国会は“国権の最高機関”であり、その役割は“立法”である。
そのくらいは知っていました。というより、それしか知りませんでした。
だから、新聞を読んでも理解できませんでした。委員会って?本会議って?衆議院と参議院の違いって何だっけ…?
この仕事を始めて、ようやく理解しつつある”立法”の話です。
(友人)「え?今って閉会中なの?」
(私)「え?…うん。」 (そっか、去年までは私も知らなかったもんな…)
立法は国会開会中に行われます。
国会の年間スケジュールは以下のようになっており、10月15日現在、閉会中です。
通常国会の会期は150日間ですが、今年は戦後最長となる95日間の延長がなされたため9月27日が会期末となりました。
なお、例年秋にある臨時会の招集は未定のため、ハテナを付けています。
立法の流れについて、ザックリまとめました。
①法律案提出→②衆議院で審議→③参議院で審議、という流れになります。(参議院で先に審議する法案もあります。なお、法律案が成立する条件は省略します。)
立法の第一段階は、法律案提出です。
「こういう法律が必要ではないでしょうか?」という提案です。これができるのは、内閣と国会議員のみになります。
第二段階は、衆議院での審議です。
提出された法律案について、「この法律で充分か?」「この法律はやり過ぎてないか?」「そもそもこの法律は必要なのか?」を審議することになります。
第三段階は、参議院での審議です。
参議院は「再考の府」と言われるように、衆議院を通過した法律案をもう一度チェックする役割を持ちます。
以下、衆議院と参議院における審議についてまとめました。
・部門会議(部会)
各党が意見をまとめる場であり、法律案に対する理解を深めるために官僚や専門家などからヒアリングを行う。
党執行部と各部会の役員が主導権を握っているものの、党所属議員は誰でも出席・発言できる。
◯◯党文部科学部門会議や◯◯党外務部門会議のように、党ごとに設置されている。(写真は自民党HPより)
小泉進次郎議員が自民党農林部会の会長に起用されるというニュースが話題になっていますが、もし就任すれば、農林関連政策(TPPなど)に対する自民党の意見を取りまとめることになります。
・委員会
部門会議でまとめた各党の意見をぶつけ合う場であり、各党議員が法案提出者に対する質疑を行う。厚労省所管の法案ならば厚生労働省委員会、外務省所管ならば外務委員会といったように法案を扱う。(重要法案の審議はNHKがたまに放送。)
衆議院と参議院それぞれに設置されており、各党の議席数によって委員数が配分される。審議に一定のメドがついたら、法案の採決がなされる。
常任委員会(国会法に規定されている常設の委員会:衆参ともに17つ)と特別委員会(各議院で必要だと認められた案件を扱う委員会)に分類される。
衆議院外務委員会、参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会など。
・本会議(衆・参)
各委員会で可決された法案を採決する場。
衆議院と参議院それぞれに分かれている。
委員会における各党の委員数は議席数に比例しているため、委員会の採決結果が本会議の採決で覆ることは基本的にない。そのため儀式になっている。
以上、学校では教わらなかった”立法”についてまとめました。
政治家は、法律案の提出あるいは審議を通じて”立法”に携わっています。
「政治はタブー」という風潮が政治に対する理解を阻害している気がしてなりません。政治を遠い存在に感じるのは、政治家が何をしているのかわからないためではないでしょうか。
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