グラドルのガチで爽快な戦い 『アイドル新党』(書評)
2015/10/27
2016/06/29
2016年6月12日未明、アメリカのフロリダ州オーランドで、容疑者を含む50人が死亡する銃乱射事件が発生しました。これは同国史上最悪の事件となり、世界中を震撼させました。前日には、同じオーランドで米女性歌手がコンサート会場にて射殺される悲惨な事件が起きたばかりでした。さらには、また6月1日にもカリフォルニア州の日本人留学生が多く在籍するカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で、学生が教授を射殺する痛ましい事件が発生しています。
このように、たった1ヶ月の間でも、米国内での銃乱射による痛ましい事件が立て続きに起こっており、日本のメディアでも大きく取り上げられました。銃規制を訴える団体エブリタウン・フォー・ガン・セーフティー(http://everytownresearch.org)によると、アメリカでは、年間およそ1万2000人もの人が銃によって犠牲になっており、銃殺の割合は、他の先進諸国と比べて圧倒的に高い数値となっています(図)。 平均して週に1回は、どこかの学校で銃事件が発生しているということも明らかになっています。
(図: 住人1万人につき銃で死ぬ人の割合の各国比較。一番上がアメリカで。下から2番目が日本) 参照:Everytown for Gun Safety [https://everytownresearch.org/us-gun-violence-trends/]
まず、アメリカの憲法には、「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。」(アメリカ合衆国憲法修正第2条) という条項があります。安全のために、武器を保有する権利が基本的人権として認められているのです。日本人からするとすごく不思議な権利に見えるかもしれません。このような権利が認められるようになったのは、アメリカ建国時、民衆が銃を取って、イギリスから独立・自由を勝ち取ったことで、「自らの国は自らの手で守る」という意識がアメリカ国民に根付いたという背景があります。また日本とは違い、アメリカでは体格が大きい人も多いことは容易に想像ができるかと思います。自分の身は自分で守る、護身のための銃保有が、アメリカでは当たり前の文化としてあるようです。
この文化の差を象徴する事件が、実は今から20年以上前に日本人留学生を巻き込む形で起こり、日本中を驚かせました。それが、1992年の日本人留学生射殺事件(通称: 服部君射殺事件)です。これは当時16歳だった服部剛丈(よしひろ)くんが、アメリカに留学中のハロウィンパーティーで、家を間違えて民家に立ち入り、驚いたそこの住民が服部君を射殺したというものです。さらに、射殺した住民は正当防衛だったとして無罪となったのです。この事件は、日本人にとってアメリカとの文化の違いをはっきりと突きつけられた出来事となりました。
次に、アメリカには、500万人以上の人々が参加する銃規制反対派の団体があります。それが、全米ライフル協会(NRA)です。NRAは、「Guns don’t kill people, people kill people.(銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ)」をスローガンに、全米で銃規制に反対する活動を行っています。
とりわけ、二大政党の1つである共和党との繋がりが強く、莫大な資金力を背景に、議会では大きな影響力を及ぼしています。ケネディ(民主党)、レーガン、ブッシュ(父)前大統領もNRAの会員でした。ちなみに、オバマ大統領は2016年1月5日、ホワイトハウスで銃規制を強化する政策を発表しましたが、その際に「銃のロビー団体は今、議会を人質に取っているが、アメリカを人質に取ることはできない。自由への対価として、この虐殺を受け入れることはできない」と述べ、NRAを中心とした銃のロビー団体を強く批判しました。
前述した1月5日のホワイトハウスの会見では、オバマ大統領は、涙を流しながら銃規制を訴えましたが、銃規制に関して国民的な合意が得られていないのが現状です。民間人の銃の保有が憲法に守られ、銃規制に反対する巨大組織があるアメリカでは、一筋縄には銃規制へ踏み切ることができないようです。むしろ、護身のために銃は積極的に持つべきとの考えも根強くあります。それを象徴するように、現在大統領選挙で共和党から名乗りを上げているドナルド・トランプ氏も、そのような理由で銃規制には消極的で、さらには銃の所持禁止の法律を廃止することを明言しています。 銃規制が今後進むのか否かは別として、これ以上銃の乱射によって失われる命がないことを祈るばかりです。
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