選挙ドットコムCTOの佐藤です。
来年の参院選まであと1年。1年という時間は長いようでいて、選挙区が広い参院選を戦う準備期間としては必ずしも十分とはいえません。一方で、公認争いが激しいのも参院選の特徴です。選挙区が広いために組織力が重視される参院選にとって、一定規模以上政党の公認候補にとっては楽な戦いになることがしばしばあるからです。つまり、「美味しい」公認候補になれさえすれば、国会議員の椅子が約束される。そんな選挙の公認争いドラマも参院選ウォッチャーの醍醐味といえるでしょう。 特に、来年の参院選では、10増10減、2合区の制度改革が行われる予定であり、定数の増減や選挙区の消滅を巡って様々なストーリーが展開されることは間違いありません。そこで、選挙ドットコムでは、今の時期から想定される各選挙区のポイント、選挙後の政治・政局に与える影響をブロック単位でまとめていきたいと思います。 第一回目の今日は、北海道選挙区を分析してみましょう。
現在の本命視されている選挙制度改革では、定数が2から3へと1増える大変注目される選挙区です。この1議席をどこが奪取できるのか各党のせめぎあいが興味をそそります。ほとんどの定数2の選挙区がそうであったように、従来は自民と民主が分け合う構図でした。なお、今回改選となる自民党長谷川議員、民主党徳永議員とも2期目を目指す選挙であり、順当に出馬が濃厚です。 もっとも、伝統的に民主党が強いことで知られる北海道であり、今回の改選議員が当選した2010年の選挙では、民主が2議席独占を狙ったこともあります。しかし、昨今の民主党の勢いからすると、民主の2議席獲得路線は現実的とはいえないでしょう。 順当に行けば、3議席目は自民・公明の協力関係をベースにした公明党の議席となる可能性が高いといえます。仮に与党サイドの2議席獲得となれば、政権運営にはずみがつきます。 本来であれば、維新の党を始めとした第三極が3つ目の議席を取りにいく可能性もあります。しかし、昨年(2014年)の衆議院比例票でみると、自民74万、民主69万、公明31万、維新25万という党勢であり、普通の戦い方では議席には届かないでしょう。しかし、かつて2012年衆院選で一度は出馬を表明した松山千春氏のような知名度ある候補が出てくれば、第三極候補でも十分に戦局を変えられるものと思われます。 次回は北東北3県を分析する予定です。お楽しみに!
佐藤哲也
【追記】
このエントリを読んでいただいた一部の方から、2014年衆院選比例区で30万票の共産党が触れられてないというのはおかしいのではないかというご指摘がありました。確かに、2013年東京選挙区では吉良候補が3番目の議席を獲得したこともあり、近年の共産党の伸長を考えると、魅力的な候補が出馬することで議席を獲得する可能性があると筆者も考えました。基本的には不偏不党のポリシーであり、公開の段階でその可能性に気づけず申し訳ありませんでした。今後の分析に反映させるとともに、ご指摘の点について補足させていただければと思います。
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