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衆院解散は秋? 理由の1つである「一票の格差」の議論



齋藤 貴
齋藤 貴



参議院選挙の結果をめぐって「一票の格差」の是正を求める声があります。
しかし最近では、「一票の格差をなくそうとすると、地方の声が届かなくなる!」といった、意見も見受けられるようになり、解決をより難しいものにしています。今回は、この「一票の格差」について問題を整理したいと思います。




そもそも「一票の格差」とは何か?


一票の格差とは、「選挙区あたりの人口の差によって、一票の価値に地域差が出ること」を言います。例えば昨年の参議院選挙では、山梨県では17万票余りで当選した人がいる一方で、新潟県には56万票弱の票を集めながら落選してしまった人がいます。17万票で当選し、56万票で落選ということは、新潟県の人からすれば、その分、地元の声が国政に反映されなくなるということになります。





「一票の格差」を解消しようとするも上手くいかず


「一票の格差」を解決を目指して、人口が多い選挙区の議員選出人数を増やす・人口が少ない選挙区の議員選出人数を減らす、という対策がとられてきました。例えば昨年には、鳥取県と島根県でそれぞれ議員を選出していた選挙区割りを改め、2つの県で1つの選挙区にする「合区」が導入されました。

しかし、それでも上記の山梨県と新潟県の例のように、一票の格差は大きいままです。
結局、昨年の参議院選挙も一票の格差が問題となり、弁護士や市民団体が選挙の無効を裁判に訴える事態になりました。





「一票の格差」よりも重要なことがあるのではないか 高まる地方知事・国会議員の悲


このように「一票の格差」を問題視する声が噴出する一方で、最近では新たな意見も見受けられます。それは、「一票の格差を突き詰めると、地方の声を代弁する議員がいなくなる」というものです。

例えば、先程紹介した「合区」となっている選挙は、各県でそれzれ、参議院議員を選出してきました。しかし、一票の格差に対応するために合区を行い、両県で2名選出することにしたのです。

その結果、合区から選ばれた政治家は、2つの県をカバーしなければならなくなったのです。かつて自民党幹事長を務めた石破茂衆議院議員(鳥取1区)は鳥取県と島根県の合区に対して、「この広大な選挙区で国会議員の責務を果たすのはものすごい負担だ」と発言しています。
このように選挙区が広大になると、有権者の声を集めにくくなり、国政に反映させづらくなります。




「地域代表」と「国民代表」 どちらを採用するか


こうした問題を解決すべく、「憲法と地方自治研究会」(座長=京大教授 高見茂氏)などの研究会で検討されているのは、
現在 → 国民代表(議員は日本全体の代表のため、選挙区ごとの一票の格差は無くすべき)
案  → 地域代表(都道府県ごとの代表のため、日本全国での格差はあっても問題ない)

というものです。「地域代表」という考え方を取れば、例えば東京都と島根県でそれぞれ1名、国会議員を選出することとし、東京都民の1票の価値と、島根県民の1票の価値が違っても問題ないことにあります。

こうした考え方は、世界を見れば珍しいものではありません。アメリカ、ドイツ、フランスでは上院における地域代表を憲法で定めています。例えばアメリカでは、口の最も多いカリフォルニア州は下院では53人選出しますが、上院では他の州と同じ2人しか選出しません
日本に置き換えれば、「東京都は衆議院議員を25名・島根県では2名選出。参議院ではどちらも1名ずつにする」といったようなものです。

以上のように、選挙における票の重みは常に検討されています。衆議院でも「選挙区の区割り」の変更が検討されており、今年の夏を目安に変更案が提示される見込です。そのため、「衆院解散は夏以降」との噂が飛び交っています。「一票の格差」のニュースを目にした際は、解散の時期がいつになるのかも予想してみてください。
齋藤 貴

齋藤 貴

ペンネーム。23歳大学生。大学では政治学を専攻。テレビドラマ『相棒』が大好きです。

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