政党の党員数と党費について考える~自民党は復調傾向、民進党は苦戦継続

2016/10/03

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コラム

児玉 克哉

政党には党員制度が設けられており、その人数と党員の党への関わりの強さは、政党活動に大きく影響する。読売新聞(2016年10月2日付)は以下のように自民党党員数の増加を報じている。

自民党の二階幹事長は1日、徳島市内で開かれた党徳島県連の会合で講演し、2016年9月末時点の党員数が100万人を回復したことを明らかにした。党員数は09年の野党転落後に大幅に減少し、少なくとも過去4年間は100万人を割り込んでいた。(中略)自民党の党員数は08年末時点で106万人だったが、野党転落後に急減し、政権復帰後の13年末時点では78万人にまで落ち込んだ。このため、14年から2年間にわたり、120万人を目標に党員獲得運動を展開。国会議員に1000人以上の党員獲得のノルマを課すなどし、15年末時点で約98万人に回復していた。

ただ自民党は1990年代には200万~500万人の党員数を誇っており、その当時に比べればはるかに少ない状態だ。1991年には500万人を超えている。バブル経済が弾け飛び、1993年には非自民政権として細川内閣が発足した。そこから党員数は激減していった。民主党政権の時は自民党にとっては最低の時期であり、党員数は最低レベルになった。安倍政権が長期政権となりそうで、また徐々に党勢が回復しているというところだ。

民進党(民主党)の党員数は徐々に減りつつある。毎日新聞(2016年8月18日付)は民進党の党員・サポーター数について次のように報じている。

民進党の党員・サポーターは24万2907人(6月6日現在)で、旧民主党と旧維新の党の合流前を下回ったことが分かった。目標の30万人に届かず、岡田克也代表は18日の記者会見で「参院選と時期的に重なったので非常に集めにくかった」と弁解した。昨年度の旧民主の党員・サポーター登録数は23万3100人、旧維新の党員数は約3万6000人。単純に合計すると約27万人だが、実際には2万人以上、減ったことになる。民進党結成に伴い、党員をやめた人が多いとみられる。旧民主党の党員・サポーターは最多だった2010年に35万508人に上った。

民進党(民主党)は党員制度とサポーター制度を設けている。民進党の党員とサポーター数は合算して報道されることが多いので、その正確な内訳はわからない。これまでの数字などから約4万人が党員登録、20万人強がサポーター会員登録だと推察される。民進党には最大労働組合の連合がついている。連合の組合員数も減少傾向にあるが、それでも700万人近い組合員数だ。もう少しは多くなってもいいのかもしれない。

他の政党の党員数については、2014年12月13日付の読売新聞が載せている。少しデータが古くなる。公明党は約40万人、共産党は約30.5万人、生活の党は6300人、社民党は約1.7万人となっている。あの頃から、政党の構図や政治状況はかなり変わっているので参考程度にしかならない。

この党員制度は政党によってかなり異なる。少しまとめてみよう。制度は変わるので、変更している部分があればご教授いただければ幸いだ。

政党党員会費

自民党....会費 年間4000円(家族党員は2000円)
民進党....会費 年間6000円(サポーター会費2000円)
公明党....会費 年間3000円(サポーター会費2000円:他に機関紙「公明新聞」購読月1887円)
日本維新の会.会費 年間3000円
共産党....会費 年間(実収入の1パーセント) 他に機関紙「赤旗」購読月額3497円)
社民党....会費 年間12000~24000円(40歳未満:15600円 40~60歳未満:24000円 60歳以上:12000円)(サポーター会費6000円)
生活の党...会費 年間4000円(サポーター会費2000円)
日本のこころ.会費 年間2000円

選挙前には党員拡大キャンペーンとして立候補予定者が党員拡大のノルマを受けることがある。それが公認争いのポイントになることさえある。立候補予定者は自腹で支援者の党費を払い、党員数を増やしたこともある。また党費未納者の扱いをどこまで厳しくしているかも政党によって異なる。

共産党の党員会費はかなり高いことがわかる。実収入が500万円であれば年間会費は5万円ということになる。社民党の会費もかなり高い。年齢によって変わるのも独特だ。

海外の状況も大きく異なる。制度もかなり別ものであることもある。

イギリスの政党の党員数

労働党...515,000人
保守党...149,800人(2013年12月が最新の数字)
SNP....120,000人
自民党... 76,000人
緑の党... 55,500人
UKIP....39,000人
PC..... 8,300人
下院図書館報告:2016年7月現在(8月5日発行)

アメリカの制度は全く異なる。届出制といっていい。党員の義務や資格審査はほとんどなく、選挙を管理する州当局に届けを出すだけで党員とみなされる。これは大統領選の予備選挙などで重要になる。

2011 年のUSA Today によると、民主党は4200万人、共和党は2400万人となっている。システムはかなりいい加減なようで、数字は大きく動く。

選挙での投票行為は政治参加の一つだ。政党の党員やサポーターとなるのもまた一つの方法だ。日本でももっとオープンな形で、政治に関わることができる雰囲気になるのがいいのかもしれない。

※本記事は「行動する研究者 児玉克哉の希望ストラテジー」の10月2日の記事の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。

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児玉 克哉

三重大学副学長・人文学部教授を経て現職。トルコ・サカリヤ大学客員教授、愛知大学国際問題研究所客員研究員。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。連絡先:kodama2015@hi3.enjoy.ne.jp

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