長選に立候補しました。
見事初当選を果たし、昨年2015年4月に行われた区長選挙で8度目の当選を果たしています。
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人口減少の時代に、中央区は人口が1.6倍に

矢田区長の最大の功績は、区内の人口減少を食い止めるだけでなく、積極的なマンション誘致、住宅政策で人口を大幅に増やしたことです。1981年に9万人余りだった人口は、現在約14万5,000人にまで増えています。矢田区長は区が長年の目標としてきた「定住人口10万人」の実現に全力を目指して政策を総動員し、2006年にはついに10万人を突破しました。

「ダイヤモンド・オンライン」の「東京23区 データでわかる実力」(2010年)の中央区編によると、「一定規模以上の開発に対する住宅付置義務の制度化、中高層住宅の建設や住宅の共同化の促進を図る誘導・助成の推進、住宅購入資金の融資斡旋、区立住宅の拡充」などを推進したそうです 月島などの臨海エリアの開発は現在もめざましく、ファミリー層をひきつけているのは衆目の一致するところです。

矢田区長の区政運営が安定しているのは、人口増政策の成功が大きいと言えるでしょう。
中央区といえば、築地市場の移転事業が区政の大きなテーマです。現在、小池百合子都知事の判断で、移転先の豊洲市場の開場が延期され、大きな問題となっています。矢田区長は当初、食、観光の一大拠点である築地市場の移転計画に反対していました。しかし、次第に豊洲移転を容認する方向に転じ、現在は豊洲移転を前提に、築地市場移転後の周辺開発などに力を入れています。

 

 

「8期目は長すぎる」自民党を敵に回しても圧勝

矢田区長は保守系無所属で、初当選以来7期連続で自民党の推薦を受けてきた。ただ、前回2015年の8期目の区長選では、自民党が矢田区長の多選批判に転じ、対抗馬を擁立する事態となりました。
初めて政党推薦なしで戦った矢田区長ですが、知名度と安定感を生かし、圧勝に終わりました。

多選の弊害は「専制的な体制」「行政運営の硬直化」「マンネリ化」「業者や各種団体との癒着」など枚挙に暇がないですが、矢田氏の場合、選挙での圧倒的な得票がそういった批判を封じ込めている側面があると言えるでしょう。
矢田氏はとにかく選挙に強いです。3期目の1995年から5期目の2003年の区長選までは、自民・公明・民主(95年は新進党)の推薦を取り付け、1995年には得票率80%を超えていました。

自民党を敵に回した2015年も、自民党が推した元区議に9,300票余りの差をつけて当選しています。
ある区政関係者は「カネにクリーンなタイプといえる。バランス感覚があり、全方位外交的なスタイルを取る」と評しています。
「政治倫理の確立と綱紀粛正」が信念で、これまでも「スキャンダルや不正」「利権や金」などのイメージでメディアや有権者から叩かれたことはほとんどないようです。

それでも、さすがに8期は長すぎるかもしれません。中央区は、銀座・八重洲・築地・日本橋など東京を代表する地域を持つと同時に、2020年の東京五輪・パラリンピックの選手村建設地でもあります。まさに「日本の顔」といっていい自治体ですが、矢田区長が東京五輪を迎えるには2019年の区長選で9選を果たさなければなりません。任期は来年4月で折り返し地点となりますが、9選を目指すのかどうかが今後の焦点とるでしょう。

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選挙ドットコム編集部

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