岩手県知事選挙の告示まであと10日。3選を目指す現職の達増拓也知事と、元復興相で岩手選挙区選出の平野達男参議院議員との激しい前哨戦が繰り広げられていましたが、平野氏は7日、急遽出馬を断念し、知事選は無投票の可能性が強まっています。告示直前で出馬断念となった異例の経過をまとめました。
平野氏が岩手県知事選への出馬を表明したのは4月14日の記者会見でのこと。19日には自民党岩手県連が支援を決定。7月2日には公明党県本部が支持を決定。17日には盛岡市内で大規模な集会を開催。7月30日には事務所開き。しかし8月7日には出馬断念となりました。
対する現職の達増拓也氏は3選を目指し、昨年11月15日に出馬を表明して以降、民主党、維新の党、生活の党が支援し、社民党は実質的に支援を決定、共産党は独自候補を出さず自主的支援を決めていました。知事選は実質的に、自公対野党連合の激しい闘いになることが予想されていましたが、平野氏の出馬断念により自公の不戦敗が決定しました。
知事選は8月20日告示、9月6日投開票の予定で、仮に平野氏が参院を辞職して出馬していれば、その参院補欠選挙が10月8日告示、25日投開票となる見込みでした。国会が9月27日まで延長され、まさに安保関連法案が参院で採決される前後の選挙となれば、激しい政権批判の逆風に巻き込まれ、2つの選挙で与党推薦候補が負ける可能性もありました。平野氏は断念の理由について「国の安全保障の在り方が最重要課題へと浮上し、県政の在り方が論点になりづらい状況が生じてきた」(8月8日NHK)と説明しています。
また9月後半には自民党総裁選も控えており、来夏には参議院選挙が実施されます。先だって行われた埼玉県知事選挙では、現職知事に対して自民県連は対立候補を立てたものの、党本部は推薦を出さず、結果的にも惨敗しました。政権支持率も低迷する中、自民にとってこれ以上党勢に不利な結果を残したくないことが、埼玉県知事選、そして平野氏の出馬断念から伺えます。
自民の谷垣禎一幹事長は10日、岩手の支援団体に「おわび」行脚するとされ、茂木敏充選対委員長も11日、知事選と同日選挙となる岩手県議選の対応について県連と協議する予定です。国政課題が地方選に影響する中、自民党の対応にも変化が求められています。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします